Recustomer株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:柴田 康弘)は、ECサイトと実店舗の両方を利用するアパレルブランドがあると回答した人111名を対象に、実店舗とECサイトのクロスユースに関する実態調査を実施いたしましたので、お知らせいたします。

近年、人口の減少や価値観の多様化、広告CPAの増加などの影響から新規顧客獲得が難しくなり、LTV(顧客生涯価値)向上の重要性が増しています。LTV向上を目的とした施策の中で、実店舗を持っているブランドから特に注目されているのが「クロスユース」です。
クロスユースとは、1人の顧客が店舗とECのいずれでも購入するケースを指します。注目されている理由は、ECもしくは店舗どちらかのみを利用している顧客と比較して、ECと実店舗のいずれでも購入する顧客はLTVが3倍〜10倍と分かっているためです。
本調査では、実際に実店舗とECサイトの両方を利用している消費者を対象に、使い分け方やECサイト利用時に重要視しているポイントなどを調査しました。「クロスユース」を実現している背景やポイントを抑えることで、クロスユース率向上のヒントを探ります。
■調査サマリー
- 実店舗で商品を購入する消費者の7割以上が「オンライン」で商品を認知している。
- ECサイトでの商品購入時に重要視するポイントは「アプリ化」「サイズ・質感の細かい表記」「気軽な返品・交換の可否」
- 多くの事業者はアプリ化を実現してるが、アプリ化による利便性に加えてサイズ感や質感が分からないという課題の解決も求められている。
■調査概要
・調査概要:実店舗とECサイトのクロスユースに関する実態調査
・調査方法:インターネット調査
・調査実施機関:株式会社IDEATECH
・調査期間:2023年5月31日〜同年6月1日
・有効回答:お気に入りのアパレルブランドがあり、購入時に店舗・ECの両方を利用している方111名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
・出典元:「Recustomer株式会社」URL:https://recustomer.me/
■ ECサイトを利用する時は「購入アイテムが決まっている時」、実店舗を利用する時は「実際に商品を試したい時」

まず、活用シーンの違いについて調査するため「Q1.あなたが【実店舗 / ECサイト】を利用する時は、どのような場面の時ですか?」(n=111)と質問したところ、ECサイトで購入する場面は「購入するアイテムが決まっている時(57.7%)」、「時間がない時(45.9%)」、「すぐに商品を手にしたい時(36.9%)」が上位3つの理由として挙がりました。
実店舗で購入する場面は「実際に商品を試したい時(45.0%) 」、「すぐに商品を手にしたい時(43.2%)」、「購入するアイテムが決まっている時(40.5%)」が上位3つの理由として挙がりました。

より具体的に分析するために「どのような使い分けをしていますか?」と自由回答で質問したところ、多くの回答が実店舗での購入が主軸であり、時間がない時や実店舗が遠い場合にECサイトを利用することが分かりました。
また、実店舗はサイズ感や素材感が分からない時に利用される場面が多いことがわかりました。反対に、サイズ感などが分かっている場合は、ECサイトを積極的に利用するという意見も見られました。
実店舗を利用する理由が、オフラインでのポジティブ体験が理由ではなく、不安や失敗の回避というリスクヘッジの理由で選ばれる場合が多いことがわかります。
■ 実店舗で商品を購入する消費者の7割以上が「オンライン」で商品を認知している。

ECサイトと実店舗で購入する際の認知チャネルに違いがあるのかを調査するために「Q1. 【ECサイト / 実店舗】で商品を購入する時、どこで該当商品を知りましたか?」と質問したところ、実店舗の場合でも75%以上は商品をオンラインで認知していることが分かりました。
オンラインで商品を知ったのにも関わらず、そのままECサイトで購入することをせずに実店舗まで足を運んで購入していることが分かります。
■クロスユース施策「アプリ化」の次の一手は、サイズ感や質感が分からないという課題の解決

クロスユース実現においてECサイトで強化すべき要素を調査するために「ECサイトと実店舗の両方を利用する中で、ECサイトでの体験において重要と思う要素を教えてください」(n=111)と質問したところ、「ECサイトがアプリ化していて利用しやすいこと(48.6%)」、「サイズや素材の表示が詳細に記載されていること (48.6%)」、「気軽に返品・交換が可能であり、実際に商品が試せること(46.8%)」が上位3つの理由として挙がりました。
多くの事業者はOMO促進や利便性向上のためにアプリ化を実現していますが、さらにサイズ感や質感が分からないという課題の解決も求められていることが分かります。
オンラインとオフラインのネガティブな体験格差を無くすという視点で「気軽に返品・交換を可能にすること」や「サイズや素材感の細かい表記」がクロスユース促進の次の一手になると考えられます。
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