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はじめに
2022年4月18日に楽天市場の仕様変更が行われ、新しいスマートフォン用店舗トップページ編集機能が追加されました。これにより、スマートフォン用トップページを、従来の標準トップページや楽天GOLDで作っていたショップ任意のトップページから、必要なパーツを組み合わせて作る、新店舗トップページ(新スマホトップ)へ移行することができるようになります。
今回リリースされた新スマホトップは、楽天市場の全店で変更必須であることがポイントです。楽天GOLDでせっせと作りこんだトップページですら、2023年の下半期には終了を予定しています。どんなショップもいつか変更しなければいけないときがやってくるのです。
今回は、なぜ楽天市場が新スマホトップページを導入したのか歴史を振り返りながら説明していきたいと思います。新スマホトップページの導入理由を知ることで、ページ作りにきっと役立つでしょう。そのうえで、新スマホトップページを作るうえでおさえておくべきポイントや注意点についてお話します。
楽天市場のスマホ系仕様変更の歴史
「モバイル!モバイル!モバイル!」と三木谷社長は2006年の楽天EXPOで掲げていました。その頃のモバイル率はたったの10%で、iPhone3Gすら出ておらず、ガラケー用のページにチカラを入れていた一部ショップが売上を上げていたのです。しかし、ほとんどのショップはモバイル用のトップページすら持っていないという時代でした。
2011年:楽天市場アプリ、リリース
スーパーセール初開催が2012年なので、それより前にアプリがリリースされています。「モバイル=ガラケー」からスマホの時代になりました。
この頃から、モバイルの標準トップページは、あまりにもやれることが少なく、裏技を駆使し楽天GOLDで作成したスマホトップにジャンプさせていた時期がありました。そう考えると、三木谷社長が「モバイル!モバイル!モバイル!」と言いながらも、できるショップとできないショップの格差が出てしまったといえます。それを補うように、制作ツールや自動更新システムが数々登場した時期でもあるのです。
2017年8月:楽天市場のおすすめ商品表示
アプリ商品ページ最下部に、他社の商品がシレッと表示される「楽天市場のおすすめ商品」が登場しました。お客さまには、似た商品を見つけやすくなり、楽天には、楽天市場外への離脱を防ぎ売上UPの効果があります。しかし、店舗にとっては、自分の店舗に他ショップの商品が出るようになる改悪のようにも感じられたはずです。
「楽天市場のおすすめ商品」で表示されやすい商品は、類似する商品の中からよく売れている商品だと考えると、星の数ほど溢れている商品の中からせっかく自社ショップの商品にやってきたお客さまが、大手の競合商品に流れやすい状況になったといえます。
その離脱を防ぐ目的で、裏ワザとして利用できていたiframeタグにより、回遊を高めるコンテンツだったり、フローティングのバナーを出したりするなど、裏ワザをより駆使するショップが多くなっていった時期です。
2020年9月:iframeタグ禁止
裏ワザとして使えていたタグは新たに設置できなくなりました。まっとうな使い方(?)で転換や回遊を高めていたショップは、衝撃を受けたのではないでしょうか。
これ以前にスマホ商品説明文で、利用できる画像の上限枚数が10枚から20枚に増えてはいますが、クラシックなタグしか使えないスマホ商品ページで打ち手が限られてしまったのは事実です。楽天市場としては、お客さまに迷惑をかけることもあるので、当然だったのかもしれません。
2022年4月:新スマホトップリリース
そして今回の新スマホトップの登場です。上記の流れでいうと、今まではスマホ用のトップページは頑張れるショップさんは自力で、頑張れないショップさんはツールで補ってというスタンスだったといえます。
スマホ率が上がる中、限られた画面内でいかに利便性を高めて、短いステップで購入へ誘導することが重要であるのは、楽天市場の至上命題です。そう考えると、トップページよりも、商品ページのほうが圧倒的に重要なのは間違いないのですが、さすがに10年間ショップに任せていたことで、「トップページ格差」が開いたのは間違いなく、この格差を埋めるため、もう10年先を考えて、リリースしてきていると考えられます。
新トップページはなぜ必要なのか?
楽天市場の発表では、「統一性」と「多様性」という言葉で説明されています。どんなショップも必要なコンテンツが共通したナビゲーションで共通の場所にありつつ、その中で個性を出せるように加工可能になっています。
「統一性」の部分では、ページ上部の共通エリアに「カテゴリ」「ランキング」「クーポン」「レビュー」といったユーザーがよく見るコンテンツがタブでまとめられていて統一感があります。「多様性」の部分では、使いやすいエディタがRMSから利用でき、楽天GOLDでテクニックを駆使したり、外部サービスを利用したりして表現していた上級者向けの構造が、標準で誰でも使えるようになったと考えて良いでしょう。
メリットデメリットありますが、「〇〇ができなくなる!」とばかり考えずに、やれる範囲でやれることをちゃんとやれば、思ったよりもちゃんと個性が出せるページが作れる印象です。
新トップページを作る前に知るべきことは何か?
まず、どういったお客さまがトップページを訪れるのかペルソナとカスタマージャーニーを考えると良いと思います。購買情報からペルソナは決められますが、どういった目的でトップページを訪れるのかは、トラッキング情報を調べることができなくなった現状、推測する必要があります。
- 購入することを決めているお客さま
- 購入することを決めていないお客さま
当然この2つに分けられます。購入することを決めているお客さまには、3,980円送料無料までついでにもう1商品でも2商品でも買ってもらうため、クーポンを探しに来た可能性をちゃんとトップページでフォローできるようにしましょう。
購入することを決めていないお客さまは、ショップのファンであれば新しい商品を、なんとなく覗いてみたお客さまであれば、セール商品などのお買い得商品を提案できれば買ってもらえる可能性が高まります。
新トップページを作成するにあたって気を付けることは何か?
移行したら戻れない
これは、大事なことなので、注意してもらいたいです。一部現行のスマホトップページを楽天GOLDで作りこんでいる場合、新スマホトップに移行すると戻せないので注意して下さい。
特に、ファンを抱えているショップには現行のトップページの使い勝手が良いと考えているお客さまも多いはずです。「〇月〇日新トップページへ移行します」といった案内を出しておくのも手かと思います。
新スマホトップの自動更新できない
手動で更新することはできますが、自動で更新することはできません。現行の楽天GOLDで新着・再販・カテゴリ毎のランキングなどを制作ツールや自動更新システムで自動化しているショップにとっては、手動に戻ることになってしまい現実的ではありません。
現状利用しているツールやサービスが、どのように対応するのか気になるショップは聞いてみると良いでしょう。なお、運用方法を変えることでカバーできるところもあります。
移行タイミングを逃す可能性もある
2023年の年末までに変えればよいと考えているショップは注意していただきたいです。楽天GOLDで作りこんだスマホトップの使い勝手が良いと考えているのは一部ファンやリピーターだけかもしれません。
周りのショップが徐々に新スマホトップに移行することで、どこかのタイミングで使いづらいスマホトップに変わってしまう可能性があります。リピーターの多いところはある程度待っても良いですが、意外と早いタイミングで変えたほうがよくなることも想定しておくと良いと私は考えます。
いつ変えるべきか?
まず、自社ショップのスマホトップと、楽天の有名店舗や総合ランキング上位のショップのスマホトップを比べてもらいたいです。お客さま目線で「全然できてない」と感じたショップは、すぐ変えて良いでしょう。私の感覚では、楽天市場の全ショップ中、半数程度はすぐに変えて良いショップだと思っています。
それ以外のショップは、すぐに変える必要はありませんが、周りのショップが変わっていく中で、ギリギリになってから焦らないように準備しておきましょう。上記のように新着再販の準備や、姉妹店や楽天GOLDからの画像の引っ越し作業が結構面倒なので注意する必要がありますし、制作ツールを利用しているショップは、本当に必要かをこのタイミングで検討しても良いと思います。
リピート率や客単価によっても変わってはきますが、次回はどのようなショップでもまず基準となる新スマホトップを紹介します。
おわりに
今回の新スマホトップへの移行をはじめ、ショップを運営している方は、やることが多く大変かと思います。だからこそ、当社では売上を上げる施策として、もっとも力を入れるべき、スマホ商品ページで転換や回遊を高めるサービスを提供しています。是非、ご検討いただけますと幸いです。
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