
Yahoo!ショッピングはLINEとの協業の一環として、出店者に「LINE公式アカウント」の開設の申し込み受付を2021年7月8日(木)から開始することを発表しました。これにより、Yahoo!ショッピング・PayPayモールのお客様とLINEを使ってコミュニケーションがとれるようになります。たとえば、セールやイベント情報を「リアルタイム」で、お客様に届けることができるようになるのです。今回の発表について、詳しくみていきます。
この記事の目次
「LINE公式アカウント」開設のメリット
LINEの月間アクティブユーザー数は、2021年3月末時点で 8,800万人以上だそうで、国内の人口の約7割が使っている計算になります。そのため、圧倒的なリーチ力を期待できます。
また配信数だけでなく、メッセージを見てもらえる確率がメールや他のSNSと比べて高いのも特徴です。ストアニュースレターの平均開封率と比較すると、LINEのメッセージの方が4倍高いとYahoo!ショッピングは発表しています。
運用はストアクリエイターProから可能で、無料で始められることがポイントです。
料金
メッセージ通数によって料金が変わりますが、1,000通/月までは無料となっています。全配信ではなく、セグメントして配信も可能となっているため、無料で試してみることも可能です。
申し込みからアカウント開設までの流れ
2021年7月8日(木)にストアクリエイターProにて案内するそうです。専用リンクから申し込み、LINE社にて審査後に利用ができるようになります。審査結果によっては、利用ができない可能性もあります。
今後実装予定の機能
お客様からの問い合わせ対応
お客様からストアへの問い合わせをLINE上で行えるようになります。Yahoo!ショッピング・PayPayモール内、もしくはストア内で蓄積されているお客様情報と連携が可能になれば、お客様一人ひとりに合った提案や問い合わせ対応が可能になるでしょう。
チャットコマースやデータ連携によるCRM施策
会員データを活用したコミュニケーション機能を実装予定です。大きくチャットコマースとパーソナライズ配信の2つがあります。
チャットコマースに関しては、「自社登録商品と連携したチャット内での会話機能」とのことですが、詳細はまだ発表されておりません。一方、パーソナライズ配信に関しては、会員の属性ごとに配信内容の調整ができるようになるといったもので、CRM施策として運用の幅が広がるでしょう。
最後に:Web接客は効率化から密なコミュニケーションへ
従来のWeb接客は効率的な運用によるコスト削減の視点で語られることが多く、問い合わせ対応はボットなどによる自動化の流れが強くありました。
しかし、最近では新型コロナウイルスの影響で、今まで実店舗での購入がメインだった人たちがECを利用し始め、実店舗と同レベルの接客が求められるようになりました。また、ECに参入する企業が増えたことで、オンライン上には探しきれないほど多くの商品が売られるようになり、お店や商品の魅力を直接伝えられる場が求められ始めています。そういった背景により効率化だけでなく、お客様と密なコミュニケーションを取ることができるWeb接客ツールの人気が上がっています。
ECモールでは楽天市場が先駆けとして店舗内でチャットを利用した接客を導入しましたが、追加料金の強制徴収や運用人員確保難など店舗側からの反発の声により頓挫しています。LINEの利用はできるものの、今回の発表のようにYahoo!ショッピング・PayPayモールは現時点では行なえません。
Yahoo!ショッピング・PayPayモールとLINEの会員データ連携により拡張される機能が、今まで自社ECサイトでLINEを利用していた人たちまで利用できるようになれば、EC業界全体への影響は大きなものとなるでしょう。
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