PDDホールディングス、2024年第4四半期決算発表:Pinduoduo・Temuが好調で売上24%増

PDDホールディングスは2024年12月期第4四半期および通期の未監査決算を発表しました。第4四半期の売上高は前年同期比24%増の1,106億1,000万元(約151.54億米ドル)となり、主力である国内EC「Pinduoduo」および越境EC「Temu」の取引拡大が全体の成長を押し上げました。

国内外で展開するECプラットフォーム「Pinduoduo」「Temu」

PDDホールディングスは、中国国内向け「Pinduoduo」と海外向け「Temu」を運営する、マーケットプレイス型のECプラットフォーム企業です。

Pinduoduoは、共同購入型の仕組みにより価格志向の消費者層を取り込み、中国内陸部や地方を中心にユーザーを拡大。Temuは2022年に米国でサービスを開始し、低価格と送料無料を武器に短期間で欧米を中心とする海外市場で存在感を高めています。

第4四半期は取引サービスが前年比33%増、2桁増益も達成

第4四半期の売上高は、前年同期の888億8,100万元(約121.77億米ドル)から24%増加し、1,106億1,000万元(約151.54億米ドル)に達しました。

売上構成を見ると、取引サービス収益は535億9,900万元(約73.43億米ドル)で33%増加し、売上全体を力強く押し上げました。これは主にPinduoduoおよびTemu上での取引拡大によるものと見られます。一方、オンラインマーケティングサービスおよびその他の収益は570億1,100万元(約78.1億米ドル)で、17%の増加でした。

営業利益は255億9,200万元(約35.61億米ドル)で前年同期比14%増、Non-GAAPベースでは279億9,600万元(約38.36億米ドル)と同じく14%増。純利益は274億4,700万元(約37.6億米ドル)で18%の増加、Non-GAAPベースでは298億5,100万元(約40.9億米ドル)で17%増と、安定的な利益成長を確保しました。

販売費用や研究開発投資を拡大、コスト増にも対応

同四半期の売上原価は、前年同期比36%増の477億9,800万元(約65.48億米ドル)となり、主にフルフィルメント費用や決済手数料の増加が影響しました。販売およびマーケティング費用は313億5,700万元(約42.96億米ドル)で18%増。プロモーションや広告投資を継続し、新規ユーザー獲得や国際展開の拡大に対応しています。

また、研究開発費も37億7,700万元(約5.18億米ドル)と前年同期から約9億元(約1.23億米ドル)増加。AI技術やロジスティクス、サプライチェーンの最適化など、プラットフォーム基盤の強化に取り組む姿勢が表れています。

営業活動によるキャッシュフローは295億4,700万元(約40.48億米ドル)で、前年同期の368億9,100万元(約50.54億米ドル)と比較して減少しましたが、高水準を維持しました。

通期では売上59%増、取引サービスは2倍以上に拡大

2024年通期の売上高は前年比59%増の3,938億6,100万元(約539.55億米ドル)となり、大幅な増収を達成しました。

取引サービス収益は前年比108%増の1,959億元(約268.38億米ドル)と、2倍以上の拡大を記録。オンラインマーケティングサービスおよびその他の収益も29%増の1,979億3,400万元(約271.17億米ドル)で、全体のバランスも良好です。

営業利益は1,084億2,300万元(約148.54億米ドル)で前年比85%増、Non-GAAPベースでは1,183億600万元(約162.79億米ドル)で80%の増加。純利益は87%増の1,124億3,500万元(約154.35億米ドル)、Non-GAAP純利益は80%増の1,223億4,400万元(約167.61億米ドル)と、収益性の面でも大きく成長しました。

今後の方針:「高品質な成長戦略」を継続

PDDホールディングスは、2024年を通じて収益性を維持しながら事業規模を拡大し、プラットフォーム基盤の強化に取り組んできました。通期で営業利益・純利益ともに前年を大きく上回り、特に取引サービスの成長が全体をけん引した点が特徴的です。

同社は決算発表の中で、「高品質な成長戦略の遂行」と「プラットフォームエコシステムへの継続的な投資」を方針として掲げており、今後もPinduoduoおよびTemuという二軸のECプラットフォームを通じて、国内外双方での成長を目指す姿勢を示しています。

特にTemuは海外市場でのプレゼンスを急速に高めており、グローバル展開の柱として位置づけられています。一方で、Pinduoduoは中国市場における販売者支援やユーザー体験の強化に注力しており、両サービスの役割分担が明確です。

持続的なユーザー基盤の拡大と、供給サイド(販売者・物流)へのサポート強化を通じて、同社は今後も中長期的な成長を目指すとみられます。

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