地方ECが町おこしの鍵!情報発信×ECで鹿児島の地域活性化への道を拓く

鹿児島の逸品に特化したECサイト『かごしまぐるり』を運営する大薗です。

前回の記事ではカラーミーショップのプラグイン機能による、WordPressを活用したECサイトのコンテンツマーケティングについて寄稿いたしました。今回はコンテンツを発信する際の、情報整理方法やコンテンツの作成方法など、より具体的な内容に踏み込んでお伝えしようかと思います。

コンテンツ作成のために情報を整理

まず、鹿児島の地域情報を発信するにあたり、社内のスタッフと協力して改めて鹿児島の魅力や課題、現状について意見を出し合いながら情報を収集し始めました。それぞれが持ち寄った意見・情報を整理し、可視化していくことを徹底的に取り組みました。

可視化した情報をもとに、改めて発信していく内容や切り口を社内で話し合い、実際にコンテンツを制作して、PVや“鹿児島”に関連するキーワードの検索順位などの指標をもとに感度測定を行いながら、コンテンツの定点観測を行っています。これらの取り組みは最初の段階だけでなく、社内で定期的に行っている取り組みです。コンテンツを制作したら終わりではなく、定点観測により、どのようなコンテンツがどれくらいの反響になっているのかを社内の全員が把握することで、各自の情報レベル・意識レベルをより高い位置で平準化することを常に心がけています。

鹿児島をブランディングしようと考えた背景

「鹿児島の魅力」が全国の方にまだまだ浸透していないなか、定期的に情報を発信していくこととあわせて、『かごしまぐるり』が大切にしていることは鹿児島をブランディングしていくことです。

これまで鹿児島県は良いモノはあるけれど、あまり多くの方に知られていないというジレンマがありました。それはなぜだろうとひも解いてみると、鹿児島では個々の発信が数多くなされている一方、情報が集約されている十分な場が少ないと感じました。つまり、プレイヤーの数に対して、統括するマネジメント機能を持つプラットフォームが少ないのです。そこにビジネスチャンスを感じました。

「鹿児島」全体をPRしながらそれぞれの生産者が持つ魅力やこだわり、地域性を発信しつつ、鹿児島をブランディングしていくことが重要です。生産者自身では見えづらい、地元では当たり前になっていることも第三者がみると、とんでもない「宝の山=充実したコンテンツ」であることがしばしばあります。第三者目線で「宝の山」を掘り起こすことで、より多くのユーザーに鹿児島の魅力をお届けできると感じています。

生産者の個々の魅力をコンテンツ化するための取り組み

生産者の皆さまにお会いした際に、生産の現場に足を運びながら、こちらから質問させていただき、いろいろなお話をお聞かせいただいています。お会いしてお話する前に、生産者の方ご自身が発信しているSNSを始め、訪問する土地の風土や特産、生産量が多い産品、観光スポットなど事前にリサーチすることを心掛けています。

お話するなかで、「こだわりを教えてください」と質問すると、はじめは「そんなにこだわってないよ」と回答される方も多いです。でも生産現場を見まわしてみると、あちらこちらに他とは違うこだわりポイントがみられます。

そういった特異点を見つけるために注意深く観察して、生産者の方を質問攻めにします笑。やっぱり一番の工夫は生産者の皆さまといかにコミュニケーションをとるかだと思います。そのためには自分自身もスタッフも常に農業や生産現場のことを学びながら、アンテナを張り続けていくことが大切です。

そうすることによって、生産者の皆さまにお話を伺う際にいろいろな角度や切り口でお話を聞くことができ、普段ではなかなか聞けない貴重なお話を聞くことにつながっていきます。

生産者に寄稿いただいたコラム
生産者の方に寄稿いただくこともあります(かごしまぐるりよみもの

コンテンツを広く届ける工夫

作成したコンテンツを広く届けるための工夫として、SEOの観点からスモールキーワードを意識した記事作成を心掛けています。たとえば、鹿児島を代表する農産品の「さつまいも」は品種が多岐にわたります。

本当にさつまいも好きな方は一般的にはニッチな品種名でも検索することが予想されるため、品種名や野菜の名称で流入が取れるようなコンテンツを作成しています。また、新着記事をアップした際にはSNSを通じて、新着記事の案内をすることで記事コンテンツの存在を広く知ってもらいます。

記事のアップ時にストーリーに掲載(かごしまぐるり公式Instagram)
記事のアップ時にストーリーに掲載(かごしまぐるり公式Instagram

リアルイベントでファンとのコミュニケーションを創出

オンラインだけの集客では、どうしても一定のユーザーのみのリーチに偏りがちです。ターゲットやペルソナは意識しつつ、まずは『かごしまぐるり』自体の認知度、取り組みを広く知ってもらうことが現時点では重要と考えています。そのための第一歩として、まずは身近にファンを作り、鹿児島県内のユーザーに認知してもらうことにも力を入れています。

具体的な取り組みとして、鹿児島市内の百貨店やJR九州と提携してリアルイベントによる取扱商品の直売会を定期的に開催しています。イベント時には可能な限り生産者の方にも直接店頭に立っていただいています。そうすることで、普段は接点持つことが少ないユーザーとコミュニケーションが生まれ、足を運んでいただく方の反応をダイレクトで感じていただきながら、自身の商品が売れることに手ごたえを感じることができるのです。結果として、生産者の方々がイベントに参加することがよりよいモノづくりへのモチベーションアップにもつながっていると感じます。

駅前でイベントを開催

イベント開催時にはSNSを通じて事前に告知することで足を運んでもらうきっかけ作りにも力を入れています。イベントを通じて「かごしまぐるり」を知ってもらえるよう、「かごしまぐるり」の取り組みや商品のご紹介とあわせて、限定クーポン付きのチラシを配布したり、ご来場いただいたお客様とのコミュニケーションを積極的に行ったりすることで、ECサイトにも訪問してもらうといった双方向性を持たせることを意識して取り組んでいます。

最後に:量と質、そして時間を意識した情報発信

ECサイトを構築してデザインを整える、リアルなイベントを実施するだけではなかなか集客は難しいと思います。まずは商品、サイトともに認知度を獲得していくことがなによりも重要ですので、情報発信の「量」と「質」を同時に模索していくは必要不可欠です。情報の「質」に応じて、SNSや報道機関へのアプローチ、オウンドメディア掲載を使い分け、継続的に絶え間なく発信していくことを心掛けています。

継続的にコンテンツを発信し続けるためには、社内でのアイデア出し、情報共有は定期的に行うことが必要です。また、コンテンツ制作における時間はだらだらとならないよう、1投稿あたりに費やす時間は〇〇分まで!といった区切りを設けながら、ある程度フォーマット化できるものは複数のフォーマットを事前に準備することで、コンテンツ制作の時間短縮、効率化を図っています。

認知を伸ばし、ECサイトの集客を安定させることは簡単なことではありませんが、一定の「質」を担保しながら継続的にコンテンツの「量」を増やすことはどのECサイトにも必要なことかと思います。本記事がECサイトの集客に悩んでいる方の一助になりましたら幸いです。

■かごしまぐるり
https://gururi-japan.com/

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