Amazon、2026年第2四半期決算:売上高20%増、AIショッピングと高速配送が拡大

Amazonは、2026年第2四半期(4~6月)の決算を発表しました。売上高は前年同期比20%増の2,006億ドルとなり、北米、国際、AWSのすべての事業が2桁成長しました。

コマース領域では、配送の高速化に加え、日用品や生鮮食品の利用が拡大。AIショッピングアシスタント「Alexa for Shopping」やAIを活用した広告機能など、購買体験におけるAI活用も進んでいます。

業績総括:コマースとAWSが成長を牽引

Amazonの2026年第2四半期売上高は2,006億ドルとなり、前年同期比20%増加しました。営業利益は275億ドルとなり、前年同期の192億ドルから43%増加しています。

セグメント別売上は以下の通りです。特にAWSが前年同期比37%増と高い成長率となりました。

  • 北米:1,162億ドル(前年同期比16%増)
  • 国際(北米以外):422億ドル(同15%増)
  • AWS:422億ドル(同37%増)

コマース領域では、オンラインストア売上が704億ドルとなり、前年同期比15%増加。また、出品者向けサービス売上は468億ドルで同16%増、広告売上は198億ドルで同26%増となっています。

Amazon全体の販売ユニット数は前年同期比17%増加しました。出品者による販売は全販売ユニットの61%を占めています。

リテール:高速配送と生鮮食品、AIで購買体験を強化

生鮮食品・日用品の利用が拡大

Amazonは、日用品や生鮮食品など、購入頻度の高いカテゴリーの拡大を進めています。グローサリー事業は2025年に1,500億ドルを超えるグロス売上を記録し、米国で2番目に大きいグローサリー事業者となっています。

特に生鮮食品の利用が拡大しており、生鮮食品を購入する月間アクティブ顧客数は2026年初から50%以上増加しました。また、生鮮食品を含む即日配送(Same-Day配送)では、1注文あたりの販売ユニット数が平均3倍以上に。生鮮食品はAmazon.comの売れ筋上位20商品のうち6商品を占めています。

Amazonは米国2,300以上の都市・地域で生鮮食品の即日配送を展開しています。アンディ・ジャシーCEOは、品揃えの拡大や配送速度の向上によって、顧客がAmazonをより多くの買い物で利用するようになっていると説明しました。

即日(Same-Day)配送やAmazon Nowを拡大

配送面では、即日配送や翌日配送の高速化を継続しています。2026年上半期に世界で即日または翌日に配送した商品数は、前年同期比40%以上増加しました。

また、日用品など数千商品を30分以内で届ける「Amazon Now」の提供地域も拡大しています。第2四半期には米国で80の都市・地域を追加したほか、エジプトの主要都市にも展開しました。

Amazon Nowは現在、9か国・250以上の都市・地域で利用可能となっています。グロス売上と販売ユニット数はいずれも前四半期比80%以上増加し、利用顧客数も60%以上増加しました。

Alexa for Shoppingで商品探索から購入まで支援

購買体験におけるAI活用も進展しています。Amazonは「Rufus」と「Alexa+」を組み合わせ、エージェント型AIショッピングアシスタント「Alexa for Shopping」を展開しています。

Alexa for Shoppingでは、ユーザーに合わせた商品提案や商品比較、価格履歴の確認に加え、商品の価格変動を知らせる「Price Alerts」や、指定した価格になった際に商品を自動購入する「Auto-Buy」などを利用できます。

過去12か月では3億5,000万人以上が利用しており、第2四半期にはアクティブユーザーが前年同期比で約2倍、ユーザーとのやり取りは5倍以上に増加しました。

また、米国ではAlexa for Shoppingを利用する顧客の1注文あたりの購入額が、利用していない顧客より平均40%以上高くなっています。Alexa+を試した顧客のPrime加入率も約25%高いとのことです。

このほか、撮影した写真からAmazon上の同一・類似商品を探せる「Amazon Lens」を新たに10か国へ拡大し、現在は21か国で利用可能となっています。

Amazonは、商品探索や比較だけでなく、価格確認や購入まで含めた購買体験へのAI活用を進めているのです。

マーケットプレイス・物流:出品者向けサービスが16%増、物流基盤を外部へ拡大

出品者向けサービス売上は16%増、出品者販売比率は61%に

Amazonの出品者向けサービス売上は468億ドルとなり、前年同期比16%増加しました。出品者向けサービスには、販売手数料やフルフィルメント、配送関連サービスなどが含まれています。

2026年第2四半期における出品者販売比率は、全販売ユニットの61%となりました。第1四半期の60%から1ポイント上昇しており、Amazonのマーケットプレイスでは引き続き外部出品者による販売が中心となっています。

また、Amazon全体の販売ユニット数は前年同期比17%増加し、第1四半期の15%増から成長率が上昇しました。

Amazon Supply Chain Servicesを開始

物流関連では、「Amazon Supply Chain Services」を開始しました。同サービスでは、Amazonが自社の小売事業や出品者支援のために構築してきた物流網を外部企業にも開放。企業はAmazonで商品を販売しているかどうかにかかわらず、原材料から完成品までの輸送、保管、フルフィルメント、配送などにAmazonの物流基盤を活用できます。

初期の利用企業には、Procter & Gamble(P&G)、3M、Lands' End、American Eagle Outfittersなどが含まれています。

AmazonはFBAなどを通じて出品者向けに物流機能を提供してきましたが、Supply Chain ServicesではAmazonでの販売に限らず、より幅広い企業のサプライチェーンを支援する取り組みを進めています。

物流拠点でロボット・自動化を拡大

物流拠点では、在庫配置の最適化や配送距離の短縮、商品に触れる作業回数の削減、複数商品の同梱率向上などを進めています。

Sparrow

また、ロボットや自動化技術の導入も拡大しており、「Cardinal」や「Sparrow」などのロボットアームについて、2026年中に導入台数を2倍以上に増やす計画です。

Amazonは配送速度の向上とあわせて、物流ネットワーク全体の効率化を進めています。

広告事業:売上は26%増、AIショッピングとの連携が進展

広告売上は26%増の198億ドルに

Amazonの広告売上は198億ドルとなり、前年同期比26%増加しました。第1四半期の24%増から成長率が上昇しています。

広告事業では、「Sponsored Products(スポンサープロダクト広告)」が引き続き最大の広告サービスとなっており、成長を牽引しています。

また、Alexa+やAlexa for Shoppingなど、AIを活用した会話型の商品探索においても広告機能の活用を進めています。

AIショッピングにおける広告効果を開示

Amazonは、AIを活用したショッピング体験の中で表示される「Sponsored Prompts(スポンサードプロンプト)」についても利用状況を明らかにしました。

Sponsored Promptをクリックしたユーザーは、クリックしなかったユーザーと比較して購入に至る割合が48%高く、平均購入額も21%高くなっています。

Amazonは、AIを介した商品探索と広告、購買をつなぐ取り組みを進めています。

Ads Agentを活用した広告運用を拡大

広告主向けには、AIを活用して広告キャンペーンの企画、設定、運用を支援する「Ads Agent」の展開を拡大しました。Ads Agentは、従来数時間かかっていた広告の設定やターゲティングなどを短時間で行えるよう支援するツールです。

Ads Agentによるターゲティングを利用する広告主では、利用していない広告主と比較してインプレッションあたりのコストが8%低く、顧客獲得単価も6%低くなっています。2026年には新たに11か国へ展開しました。

Amazonは、AIショッピングを通じた広告配信に加え、広告主側のキャンペーン運用にもAIを組み込むことで、広告基盤の強化を進めています。

AWS:AI需要を背景に37%成長、Bedrock利用も拡大

AWS売上は37%増、18四半期で最も高い成長率に

AWS売上は422億ドルとなり、前年同期比37%増加しました。営業利益は166億ドルとなり、前年同期の102億ドルから増加しています。AWSの売上成長率は5四半期連続で加速し、18四半期で最も高い伸びとなりました。

AWSでは、AI関連需要の拡大が成長を支えています。Amazonによると、AWSのAI関連事業の年間売上規模は250億ドルを超え、前年同期比で3桁成長となりました。

また、TrainiumやGravitonを含む独自チップ関連事業についても、年間売上規模が250億ドルを超え、前年同期比で3桁成長となっています。

BedrockやAIエージェント関連機能を拡張

Amazon Bedrockの利用も拡大しています。Bedrockを利用する顧客は数十万に達しており、直近6か月間に増加した顧客数は、サービス開始から最初の2年間に増加した顧客数を上回りました。また、第2四半期の顧客支出は、それまでの全四半期を合計した金額を上回ったとしています。

AIエージェント向け基盤「Amazon Bedrock AgentCore」では、「Payments」「Web Search」「Harness」などの機能を追加しました。

このうちプレビュー提供されている「AgentCore Payments」では、AIエージェントがAPIやMCPサーバー、Webコンテンツ、他のAIエージェントなどの有料リソースへ自律的にアクセスし、支払いを行えるようになります。CoinbaseやStripeのウォレットを利用し、利用額の上限設定などにも対応します。

これはAmazon Payのような消費者向けのEC決済サービスではなく、AIエージェントが必要な有料リソースを利用する際の支払いを支援するための機能です。

Amazonは、BedrockやAgentCoreなどを通じて、企業による生成AIやAIエージェントの開発・運用を支援する機能の拡充を進めています。

総括:Amazonは「日常の買い物」とAI活用をさらに強化

今回の決算では、Amazonが配送速度を高めながら、生鮮食品や日用品など購入頻度の高いカテゴリーを伸ばしていることが示されました。ECで扱う商品の幅を広げるだけでなく、日常的な買い物でAmazonを利用する機会そのものを増やそうとしています。

同時に、Alexa for Shoppingによる商品探索や購入支援、広告運用の自動化など、コマースにAIを組み込む動きも進んでいます。配送・商品・広告・AIを組み合わせながら、Amazonが購買体験全体を強化している点が、今回の決算の特徴といえそうです。

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