常設店舗に変わる販売形態と多様化する商品の受取方法 EC関連ニュースまとめ【2022年4月】

日々の業務でニュースをキャッチアップする時間がなかなか取れない方もいらっしゃると思います。そこで、2022年4月のEC・ネット通販関連ニュースをまとめました。今回は、「常設店舗に変わる販売形態」と「多様化する商品の受取方法」を中心にみていきます。

また、運営堂の森野さんとニュースの詳細解説をポッドキャストにて配信しております。お時間がある方はこちらも合わせてチェックしてみていただければと思います。

常設店舗に変わる販売形態

ポップアップストアを活用するEC・D2C事業者

2022年3月22日に、まん延防止等重点措置が解除されました。徐々に人流が増加したことで、販路の選択肢として実店舗に手を広げるEC・D2C事業者が増えています。その際、まずはポップアップストアの利用から始めることが多いようです。常設店舗と比べて、低コストでリスクをコントロールしやすいことが理由として挙げられます。

ポップアップストアのニーズを受けて、BASEは渋谷の一等地で期間限定の実店舗出店に挑戦できるリアル店舗出店スペース「SHIBUYA BASE(シブヤ ベイス)」の出店費用を無料にしました。

ポップアップストアの出店支援サービス「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を提供するCOUNTER WORKSが、コスメ・化粧品のポップアップストアに最適なレンタルスペースを紹介していますので、参考にしてみるといいでしょう。

森野さん
体験型ストアの「b8ta(ベータ)」も最近、賑わっていますよね。リアルな接点はECでは大事だと思いますので、ポップアップストアはぜひ活用していただきたいです。
舟本
購入にあたって、ネットだけだと不安なところはあると思います。実際に商品を手に取って見られる場があるのは消費者にとっても嬉しいのではないでしょうか。

自動販売機に注目するEC・D2C事業者

自動販売機に注目するEC・D2C事業者も増えています。直近ですと、Direct Techがコスメの自動販売機をルミネ新宿と渋谷のRAYARD MIYASHITA PARKに設置しました。

商品を購入できるだけでなく、モニターでブランドムービーを放映したり、購入時にランダムで商品やクーポンの特典が付いてくる仕組みがあったりなど、RICAFROSHが表現する世界観を楽しめるように仕掛けを施しています。

2022年5月1日(日)~5月27日(金)までと期間限定の展開となっています。新宿や渋谷に訪れる機会のある方は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

森野さん
自動販売機を活用している事業者さんにお話を伺ったのですが、売れるためにはSNSで紹介する、ポップを作るなど、自販機自体でコミュニケーションを取ることが大切だそうです。
竹内
ECサイトと同様に、自動販売機でも売り場への導線や購入の後押しが大事なんですね。

実店舗中心に展開する事業者はバーチャルショップに注目

一方、実店舗を中心に展開されている小売事業者や卸売事業者は、withコロナにおける消費者のニーズを踏まえて、バーチャルショップに注目しています。バーチャルショップといっても、実際の店舗を基に作成しているところがポイントです。

最近では、パルの展開するブランド「CIAOPANIC TYPY」や日本酒専門店のさくら酒店がバーチャルショップをオープンしました。

森野さん
バーチャルショップは試着や試食ができないため、消費者が利用するための工夫を施す必要がありますね。
舟本
インテリアや家具など、購入にあたってサイズ感を知りたい商品を扱っている事業者さんであれば、バーチャルショップは有効かもしれませんね。

多様化する商品の受取方法

徐々に浸透する置き配

コロナ禍でネットショッピングやフードデリバリーなどの「配送サービス」への需要が増加しています。それに伴い、配達員の人員不足や運賃価格の上昇といった深刻な配送課題が懸念されています。そのような中、「置き配」は受け取り手の在宅を必要せず、配達員にも再配達を生じさせないことから、関心を集めているのです。

直近では、デリバリーサービスの出前館と、セイノーホールディングスのグループ会社であるLOCCOが置き配に関する取り組みを開始したことを発表しました。

また、受け取り手が不在のときや宅配ボックスに空きがない場合など、オートロックのマンションに置き配ができるようにテクノロジーも日夜進歩しています。配送量に対する配送人員の不足を仕組みによって変えていく動きは今後ますます増えていくことでしょう。

実際、消費者側は置き配を利用しているのでしょうか? LOCCOのアンケート調査によると、9割以上の人が置き配を知っており、利用経験者も2人に1人となっています。

未利用の理由としては、盗難が不安だからとのことですが、実際のトラブル発生率は10万件に1件あるかないかで、0.001%未満だそうです。安心して利用できるとわかれば、より消費者の間に置き配が浸透していくのではないでしょうか。

森野さん
私も置き配は当たり前のように利用しています。地方に住んでいるので、取られる心配もありませんしね(笑)
竹内
先日、生協の宅配コープデリで置き配を利用したのですが、ダンボールの上からカバーがしっかりとかけられていて、安心して受け取ることができました。

様々な場所に設置される宅配ボックス

商品の受取方法は、自宅だけではありません。近年では様々な場所に宅配ボックスが設置されるようになりました。特に、駅前は通学・通勤で電車を利用する方が多いので、宅配ボックスの設置が増えています。

また、自動車ディーラーに宅配ボックスが設置された事例も出ており、駅前以外における活用事例も増えてきそうです。

森野さん
うちの近所のドラッグストアにAmazonの宅配ボックスがあるんです。おそらく、大学が多くて、一人暮らしの学生にニーズがあるのかなと思います。Amazonは自前で配送しているので、不在率のデータなどがあるのでしょう。
舟本
クックパッドさんをはじめ、事業者さん主体で宅配ボックスを設置していますが、今後は宅配ボックスなど受け取りに特化した会社が台頭するのではないでしょうか。

4月のおすすめ記事

お時間がありましたら、下記のインタビュー記事やセミナーレポートもご覧いただければです。小売事業者さんや支援事業者さんによる、事例を踏まえた内容となっていますので、日々の業務に何かしらお役に立つかと思います。

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