オリジナルダンボールで物流業務を委託する際の注意点、配送サイズの選択・判断点とは? Shopify(ショッピファイ)専門発送物流代行サービス「スピードロジ」に訊く
トランスコスモス株式会社 石毛雅昭さん
インタビューの概要

自社ECサイトで販売するメリットの一つは、ブランドの世界観を伝えることができる点にあります。ブランドを表現するにあたって、ECサイトや商品パッケージだけでなく、梱包資材も重要になってくるでしょう。今回は、Shopify専門の発送代行・物流代行サービス「スピードロジ」を提供しているトランスコスモス株式会社(以下、トランスコスモス)の石毛雅昭さんに、オリジナルの梱包資材で物流業務を委託する際のポイントを伺いました。

オリジナルダンボールを利用する際のポイント

低コスト・無地のダンボールで販売実績やサイズなどの傾向を把握しよう

――ブランドの世界観を伝えるために、オリジナルダンボールを活用されている事業者様も多いと思います。オリジナルダンボールを利用するにあたって、注意すべきポイントは何でしょうか?

石毛さん:オリジナルダンボールは汎用的な無地のダンボールよりもコストがかかります。少しでもコストを抑えるために、大量ロットで発注される事業者様も少なくないです。意外と知られていないですがダンボールも生き物で何年も保管し続けると経年劣化により強度が弱くなります。そのため、ブランドの立ち上げ時にどれくらい売れるかわからない中で大量発注するのは注意が必要です。目安として半年ほどで消化できる量を発注したほうがいいです。

オススメは、まず3ヶ月間は無地のダンボールを利用して、販売実績や発送サイズなどの傾向を把握してからオリジナルダンボールに切り替えてもいいと思います。このとき、正確な在庫数を把握することが大事になってきます。

正確な在庫数を把握するために、ダンボールにバーコードを入れよう

石毛さん:自分たちで発送作業をする際は、手元に在庫があるため感覚的に数量を把握できます。自社発送の段階ではダンボールやチラシの在庫管理を徹底しなくてもあまり問題は出ないでしょう。しかし、外部に物流業務を委託する場合は、ダンボールやチラシにバーコードを入れて、1枚単位で管理することをオススメします。

作業効率の兼ね合いから、物流代行会社はダンボールを1枚ごとではなく、束単位で管理していることが一般的です。たとえば、ダンボールが100枚入っている束を3束納品いたただいた場合、倉庫には300枚のダンボールが保管されています。1束開封してダンボールを1枚使うと、本来であれば299枚ある残りが、管理上は残っている束数でカウントされるため、2束分の200枚とザックリした管理となってしまうのです。

実際の在庫管理上の在庫
100枚1束(100枚)
100枚1束(100枚)
99枚
合計:299枚合計:2束(200枚)
束単位で管理するため、実際の在庫とズレが生じてしまう

どんぶり勘定ではなく、ダンボールやチラシの数量を正確に把握しようと思うなら、バーコードを入れたほうがいいでしょう。結果としてチラシの改版などのバージョン管理も可能となり、古いチラシを同梱し続けることも回避できます。バーコードを入れずに、1枚1枚管理することも可能ですが、かえってコストがかかってしまいます。

ダンボールのデザインにこだわりを持たれているデザイナー・事業者様も多いと思います。ダンボールは組み立てて利用することが多いので、組み立てたら見えない場所にバーコードを入れるといいでしょう。

保険・補償、サービス内容を把握したうえで、ネコポスと宅配便を使い分ける

――コストを抑えるために、大量ロットで発注をされる事業者様は少なくないと思いますが、おっしゃるように適切な在庫数がわからないと後々大変なことになりそうですね。とはいえ、事業者様は少しでもコストを抑えたい気持ちがあるのではないでしょうか。配送料を安く抑えるために、ネコポスで発送するのがいいと思いますが、実際はどうでしょうか?

石毛さん:商品の価格や送る目的によっては、ネコポスで送れるサイズであっても60サイズ以上にしたほうがいい場合もあります。たとえば、ネコポスの場合だとポストに投函したことまでしか追えません。しかし、宅配便だと受け取りの確認が取れます。そのため、高価な商品の場合は、お客様に安心感を提供する意味も含めて対面で渡してもらえる60サイズ以上を希望される事業者様もいます。

また、宅配便を利用するメリットの1つに、30万円(税込)までの補償が付いていることが挙げられます。ネコポスだと補償の上限が3千円(税込)となってしまうため、補償の点から60サイズ以上で発送することを選択するのも手です。ネコポスで高価な商品を送る際は、その辺りのリスクをしっかりと考えなければいけません。

ちなみに、補償を外すことで配送料を安くサービス提供する企業もあるようですが、弊社ではそのリスクを事業者様にご負担いただくべきではないと思っているため、補償は外さずそのままにしています。

化粧品を販売する際にありがちなスターターキットなどのお試し商品の場合は、事業者様はできるだけコストを抑えたいですし、ご利用いただくことが目的なため、ネコポスで発送するといいでしょう。また、シャンプーなどの商材の場合、1回目のお届けは専用のボトルがあるため、宅配便を利用しなければいけないかもしれませんが、2回目以降は詰め替えパウチの用意ができればネコポスで配送できますので、環境面からも費用面からもおすすめです。

無添加の成分などが入っている場合、詰め替え時に雑菌が混入する可能性があるため、何でもかんでもパウチにというわけにはいきません。弊社ではこのような形でお客様の取り扱う商品に合った発送代行・物流代行サービス視点でのパッケージのご提案もしています。

保険・補償、サービス内容を把握したうえで、ネコポスと宅配便を使い分ける

ネコポスは2.5cm以内で、梱包の強度も考慮しよう

石毛さん:ネコポスを利用するにあたって注意しておきたいことがあります。一部のフリマ・オークションサイト等のCtoCサービスで個人間物販を行っていた事業者様がShopifyで自社ECを始める際に、物流業務も合わせて委託されることがあるのですが、ネコポスの取り扱いサイズを誤って認識されていることが多いです。

一部の個人間取引サービス・サイトはヤマト運輸との契約により、対応サイズが3.0cm以内になっているネコポスを利用した配送サービスがあります。しかし、法人契約でのネコポスの対応サイズは、通常2.5cm以内となっているため、自社ECを始める場合、ダンボールのサイズを見直しする必要があるのです。

資材の厚さを0.1cmにすることで内寸を2.4cmまで広げることは計算的に可能ですが、梱包資材の強度を考えると内寸2.1cmぐらいにとどめるべきでしょう。わずか数ミリかと思われえるかもしれませんが、アクセサリーなどの繊細な商品に、この0.3cmが与える影響は大きいのです。

事業者様が最良の選択ができるように情報共有と提案を行うトランスコスモス

――今までお話しいただいた「資材の在庫管理用のバーコード」や「保険・補償」「ネコポスの対応サイズ」など、自社で発送作業をしていたらなかなか気づくことができなさそうですね。最後にスピードロジのこだわりについて教えていただけないでしょうか。

石毛さん:誰もが宅配便などを利用して荷物を送ったことがあると思いますし、受け取ったこともあるでしょう。梱包資材がコンビニで買える時代になったこともり、日常生活において、何気なく物流にかかわっている瞬間があるのではないでしょうか。そのような背景から、発送代行・物流業務を委託する際にあまり思いを巡らすことなく、コストだけで判断される事業者様は多いと思います。

物流代行委託は一度始めてしまうとなかなか変えることができません。だからこそ、弊社では事前にしっかりケアをしてから始められるように、出過ぎたことにはなると重々承知しつつもしっかりと懸念事項をお伝えするようにしています。

事業者様ごとに考慮すべき内容が異なるため、弊社では事業者様、1社1社に合ったご提案をいたします。弊社に委託される事業者様にも、「物流業務について、ここまで突っ込んだ話をしたことがない」とよく言われます。

長くお付き合いしたいから、考えないといけないこと、おろそかにしてはいけないことを事前にお伝えして、誰もが直面する課題を避けられるようにしています。このような提案をしているからこそ、様々なナレッジが弊社には溜まっているのです。

弊社では事業者様が知らないことをしっかりとお伝えしたうえで、最良の選択ができるようにお手伝いしています。ShopifyでECを始められる事業者様で、物流業務を委託されたい場合は、ぜひ一度弊社にご相談いただきたいです。

インタビューを通して:コストだけでなくサービス内容も踏まえて物流業務の委託を

トランスコスモスが提供しているShopify専門の物流代行サービス「スピードロジ」は、業界最安値ではないです。しかし、資材の在庫管理や商品ごとの特徴を踏まえた梱包・緩衝材の提案と、物流業務全般についてサポートしてくれます。

物流業務を代行する際、コスト面に目が行きがちですが、お客様に自社の大切な商品をお届けするにあたって、様々なことを考慮しなければなりません。それがブランドのこだわりとなり、お客様に伝わることで、EC事業の成長につながるのではないでしょうか? 発送業務をアウトソースしたいと考えられている方や、物流業務でお困りの方は一度トランスコスモスに話を聞いてみるといいと思います。

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