
鹿児島の逸品に特化したECサイト『かごしまぐるり』を運営する大薗です。
前回は、お客様との接点作り、縁を広げるために取り組んでいることをお伝えしました。今回は集客方法やお客様との接点作りのための発信方法について、具体的な取り組みをお伝えします。
この記事の目次
はじめに
鹿児島に特化した産地直送型ECサイト「かごしまぐるり」は、地元産品の新たな価値を見出し、消費者に直接届けることを使命として取り組んでいます。これまでの経験を基に、より多くの方に当社の取り組みを知ってもらうための新たな戦略について、その具体的な方法と目指すべき方向性をまとめました。
オンライン施策の進化
ターゲット特化型コンテンツの充実
「かごしまぐるり」のターゲット市場は、ストーリー性とクオリティを重視するユーザーです。これらのユーザーは、ただ商品を購入するだけでなく、その商品がどのような場所で、どのような人が携わり、どのように生産され、どのような価値を持っているかを大切にしています。このニーズに応えるために、ターゲット特化型コンテンツを制作し、消費者の関心を引き、エンゲージメントを深めることが重要と捉え、ターゲットにより強く訴求するための新規コンテンツの制作・既存コンテンツのアップデートに注力しているのです。
「かごしまぐるり」では、鹿児島県内各地の生産者・生産現場をスタッフが直接訪問して、生産者のこだわりやストーリー、もの作りへの情熱はもちろん、趣味や日常生活の様子まで徹底的に取材させていただきます。あわせて現場の様子を写真や動画で撮影も行っています。
取材したこれらのコンテンツをウェブサイトやSNSで公開し、こだわりを持つユーザーの皆様が生産者や商品について、より深く理解してもらえるように発信しているのです。
また、各商品ページに、その商品がどのような環境で作られ、どのような特徴を持つかの詳細な説明を加えています。特定の商品がどのようにして生産・開発されるに至ったかの過程を紹介しつつ、対象となるコンテンツにUGC(User Generated Content:ユーザー生成コンテンツ)を組み込むことも積極的に取り組んでいます。

これらとあわせて、コンテンツを制作する際には、SEOもしっかりと意識しています。
適切なキーワードのリサーチを行い、より幅広いユーザーにリーチできるよう、SEOの観点からもコンテンツ制作を行うことで、検索エンジンでの可視性を高め、ターゲットとするユーザーが容易に情報にリーチできるよう取り組んでいるのです。
また、ECサイト構築サービス「カラーミーショップ byGMOペパボ」のWordPressオプションをフル活用して情報発信コンテンツ「かごしまぐるりよみもの」を立ち上げ、商品の販売だけでなく、鹿児島にまつわる幅広い情報を定期的にアップしています。

こちらも新しい記事の作成とあわせて、既存記事コンテンツのアクセス分析を行いながら、アクセスを集めているコンテンツを中心に定期的なブラッシュアップを行っています。
それと同時に、外部ツール「note」も活用して、「かごしまぐるり」を運営しているスタッフに親近感を感じてもらえるような、スタッフの取り組みや何気ない日常といった記事コンテンツもアップしています。
ユーザー参加型キャンペーンの展開
ユーザーエンゲージメントを高めるため、SNSも積極的に運用しています。各SNSの特性やユーザー層をふまえながら、発信する情報の内容を精査して展開することを心掛けております。
そのなかで、インスタグラムストーリーズは瞬間的に消費されるコンテンツの特性を活かし、ブランドとフォロワー間のインタラクティブなコミュニケーションを促進するプラットフォームと位置付けているのです。
ストーリーズへの投稿機能を活用したアンケートキャンペーンは、リアルタイムでユーザーの参加を促し、直接的なフィードバックを獲得するための有効な手段と言えます。鹿児島にまつわるクイズやシーズナリティを意識したアンケートを実施することで、エンゲージメントの向上を図りつつ、ユーザーニーズの洗い出し、新しいトレンドやニーズをタイムリーにキャッチアップ、今後の商品PR戦略に生かすことができるようにしています。
定期的に行っているアンケートキャンペーンは、社内で毎週ブレスト会議を開催して、以下の点をふまえながら、立案からフォローアップまで取り組んでいます。
- 目標の明確化
- アンケートによって何を知りたいのか具体的な目標を設定します。例えば、「新製品の色の好み」や「次に開発すべき製品カテゴリー」などです。 - 質問の作成
- 簡潔で明確、かつ参加を促すような質問を用意します。二択や複数選択肢から選べる形式が理想的です。
- 質問はインタラクティブで楽しいものにすることで、より多くの参加を促せます。 - 視覚的魅力の追求
- ストーリーズのビジュアルを工夫し、注目を集めるデザインを用いることで参加率を高めます。
- ブランドのコンセプトにあわせた配色やイラストを使用することを意識しています。 - 結果の共有
- アンケートの結果を集計し、社内で迅速に共有します。 - 改善点の検討
- アンケートから得られたフィードバックを分析し、商品やサービスの改善、今後のアクションプランに活かします。
- どのような質問が高い反応を得たかを分析し、次回のキャンペーン設計の参考にします。
インスタグラムのアンケートキャンペーンは、貴重な市場データを収集する手段として非常に効果的と捉えています。正しく設計し、適切に実施することで、エンゲージメントの向上や今後の商品展開・開発への直接的な顧客の声の反映が期待できるでしょう。
インスタグラムでのフォロー&ハッシュタグプレゼントキャンペーンの全貌

「かごしまぐるり」でお取り扱いのある生産者様と連動した新規フォロー・ハッシュタグによるプレゼントキャンペーンも定期的に実施しています。ブランドの認知度を高め、新規フォロワーの獲得と既存フォロワーのエンゲージメントを促進しつつ、フォロワー基盤を拡大するための有効な戦略と位置づけて取り組んでいます。
また、キャンペーンを定期的に実施することで、商品やサービスの露出増加、フォロワーがブランドのストーリーを共有することでコミュニティの活性化にも効果が高いと感じています。
キャンペーン実施にあたっては、以下の内容を精査しています。
- キャンペーンの設定
- 目的の明確化:何を目的としてキャンペーンを行うのかを明確に設定します。例えば、新製品のローンチ、特定のイベントのプロモーションなど。
- 商品の選定:参加者に提供するインセンティブとして、魅力的で関連性の高い、シーズナリティやオリジナリティのある商品を選びます。 - 参加条件の設定
- 参加者はブランドのアカウントをフォローし、指定されたハッシュタグを使用して、自分の投稿にキャンペーンを紹介する内容を投稿する必要があります。
- ハッシュタグは独自であることが重要で、キャンペーンを簡単に追跡できるようにします。 - プロモーションの展開
- キャンペーンの開始前に、予告ポストやストーリーズ、リールを使用してファンに予習の機会を提供します。
- 商品を提供する生産者様と共同で投稿することで、キャンペーンのリーチを拡大します。
オフライン施策の進化:地域と共に成長する『かごしまぐるり』
オンラインプラットフォームと並行して、「かごしまぐるり」は、地域コミュニティや関連企業との直接的な関わりを重視し、オフラインでの接点拡大を図ることでさらなるブランド認知と顧客基盤の拡大を目指しています。以下に、具体的な施策とその展開方法を詳述しましたので、参考にしてみてください。
地域イベントへの積極的な参加
鹿児島県内で開催されるイベントやポップアップストアを設置し、地域住民と生産者の直接的なつながりを生み出すことで、ブランドの認知度を高めていきます。
商品の販売や試食会を行いながら、生産者とのコミュニケーションを楽しんでもらうことにより、来場者に鹿児島産品の質と魅力を直接感じてもらうことが狙いです。また、来場者からの直接的な意見や感想を収集し、製品改善や新商品開発の参考にします。
このようなイベントは新商品を市場に投入する前に、直接消費者の反応を得るための絶好の場であると捉えているため、イベントを通じて提供される直接的な経験は、製品の改善と市場への適応を図る上で重要な手段となるでしょう。また、実際の消費者との対話を通じて得られるヒアリングは、商品開発プロセスにおいて貴重な機会です。
教育機関との連携強化
地元の学校や大学と連携し、学生を対象にした教育プログラムを通じて、地域産業への関心を高め、鹿児島の魅力の再発見に繋げながら、未来の地域を支える人材を育成します。
学生を対象に、農業や地域産業の魅力を伝えるワークショップを開催。生産者を直接訪問して、現地でフィールドワークを行ったり、生産者とのセッションの時間も設けてインタビューを実施したり、地元の学生が実際の現場を学べる機会を提供します。
地元の学生たちを対象とした生産者訪問や収穫体験は、教育的な視点と地域社会との結びつきを強化するための重要な施策です。この取り組みは、若者たちに農業や地域産業の現場を直接体験してもらうことで、食の源を理解し、地域に対する責任感を育むことを目的としています。さらに、次世代の消費者や生産者としての意識を高め、地域産業の持続可能な発展に貢献する人材を育成することも目的の一つです。
オフラインの取り組みはオンラインでも欠かさずに発信
これらの取り組みをオンラインでも発信していくことで、さまざまなユーザーへのリーチに繋がっています。
オンラインによる具体的な発信方法は以下の通りです。
ソーシャルメディアを活用した情報共有
収穫体験の様子を写真やビデオで記録し、主にインスタグラムでハッシュタグをつけて「かごしまぐるり」や生産者のアカウント、これにより、体験の魅力を広く伝え、より多くの参加者やユーザーの獲得、ブランディングの強化に繋げます。
ブログや記事の投稿
体験後、学生たちは自分たちの感想や学んだことをブログ記事やオンライン記事として、まとめ、学校のウェブサイトやSNSで公開します。これにより、活動の詳細や影響をより広いオーディエンスに伝えることができます。
さいごに
これらのオフライン施策を通じて、「かごしまぐるり」は地域社会とのつながりを深めるとともに、地域全体のブランド価値を向上させ、地域経済の持続可能な発展を支える基盤を築いているのです。地域の魅力を内外に発信し続けることで、新たな顧客層を惹きつけ、共に成長していく地域の未来を創造していきます。
「かごしまぐるり」では、オンラインとオフラインの境界を越えて、より深い顧客エンゲージメントと地域の持続可能な発展を目指し、これからも、革新的な取り組みを通じて、地域産品の新たな価値を創造し、多くの人々に鹿児島の魅力を伝えていきたいです。地域一丸となって取り組むことで、鹿児島の未来に向けた一歩を踏み出していきます。
■かごしまぐるり
https://gururi-japan.com/
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