実店舗のF2転換率を上げるアプリの仕組み

アフターコロナで店舗へお客様が戻る動きがようやく見られるようになってきました。一方で、自粛期間を経て、買い物はオンラインでも十分と考える方が増えたのも事実です。店舗運営の立場としては、これまで以上に集客が大変になることは避けられない現実といえます。

新規顧客の獲得はもちろん重要ですが、既存のお客様の再来訪、すなわちリピーターの方の囲い込みができるとコスト面で有利になります。特にまず2回目の来店・購入、俗に言うF2転換の促進に力を入れることがポイントになってくるでしょう。

実はこのF2転換率の向上にアプリ、それも会員証機能を持ったアプリが有効であることは意外と知られていないかもしれません。

以前は財布に山のように入っていたさまざまな店舗のポイントカードや会員証。アプリ化によって財布がかさばらなくなり、常に携帯しているスマホに入っているので持ってくるのを忘れることもなくなります。

お客様にとってメリットが大きいことはわかりますが、F2転換率の向上を含め、お店側にはどんなメリットがあるでしょうか。

会員証のデジタル化によるコスト削減

わかりやすいメリットとして1つあるのは、会員証の紛失・再発行の枚数を大幅に減らせることです。

紙やプラスチックの会員証は捨てられてしまうことも多く、新規扱いで再発行を繰り返した結果、同じお客様の重複登録が大量に発生してしまうことがよくあります。

会員証発行済みの会員が数十万人いても、実際に使われているのは10%程度、という話も珍しくありません。

アプリ化するとこの無駄を大幅に減らせます。会員登録さえできていれば、アプリの削除や機種変更をした場合でも、再ログインするだけで簡単に元の会員証を復元でき、名簿の重複が防げますし再発行分のカード製造コストを抑えられます。

また、最初からアプリだけで会員証発行できるようデジタル化しておけば、紙やプラスチックの会員証を製造して店舗に配布するコストをほぼ0にできるでしょう。このコスト削減効果は意外と大きく、これだけでも会員証のアプリ化を検討する価値はでてきます。

会員証アプリでマーケティング施策の実施が容易に

もう1つ大きいメリットは、アプリを介してコストをおさえたマーケティングが可能になることです。

紙の会員証で運用していると、たとえ会員情報がリストとして手元にあっても、お客様に直接アプローチする手段はハガキなどを用いたDM送付くらいです。印刷代、切手代などを考えると気軽に送れるものではありません。

またメールアドレスを会員情報として収集しても、メール自体がなかなか見られなくなっており、開封のタイミングも人それぞれでタイムリーなマーケティング施策を行うのは難しくなりつつあります。

アプリ化するとスマホのプッシュ通知などが使えるようになるので、お客様へDM送付するハードルが劇的に下がります。メールと違いリアルタイム性が高いので、タイムセールの告知のような使い方も十分考えられます。

また会員証の番号を利用した配布リストを作成し、特定のお客様に限定したプッシュ通知を送る仕組み(セグメント配信)がアプリにあれば、ポイントの有効期限が近いお客様に来店をご案内することや、お得意様だけに限定イベントの招待を送るといったマーケティングも容易に実現できます。

仮会員機能による会員増、F2転換促進の効果

ただ、会員証をアプリ化しても変わらないことの1つに、会員登録の手間の問題があります。

紙の会員証を発行する場合、登録用紙に手書きで個人情報を記入してもらって、担当者が手入力でシステムに登録するパターンが多いでしょう。

会員証発行からデジタル化されていれば、登録作業もお客様がWebサイトなどから行えるようになるので、店舗の現場の負担は軽減されます。また、手書きされた文字の読み間違いによる入力ミスのトラブルも最小限にできます。

しかしお客様への負担という面では、手書きでもWebサイトからの登録でもあまり変わりません。そのため、会員証の発行をおすすめしても登録の手間を煩わしく感じて、途中でやめてしまったり、最初から断られてしまったりするケースは現場で多く見られます。

これを解決するため、会員登録を後回しにして手間なくすぐに会員証アプリを利用可能にする「仮会員」と呼ばれる仕組みを導入している事例があります。

仮会員機能を導入する最大のメリットは会員獲得のハードルが大きく下がることです。

会員登録の手間なく利用開始できるようになると、お客様が会計でレジに来られてからアプリのご案内をしても、会計中にインストールが終わってポイントカードとして使い始められるくらいスピーディーに手続きが完了します。

これであればお客様が会員証を断る理由もなくなりますし、何よりレジ担当のスタッフの方が、後ろに並んでいるお客様に気遣うことなくアプリの案内ができるようになります。このことが会員獲得増に非常に大きく貢献します。

また、紙の会員証で会員登録を後回しにすると、DMどころかEメールすら送れないので後追いで会員登録を促す手段がありません。お客様もカードを簡単に捨ててしまうため、非常に無駄が多くなります。

アプリの場合は会員登録前でもインストールが終わっていればプッシュ通知を届けることができるので、後回しにした登録を促すことも簡単にできます。

きちんと作り込めば、仮会員状態で貯まっているポイントをアプリに表示させられるので、そのポイントをもったいないと思う心理が、正式な会員登録や次回の来店動機を生み出すことにつながっていきます。多くのお客様とつながれるだけでなく、F2転換まで促進できる仕組みを、この仮会員機能によって生み出すことができると言えるでしょう。

まとめ

単にポイントカードがスマホに入っただけと思われがちなアプリ会員証ですが、見落とされがちな意外なメリットが店舗に多くあることをおわかりいただけたと思います。

また、仮会員の仕組みがあればお客様にも店員の方にも使いやすいアプリとなり、より多くのお客様にリピーターとなっていただけるチャンスにつながることもご理解いただけたのではないでしょうか。

仮会員機能を実現するにはポイントカードのシステムやCRMと連携した、カスタマイズ開発が必要になることが多いです。

アプリプラットフォーム MGRe(メグリ) は、多くのシステムとの連携実績があるだけでなく、仮会員機能の実装事例も豊富で、アプリの新規開発はもちろん既存製品からの入れ替え対応についてもご相談可能です。

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