
楽天市場では売上を出店店舗の売上を伸ばすために定期的にモール全体を活性化させるためのイベントを行っております。
楽天市場からポイントバックの持ち出しがあるため、何をしなくても売上が少し上がったという店舗は少なくないかと思います。イベントのタイミングで値下げやポイント還元を行うことで更に売上を伸ばすことは可能ですが、そのイベントに合った「売り方」で新規ユーザーを獲得し、既存のユーザーに還元するだけではなく、店舗の売上を伸ばしていく方法をこの記事では共有していきます。
この記事の目次
楽天市場で売上を上げるための考え方
楽天市場はAmazonと比較し、メルマガの配信機能や独自のページを作成することでユーザーとの接点を増やせるモールです。そのため、自社サイトほどではないにしろ、自分の店舗のユーザーを獲得し、育成していくことが可能です。
新規ユーザーを獲得しながら、育成し、できるだけ多く買い物をしてもらう循環を増やすことが、無理なく売上を伸ばしていくために必要な考え方になります。
楽天市場のイベントとは
その上で、楽天市場のイベントについてどういった趣旨で行われているものなのでしょうか。大きく2点に分けて趣旨が異なると考えています。
楽天市場内のユーザーの活性化
例:お買い物マラソンや超ポイントバック祭など
定期的に行われるイベントであり、楽天市場を日頃から利用しているユーザーを他モールへ逃さないことを目的としています。こういったイベントで獲得したユーザーはダイヤモンド会員やプラチナ会員であることが多く、その後のリピート率が高い傾向があります。
楽天市場外から新規ユーザーを獲得する
例:スーパーSALE、楽天ブランドDAY、母の日など
楽天市場としてテレビCMなどマス広告を多用し、普段楽天市場を利用していないユーザーに対して大きく宣伝を行っていきます。楽天市場内のアクセスは非常に高まるため、新規ユーザーを多く獲得するチャンスです。
まずは、イベントによって上記の分類があるという意識をもって、各イベントへの対策を記していきます。
イベントの種類について
楽天市場が用意しているイベントは4種に分類できます。
1.条件に応じてポイントが上がるイベント
例:お買い物マラソン、楽天カード利用でポイント5倍など
2.値引きを必要としたセールイベント
例:スーパーSALE
3.季節に合わせた特集イベント
例:母の日特集、父の日特集、初売り・福袋特集など
4.その他
例:楽天ブランドDAY
メインで対策が必要になるのは1のポイントの還元額が条件によって変わるイベントです。少しの対策で売上や新規ユーザーの獲得に影響を及ぼすことが可能になります。
また、3の特集については広告を利用しなくても、そのイベントの恩恵を授かることはできますので、どういった対応が必要かは後述いたします。
各イベントの対策について
次に各イベントについて、具体的に実施いただきたい施策について展開します。
※実施することで必ず売上が上がることを保証する内容ではないため、自己責任の範囲内で活用ください。
お買い物マラソン
年間で最も開催回数が多い大型イベントです。1,000円以上の購入を複数店舗で行うことでポイント還元率が上がっていきます。
ページURL | https://event.rakuten.co.jp/campaign/point-up/marathon/ |
開催頻度 | 月1~2回 |
開催期間 | 150時間(変更有り) |
ポイント還元方法 | 店舗をまたいで1,000円以上の商品を買い回ると+1倍(最大+9倍) |
ポイント還元内容:1,000円以上の購入を行うと2店舗目から1店舗増えるごとにイベント期間の総額に+1倍(最大10店舗買い回りで+9倍)
このイベントの強いところは買い回りによってユーザーが獲得するポイントが買い回った商品全てに付与されるというところです。
そのため、毎月このタイミングに合わせて定期的に使用する商品を大量に購入するユーザーが多くいます。
気軽に実施できる施策としては、クーポンやポイントアップキャンペーンが挙げられます。広告購入については、100万円以上の広告購入で超目玉枠(非常に良い掲載位置)が付いてくる大口販売やスーパーSALEに向けてトライアル的に気になる枠を実施してみる以外は他社の事例を具体的に担当のECコンサルタントに相談の上決めていくのが良いかと思います。
また、事前にコストの掛かってしまう広告が実施できない場合、スーパーDEALを活用するのが一つの手です。
10%ポイント還元から利用することができ、購入される時にスーパーDEAL使用料として10%が発生するため、商品価格の20%がユーザー購入時に費用として発生します。事前に持ち出しを発生させずにユーザーへのリーチ率を高める手段として活用できます。
▼参考 スーパーDEALページ
https://event.rakuten.co.jp/superdeal/
スーパーDEALの利用により得られるメリットは2点です。
まず1点目として、スーパーDEALに申請することでスーパーDEALページを経由して商品検索がされる場合にアクセスの確率が格段に上がります。
例えば、「トイレットペーパー」で検索を行う場合、通常の検索では57,623件の商品がリストアップされるため、ユーザーの目に留まるのは売れ筋商品くらいであると言って良いでしょう。
しかし、スーパーDEALの対象商品のみにした場合、36商品しか表示されず、リーチ率は単純計算1,600倍(通常時の商品数/スーパーDEAL対象商品数)と言えます。実施前に自社の主力商品で差分を比べてみることをオススメします。
■通常時の検索結果

■スーパーDEAL対象商品のみの検索結果

また、2点目としてお買い物マラソンで最も衝動買いを促しやすい1,000円ポッキリ商品への導線があることです。
商品価格が1,000円かつ送料無料かつスーパーDEALで10%以上ポイントバックしていることを条件に絞り込みが行われます。メール便で発送可能な小さいサイズの商品やトライアル品など利益を確保できなくても2回目以降の購入で引き上げることを考慮した商材はこちらの導線を意識した商品設定を行うと良いでしょう。

また、お買い物マラソン期間中はスーパーDEALのみならず、1,000円ポッキリ商品はユーザーの関心が非常に高まるため、買い回りでポイントアップされるイベントに向けて専用の商品を用意すると自然と新規ユーザーの獲得が可能になります。その際、商品名に「1,000円ポッキリ」や「買い回り」と入れるとリーチ率が高まります。
仮に90,000円の家電を購入したユーザーがいた場合、買い回りによってポイントが+1倍されるごとに900ポイントが加算されます。これに楽天カード利用や他のサービスを利用することで増えるベースのポイントが加わることで、ユーザーが獲得できるポイントは1,000ポイントを上回るため、ユーザーは試しに商品を買うハードルが極めて下がるのです。
■お買い物マラソンで購入金額よりもポイント還元額が高くなる事例

スーパーSALE
楽天市場として最も規模が大きなイベントです。4マス広告を始めとして大きく告知を行います。
ページURL | https://event.rakuten.co.jp/campaign/supersale/ |
開催頻度 | 四半期に一度(3月、6月、9月、12月) |
開催期間 | 150時間 |
ポイント還元方法 | お買い物マラソンと同様 |
楽天市場の販促の力の入れ具合以外はかなりお買い物マラソンに近いですが、お買い物マラソンと異なり、特に売上をあげられるポイントが2点あります。
目玉枠への申し込み
スーパーSALEの日程が決まってから間もなくして、無料で広告掲載を行うことができる目玉枠への申込みがRMSから可能になります。申し込みのスケジュールについては担当のECコンサルタントに確認してください。申請期間が1週間ほどとタイトなので、開催月の2ヶ月前にはどの商品を応募しようかある程度考えている必要があります。また、申し込みの条件があるので、しっかりとその基準を達する商品を申し込まなければなりません。
■申し込みの条件
当店通常価格よりも20%OFF以上の値引き(型番商品は10%OFF以上)
・販売価格×在庫数=50万円以上
・レビュー4.0以上
・レビュー件数10件以上
上記の条件を満たした商品から掲載の審査が行われ、運が良ければ無料の広告枠を獲得できます。
販売する在庫数のコントロールができること、掲載に広告費用がかからないことから、申請を行う際は強気で申請をした方が良い印象です。
自社の販売商品が型番商品に該当するかどうかがわからない場合、担当のECコンサルタントに相談すると良いでしょう。
スーパーSALEサーチ
スーパーSALEサーチは値下げが可能な商品をもっている店舗は可能な限り参加したほうが良いでしょう。イベント開催前の事前告知のタイミングから、検索結果に値引きを行っている商品限定で表示されるようになります。
最低の値引率としては10%以上の値引きから参加が可能です。また、50%以上値引きしている商品は半額サーチと言われる専用の絞り込みが行われるようになるため、更にユーザーのリーチ率を高めることができます。申請方法が少しわかりづらく、細かくルールが設定されているため、スーパーSALE開催前に行われているスーパーSALEサーチの申請方法の講座を受けましょう。
スーパーSALEサーチに登録する際に、掲載を行う商品は一定期間商品の販売を止めなければなりません。楽天社内の掲載審査を通過後に商品設定を変えることができないこと、商品の値下げはスーパーSALE期間にしか適応してはいけないことが理由です。
この時、普段から販売している商品ページを利用するかそのページを全く同じにコピーしたコピーページ(ただしレビュー情報は引き継げない)を利用するか選択することができます。自社のオリジナル商品など継続して販売している商品である場合は、普段から利用している商品ページでのサーチ掲載がオススメです。スーパーSALEでの販売実績を一つの商品ページに集めることで最終的な検索順位を上げることやレビュー件数、評点を上げることにつながるからです。メーカー品の仕入れ商品等、1円単位の価格勝負が必要になる商品であれば、イベント前に売上を止めずコピーページで問題ありません。ユーザーも1円単位で価格差を確認し購入を行います。
スーパーSALE対策については、こちらの記事におさえたい7つの施策を紹介しています。
超ポイントバック祭
購入回数ではなく購入金額に応じてポイントアップが行われます。
ページURL | https://event.rakuten.co.jp/campaign/pointback/ |
開催頻度 | 不定期 |
開催時期 | 96時間(変更有り) |
ポイント還元方法 | 購入金額に応じてポイントアップ |
購入金額に応じてポイント還元率が高まるため、高額な商品を買われることが多いボーナスの時期に開催する狙いがあるかもしれません。
注意点として、クーポンを発行する際はポイントアップの対象額を割らないようご注意ください。例えば1万円以上の購入でポイントが3倍になるにも関わらず、1万円以上で使える10%オフクーポンを発行してはポイントが2倍になってしまいます。11,000円以上で使える1,000円オフクーポンのようにいくらでポイントアップするのか確認を行った上でクーポンを発行すると良いでしょう。

また、単価が低い商品を扱っている場合、目玉商品として1年分や数カ月分など、セット商品を作成し、まとめ買いを促して客単価の向上を図れます。
ワンダフルデー
毎月1日に実施されるイベントです。
ページURL | https://event.rakuten.co.jp/campaign/point-up/wonderfulday/ |
開催頻度 | 月1回(毎月1日) |
開催期間 | 24時間 |
ポイント還元方法 | エントリーでポイント+2倍、リピート購入+1倍 |
開催日が固定されているため、リピーター向けの色が強く、店舗内でのイベントと合わせて活用することで効果を発揮します。
メルマガや同梱物に毎月1日にクーポンやセールを行う記載を行い、告知を行います。
先月残った在庫を一斉に出すために活用したり、新商品を既存ユーザーに販売したりと、新規ユーザーの獲得よりは既存ユーザーの離反防止策として活用ください。
毎月5と0のつく日は楽天カード利用でポイント5倍
毎月5と0のつく日に実施されるイベントです。
ページURL | https://event.rakuten.co.jp/campaign/card/pointday/ |
開催頻度 | 月5~6回(5と0のつく日) |
開催期間 | 各24時間 |
ポイント還元方法 | 楽天カード利用でポイント+4倍(通常購入時+2倍を含む) |
※楽天プレミアムかゴールドカードを利用の場合更に+2倍(2021年4月5日より楽天プレミアムカードのみ更に2倍になります。)
お買い物マラソンやスーパーSALEなどの大型イベントと重なるため、楽天市場のヘビーユーザーはそのイベントに合わせて購入を行うことが多いです。
基本的にはワンダフルデー同様、定例企画を行っても良いですが、大型イベント内で最も売りたい商品の販促を行うことが効果的です。
シーズナルイベント(母の日など)
ギフト商材を中心として時期に合わせた特集が行われます。
福袋&初売り
https://event.rakuten.co.jp/newyear/
バレンタイン
https://event.rakuten.co.jp/valentine/
ホワイトデー
https://event.rakuten.co.jp/whiteday/
母の日
https://event.rakuten.co.jp/mother/
父の日
https://event.rakuten.co.jp/father/
お中元
https://event.rakuten.co.jp/ochugen
敬老の日
https://event.rakuten.co.jp/keirou/
ハロウィン
https://event.rakuten.co.jp/halloween/
お歳暮
https://event.rakuten.co.jp/oseibo/
クリスマス
https://event.rakuten.co.jp/xmas/
年越し&おせち
https://event.rakuten.co.jp/toshikoshi/
ページURL | 上記参照 |
開催頻度 | 各シーズンに年1回 |
開催期間 | 特集によって異なる |
ポイント還元方法 | 店舗ごとに独自設定 |
特集によってはテレビCMなど、複数メディアを活用して販促を行うため、楽天市場の広告を購入せずともおこぼれを預かる準備が必要です。
多くのギフト系イベントについては、梱包資材をギフト用に用意し、ギフト用のページ作りを行うのが理想です。商品名に母の日や父の日など、特集名を追加し、梱包後のお届けイメージの写真を追加することで転換率が高まります。一度ユーザーからの評価を獲得したら他の特集で流用が可能なので、ギフト販売の準備は必ず行うと良いでしょう。
また、参加しやすい特集としては、福袋&初売りが挙げられます。
年末受発注を終えたタイミングから商品ページをセットし、事前告知を行うことで、稼働しない日のアクセスを年始の売上につなげることができます。また、セット販売や、在庫をまとめる形で販売できるため、年末から徐々に検索ボリュームが高まる「福袋」「初売り」からのアクセスを自社に寄せる準備を行いましょう。
最後に
モールで売上を作る際、モールがお金を使っているタイミングに合わせて自社で施策を行うことがコストパフォーマンスを良くできるでしょう。この場合はどうやって売ったら良いか?という質問や疑問がありましたらお気軽にお問い合わせください。
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