腸活市場に着目!”あなた専用”の新腸活「インナーガーデン」開発の舞台裏

「インナーガーデン」は、腸内タイプに合ったパーソナルドリンクを提供するサービスです。本文を読み進めていただく前に、下記のページをご覧いただくと、より内容をご理解いただけるかと思います。

インナーガーデン:https://floracheck.meiji.co.jp/

この記事の執筆者

土師智寿
株式会社明治
イノベーション事業戦略部 専任課長

2007年入社後、研究所および本社商品開発部で主に飲料開発に従事。プロテイン飲料「ザバスミルク」や業界初の5つの機能性表示を取得した「五つ星習慣」などを開発。

2021年に新規事業創発プログラムに参加、翌2022年に現イノベーション事業戦略部に異動し、インナーガーデンの事業開発を担当。

2026中期経営計画から始まった新たな挑戦

私たちがインナーガーデンの開発に取り組み始めたのは、当社の2026中期経営計画がきっかけでした。国内事業の新たな可能性を探求する中で、腸内細菌と健康課題の関係性について着目し、長年にわたる腸内細菌研究の知見と技術をどう活かせるかを模索していました。

当社では2021年度より新規事業開発への取り組みを本格スタートしており、事業創出による新たな収益源確保とイノベーション人財育成による環境変化への対応力強化を目的としています。インナーガーデンは、2024年5月にローンチした「FRESH CHEESE STUDIO」に次ぐ、第二号案件となります。

1,500億円の腸内環境市場で気づいた「つもり腸活」の実態

近年、健康意識の高まりを受け、腸内環境市場は約1,500億円の規模となっています。この市場の拡大を見て、私たちの長年の研究成果を活かせる領域だと確信しました。そこで、市場を詳しく調べていく中、腸活に実践されている方のうち約6割(※2025年8月 明治調べ)の方が「つもり腸活」をしている実態が見えてきました。

「つもり腸活」とは、自分の腸内細菌タイプに合った腸活がわからず、とりあえず腸活を行うことです。既存の腸活商品の多くは一般的なアプローチに留まっており、個人の腸内環境に最適化されていませんでした。私たちが目指したのは、もっと科学的に個人に合うソリューションです。

一人ひとりの腸に合う腸活を届けたい

開発の出発点は、ある消費者の声でした。
「バナナや海藻、そしてサプリも試したけれど、正直効果があるのかわからない」
「いろんな腸活を続けているけれど、結局何がベストなのかわからない」
この“もやもや”に、科学の力で応えたい。
そう考えた私たちは、「短鎖脂肪酸」に着目しました。

実は、腸内細菌には「短鎖脂肪酸」という健康を支える成分を作り出す力があります。
「短鎖脂肪酸」をつくる腸内細菌はさまざまあり、腸内細菌によって好む栄養源が異なることもわかっています。そのため、「短鎖脂肪酸」を作り出すためには、それぞれの細菌が「好きな栄養素」をきちんと届ける必要があります。腸内細菌のタイプに合った栄養を与える=自分のお腹にいる腸内細菌を“育てる”という新しい考え方が必要なのです。

つまり、一般的な「腸に良い」とされる食品やサプリメントを摂取しても、その人の腸内細菌の構成によっては期待した効果が得られない可能性があるのです。だからこそ、個人の腸内環境に合わせた自分専用の商品が重要だと考えました。

腸内細菌のエキスパートとの協業

株式会社メタジェン:https://metagen.co.jp/

この分野のエキスパートである株式会社メタジェンとの協業が実現したのは、プロジェクトにとって大きな転機でした。メタジェンは「腸内環境に合ったヘルスケアをあたりまえにする」ことをミッションとし、「腸内デザイン」をコンセプトにしたアプローチで業界をリードしている企業です。

同社代表取締役社長CEOの福田真嗣氏は、慶應義塾大学先端生命科学研究所の特任教授でもあり、短鎖脂肪酸などの腸内細菌が産生する代謝物質に関する研究をライフワークとされています。私たちは短鎖脂肪酸普及協会の正会員として、協会の目的に賛同し、短鎖脂肪酸市場を牽引していくことを目指しています。

5菌属に絞り込んだ理由

腸内タイプ分けイメージと腸内タイプ別素材

腸内細菌は約1,000種類も存在しますが、私たちは短鎖脂肪酸を産生することが明らかになっている代表的な5菌属に着目しました。バクテロイデス、ルミノコッカス、フィーカリバクテリウム、プレボテラ、ビフィドバクテリウムです。

これらの菌属の量とバランスを測定し、その人の腸内でどの菌属が優勢かを調べてタイプ分けを行います。そして、測定結果に基づいてタイプに合わせた素材を配合したココア飲料を提供するという仕組みを構築しました。

タイプに合わせて飲料が提供される

「見える化」への こだわり

見える化により自分の状態が確認できる

専用サイトでは、5菌属それぞれの量を偏差値化した「菌偏差値」と、腸に良い生活ができているかの独自指標「ガーデンスコア」を確認することができます。これは、明治「見える化」サービスの第一弾である「免疫チェック」の経験を活かし、お客さまが自分の状態を直感的に理解できるよう工夫したものです。

ユーザーは提供された飲料を一定期間飲用した後の再測定により変化を確認することができ、さらに生活習慣アドバイスや腸に関するコラムなどの配信により、継続的な健康生活をサポートします。

約3年の開発期間で目指したもの

このプロジェクトにはサービスを始めるまでに約3年をかけました。単に腸内細菌を測定するサービスを作るだけなら、もっと短期間でできたでしょう。しかし、私たちが目指したのは、測定結果を具体的なアクションに繋げる、お客さま一人ひとりの腸内環境に寄り添ったサービスでした。

短鎖脂肪酸という科学的根拠に基づき、個人の腸内タイプに合った栄養源を提供する。そして、それを継続的にサポートする仕組みを整える。この一連のソリューションを完成させるのに、3年という時間が必要でした。

インナーガーデンが描く、これからの社会

本サービスを通じて、とりあえず腸活をやってみる“つもり腸活”ではなく、“自分に合った腸活”をすべての人が当たり前に選べる社会を目指します。

健康診断だけではわからない体の状態を可視化し、適切な情報や商品をお届けすることで、健康の基盤である“腸”を正しくケア。
その先にあるのは、身体だけでなく心も整った、より心地よい毎日です。インナーガーデンは、その実現に貢献してまいります。

インナーガーデンについて

「Inner Garden(インナーガーデン)」は、腸内で有効な働きをするといわれている短鎖脂肪酸に着目し、腸内フローラ検査とその結果に基づいた腸内タイプ別のココア飲料をセットにした、自分に合う新しい腸活ドリンクです。

本サービスでは、短鎖脂肪酸を産生することが明らかになっている腸内細菌の代表的な 5 菌属について、便を検体とし腸内細菌を測定し、その人の腸内でどの菌属が優勢かを調べ、測定結果に基づいてお客さまの腸内タイプを5つに分け、タイプに合わせた素材を配合したココア飲料を、全 5 品のラインアップの中から選定し提供、摂取していただきます。
 本サービスを通じて、食事、運動、睡眠などと並ぶ健康習慣として“自分の腸内環境を知って育てる”を幅広く根付かせていくことを目指してまいります。

【公式】明治インナーガーデン:https://floracheck.meiji.co.jp/

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