Temu出店初月でカテゴリ1位、電動自転車ブランド「ERWAY」が語るユーザー参加型開発と販路戦略
記事の概要

都市部の“ラストワンマイル”課題に着目し、電動自転車ブランド「ERWAY」。大阪・堺市に本社を構える鑫三海(しんさんかい)株式会社(以下、鑫三海)は、独自の視点で開発した折りたたみ式電動自転車を武器に、2025年よりオンラインマーケットプレイス「Temu」への出店を開始。競争の激しい国内市場において、出店初月でカテゴリ売上トップ1という結果を収めました。

本記事では、ERWAYの取り組みから見えるブランド戦略や、Temu出店を通じた販路開拓の可能性を紹介します。

▼Temuの出店プログラムはこちら
https://jp.seller.temu.com/login.html

通勤課題から生まれた、日本の電動自転車ブランド

鑫三海は、大阪・堺市に本社を構える製造業ベースの企業です。同社が展開する「ERWAY」は、軽量・折りたたみ・洗練されたデザインを特徴とした電動自転車ブランド。「移動をもっと自由に、暮らしをもっと快適に」というビジョンを掲げ、都市部の通勤手段としての新しい選択肢を提案しています。

日本の電動自転車市場は、高齢者や子育て層の需要を背景に拡大が続いていますが、特に都市部では“通勤用途”でのニーズが高まっています。ERWAYはこの文脈で、「ラストワンマイルの快適化」に焦点をあて、軽量折りたたみ×シンプルデザイン×電動アシストという三要素をバランスよく組み込んだ製品を開発しました。

製品設計やブランド企画はすべて日本国内のチームがリード。製造や組立といった工程は海外に展開することで、コストと品質の最適化を図り、安定的な供給体制を確保しています。

クラウドファンディング×ユーザー共創で、1億円超の支援

ERWAYの製品開発において大きな特徴となっているのが、ユーザー参加型の開発手法です。クラウドファンディングプラットフォームを活用し、開発中のデザインや仕様を公開。支援者から寄せられたフィードバックを基に、カラーや機能構成の意思決定を進めてきました。

この「共創」のアプローチは、単なる資金調達にとどまらず、消費者の意見を反映することで製品の精度を高め、市場とのズレを未然に防ぐ仕組みとしても機能しました。

その結果、初回クラウドファンディングでは1億円を超える支援を獲得。支援者を“共創者”と位置づける姿勢が、多くの共感を呼び、C2B(Customer to Business)型ものづくりの先進事例として注目を集めました。

Temu出店で、認知拡大と商品改善が一気に加速

製品そのものに対する手応えはありましたが、最大の課題は「いかにユーザーに届けるか」でした。複数の販売チャネルを活用しながらも、想定するターゲット層へのリーチが限定的で、大手ブランドとの競争に埋もれてしまう課題を抱えていました。

そこで同社は2025年、オンラインマーケットプレイスTemuとの連携を開始。出店直後から、ERWAYはTemu内の電動自転車カテゴリで売上トップ1を獲得するなど、顕著な成果を上げました。Temu内では他商品よりやや高価格帯にも関わらず、デザイン性や携帯性の高さが評価され、支持を獲得しています。

また、Temuにはレビュー分析やA/Bテスト、データドリブンな改善支援機能が備わっており、商品コピーや画像の最適化を迅速に進めることが可能です。ERWAYはこれらの機能を活用し、ブランドの見せ方を細かくチューニング。結果として販売だけでなく、製品の進化にもつながるプラットフォームとして、Temuは大きな役割を果たしています。

▼Temuの出店プログラムはこちら
https://jp.seller.temu.com/login.html

ローカルから全国・海外へ!堺市を拠点に広がるブランドの未来

注文数の増加に伴い、同社は大阪・堺市に物流・サポート機能を兼ねたローカル倉庫を開設。現在は1拠点体制ながら、将来的には最大3拠点まで拡張する構想を描いています。これにより配送スピードの向上が期待されるだけでなく、カスタマーサポートやアフターサービスの体制も強化され、より安心して購入できる環境づくりが進められています。

あわせて、これらの拠点整備を通じて地域雇用の創出にも注力。堺市における雇用の拡大を通じて、地元経済への還元も実現しています。

今後は、女性や高齢者向けの軽量モデルなど、ライフスタイルに応じた新ラインアップの展開も予定されており、Temuなどのチャネルを活かして日本全国、さらには海外市場への展開も本格化していきます。

「ユーザーの心を動かすのは、技術だけではなく、ライフスタイルへの理解だと私たちは信じています。ERWAYはユーザー視点から生まれ、ユーザーと共に歩むブランドです。Temuには、私たちが成長・進化するための場をいただき、心から感謝しています。今後もより多くのユーザーやパートナーとともに、“良いデザイン”と“良い体験”を、より多くの街と暮らしの中へ届けていきたいと願っています」と鑫三海のCEOである伴場さんは話しました。

鑫三海株式会社 CEO 伴場 義通さん

Temuという販路がもたらす、新たな可能性

ERWAYの取り組みからは、単なる“モール出店”にとどまらない価値の広がりが見えてきます。

製品づくりにおいてはユーザーとの共創を実現し、販売においてはTemuというプラットフォームの機能を活かしながら、ブランド体験全体を磨き上げています。加えて、堺市に根ざした物流とサポート体制の整備により、地方から全国・海外へと視野を広げる姿勢も印象的です。

価格やスペックだけで勝負するのではなく、“誰の、どんな暮らしをどう変えるか”という視点で設計されたブランドは、Temuのような新興プラットフォームとの相性も高いことがうかがえます。

 Temu、日本で「国内販売事業者の募集プログラム」を全面開放

グローバルECプラットフォームのTemuは、日本国内のすべての適格な事業者に向けて、「国内販売事業者の募集プログラム」を全面的に開放しました。これは、2025年1月に招待制で開始されたパイロットプログラムに続く新たなフェーズであり、Temuが日本の地域企業や販売事業者を支援し、消費者にさらなる多様性と利便性を提供するための重要な一歩です。

このプログラムの本格展開により、プラットフォーム上の商品ラインナップがさらに拡充され、地域企業が新たな顧客層にリーチすることが可能になります。現在、日本国内に登録され、在庫を保有している事業者であれば、招待を受けなくてもTemuに申し込むことができ、日本全国の何百万人もの新規顧客に直接アプローチすることが可能です。

今後、ERWAYのように新たな販路としてTemuを活用するブランドがさらに広がっていくことが期待されます。

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