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LINE広告とは?
LINE広告とは、LINE株式会社が提供する広告配信プラットフォームのことをいいます。メッセージアプリであるLINE内のさまざまな配信面に出稿できるため、ターゲットに合わせた広告配信を実現できます。ユーザー層が広く、利用頻度が高いアプリであるため、認知拡大や新規顧客の獲得に有効です。
LINE広告のメリット・デメリット
LINE広告のメリット・デメリットをご紹介します。
LINE広告のメリット
LINE広告のメリットはターゲット数が多く、さまざまな配信面に出稿できることです。
ユーザー数が多い

LINEは人口の約7割にあたる月間9,500万人(2023年3月時点)と日本最大級のユーザー数を誇るアプリです。利用者の年齢層や性別を問わず、広く利用されていて、その多くが毎日利用していると回答しています。
ユーザー数が多いだけでなく、「SNSのうちLINEのみを利用するユーザー」は41.2%にのぼります。これまでFacebookやInstagram、TwitterなどのSNSを通じて集客をしてきた事業者であっても、まだリーチしたことのないユーザーに広告を配信できる可能性があるのです。
ターゲットセグメントが豊富
LINEの広告は主な配信機能として次の3つがあります。
- オーディエンスセグメント配信
- オーディエンス配信
- 類似配信
広告配信の目的に合った配信機能を用いてターゲティング設定を行うことで、届けたいユーザーに情報を届けることができます。たとえば過去に購入に至ったユーザーに類似したオーディエンスを作成すれば、売上につながりやすいでしょう。
掲載面が豊富
LINEの中にもさまざまな掲載面が用意されていますが、その他にLINE関連アプリにも掲載可能です。「トークリスト」や「LINE NEWS」、「LINE VOOM」、「LINEマンガ」などのアプリに出稿できます。
競合が少ない
以前は最低出稿金額が100万円に設定され、審査が厳しくなかなか出稿しにくかったために、他のSNS広告に比べてまだ利用企業が少ない状況にあります。最低出稿金額の指定がなくなり、少額から出稿できるようになったことで徐々に利用企業が増えていますが、まだまだ先行者利益を得られる市場であると考えられます。
LINE広告のデメリット
次にLINE広告のデメリットをご紹介します。
一部商材は出稿に注意が必要
最低出稿金額の設定がなくなり出稿しやすくなりましたが、配信NGの業種や商材があります。まずは自社商品・サービスがNGリストに該当していないかご確認ください。
【出稿できない業種・サービス】
- 特定の宗教、および宗教団体
- ギャンブル関連、パチンコ等(公営競技・宝くじ、スポーツ振興くじは除く)
- アダルト関連
- 出会い系、マッチングサイト等(一部当社が認めた場合を除く)
- 連鎖販売取引
- たばこ、電子タバコ (一部当社が認めた場合を除く)
- 武器全般、毒物・劇物
- 未承認医薬品⋅医療機器等
- 情報商材
- チケット不正転売
- その他当社が不適合と判断した業種⋅業態、商品⋅サービス
また、掲載にあたって定められた文言の記載や忌避事項を持つ商材があるため、クリエイティブの制作には注意が必要です。一部の商材例として下記を広告出稿する際は、コンプライアンスに配慮したクリエイティブの制作が求められるでしょう。
【配信NGではないが、注意が必要な商材例】
- 通販サイト
- 古物商
- アルコール飲料
- コンタクトレンズ
- 公営ギャンブル 他
広告出稿の手間と時間がかかる
LINE広告を出稿するためには、「広告アカウント審査」と「広告審査」があります。「広告アカウント審査」では請求先情報や広告主情報、商材情報などを審査し、5営業日程度かかります。「広告審査」は広告クリエイティブやランディングページを審査するもので、最短5分程度、最大で5営業日程度かかります。
また、配信フォーマットや入稿規定が複雑なため出稿までの工数が大きい点も、他のSNS広告と比べてデメリットといえるでしょう。
EC事業者がLINE広告を効果的に活用する方法
ではEC事業者がLINE広告を効果的に活用するためにはどのような方法があるでしょうか。
顧客リストを活用する
LINE広告は手元の顧客リストを活用した類似配信を行うことで、効率よく新規顧客の獲得ができます。購入者リストを年齢層や性別でセグメントして活用したり、特定の商品を購入した顧客リストを活用したりすることで、コストを抑えた出稿も可能です。
顧客リストが豊富にある場合には、あらかじめリストをセグメントして、効果が高いリストに絞って配信すると効果的でしょう。
LINE公式アカウントを活用する
LINE公式アカウントを活用してメッセージ配信を行うことで、ユーザーとより深いコミュニケーションを取ることができます。LINE広告で友だち登録を増やし、LINE公式アカウントでコミュニケーションを取るなかで、コンバージョンを目指すという手法が考えられます。
LINE公式アカウントを活用することで、友だち追加広告から登録に至った対象にステップ配信を行い、MAツールのように見込み顧客をナーチャリングしながら購入へと導くことも可能です。
LINE広告のオーディエンスの種類
LINE広告のオーディエンスは次の3種類があります。
- オーディエンスセグメント配信
- オーディエンス配信
- 類似配信
オーディエンスセグメント配信
オーディエンスセグメント配信は、地域や年齢や属性などのデモグラフィック配信や、興味関心のカテゴリー、ユーザーの行動などによりターゲットユーザーをセグメントする配信方法です。利用している携帯キャリアや職業、誕生日などのセグメントが利用できるのはLINE広告の強みといえるでしょう。
※これらのオーディエンスデータはLINEファミリーサービスにおいて、LINEユーザーが登録した性別、年代、エリア情報とそれらのユーザーの行動履歴、 LINE内コンテンツの閲覧傾向やLINE内の広告接触情報をもとに 分類した「みなし属性」および、実購買の発生した購買場所を「購買経験」として個人を特定しない形で参考としているものです(「みなし属性」にはOSは含まない)。「みなし属性」とは、LINEファミリーサービスに おいて、LINEユーザーが登録した性別、年代、エリア情報とそれらのユーザーの行動履歴、 LINE内コンテンツの閲覧傾向やLINE内の広告接触情報をもとに分類したものです。(分類の元となる情報に電話番号、メールア ドレス、アドレス帳、トーク内容等の機微情報は含まれません)なお、属性情報の推定は統計的に実施され、特定の個人の識別は行っておりません。また、特定の個人を識別可能な情報の第三者(広告主等)の提供は実施 しておりません。
オーディエンス配信
オーディエンス配信は、ユーザーの行動データをもとにオーディエンスを作成して配信する方法です。たとえば購入履歴のあるユーザーデータからオーディエンスを作成してリピート購入を促すような使い方ができます。
類似配信
類似配信は、指定したオーディエンスと類似するユーザーに対して配信する方法です。先述の購入者オーディエンスの類似配信を行えば、購入者と似ている(購入する確率が高い)ユーザーに広告を配信できます。新規ユーザーを開拓するときに適した方法といえます。
LINE広告の配信面
LINE広告が出稿できる配信面は以下の通りです。LINEアプリ内のさまざまなサービスに加え、提携しているゲームやSNS、ニュース、天気などいろいろなアプリメディアに出稿できます。
【LINEアプリ内の配信面一覧】
- トークリスト
- LINE NEWS
- LINE VOOM
- ウォレット
- LINEマンガ
- LINE BLOG
- LINEポイントクラブ
- LINEショッピング
- LINEチラシ
- LINEクーポン
- LINEマイカード
- LINE広告ネットワーク
- ホーム
- LINE Monary
- LINEレシート
- LINEオープンチャット
参考:LINE広告の配信面
LINE広告の広告フォーマットとクリエイティブサイズ
次にLINE広告の広告フォーマットとクリエイティブサイズをみていきましょう。LINE広告のクリエイティブは配信面に応じて5種類です。
Card

Cardは、トークリストやLINE VOOM、LINE NEWSなどに対応するクリエイティブです。フォーマットは、静止画(1200 x 628px)と動画(画面比率16:9)です。
Square

Squareは、Cardと同様に幅広い配信面に対応しています。フォーマットは、静止画(1080 x 1080px)と動画(画面比率1:1)です。
Vertical

Verticalは大きく画面表示されるLINE VOOMに対応しています。フォーマットは、動画専用(画面比率9:16)ですが、LINE VOOM上では3:4の比率となり上下が切れて表示され、ユーザーが画面をタップすると、9:16の全画面表示に切り替わります。字幕やロゴなどを入れる際には配慮が必要です。
Carousel

Carousel(カルーセル)は、ユーザーの閲覧履歴に基づき興味を持たれそうな特定商品の広告を表示する「LINE Dynamic Ads」と、LINE VOOMとLINE NEWSの一部、LINE BLOG、LINEポイントクラブに対応しています。
1つの広告枠にスライド式で画像を最大10点掲載することができるので、複数の商品を提示したり、複数の利用シーンを想起させたりすることができます。
画像(小)

Small Image(画像小)は、ユーザーのアクティブ率の高いトークリストに表示されます。画像とテキストで構成されるシンプルなフォーマットです。
画像(アニメーション)

画像(アニメーション)は画像(小)と同じ600 x 400px)でイラストやテキストなどのモーション再生が可能なフォーマットです。ファイル形式はAPNGで、最大データサイズは300KBになります。画像(小)と同じく、ユーザーのアクティブ率の高いトークリストで表示されます。
LINE広告のキャンペーンの目的
LINE広告のキャンペーンの目的は、以下から広告出稿の目的にあったものを選択して設定します。
- ウェブサイトへのアクセス
- ウェブサイトコンバーション
- アプリのインストール
- アプリのエンゲージメント
- 動画の再生
- 友だち追加
- 商品フィードから販売
- リーチ
LINE広告の費用
LINE広告の出稿にかかる費用についても見ていきましょう。
LINE広告の課金方式
LINE広告の課金方式は次の3種類です。
- クリック課金:ユーザーが広告をクリックすると費用が発生
- インプレッション課金:広告が1,000回表示されるごとに費用が加算
- 友だち追加:友だちが追加されると費用が発生
LINE広告の入札方法
入札方法は、自動入札と手動入札から選ぶことができます。自動入札は広告が表示される度に自動で入札価格が調整されるため、運用工数をかけずに運用できます。一方、手動入札は運用者が入札価格を手動で調整するため、経験がある担当者が利用するのがおすすめです。
LINE広告を活用したECサイトの事例
LINE広告を活用したECサイトの事例をご紹介します。
さくらフォレスト株式会社

化粧品やサプリメントなどを中心に、約40商品を取り扱う通販サイト「さくらの森」を運営するさくらフォレスト株式会社は、LINE広告を活用して1日あたり200~300件を獲得しています。これまでに蓄積してきた顧客リストをパターン分けして類似配信を行い、効果が良いリストのみを残して配信することで適切なCPAを維持して売上につなげています。
参考:クリエイティブ改善で獲得数6倍!さくらフォレストに聞く、売上が爆増する広告の見つけ方【セミナーレポート】
株式会社ロイヤル

人気ブランドのスニーカーやウェアを中心に取り扱うセレクトショップ及びECサイト「Z-CRAFT」を運営する株式会社ロイヤルは、LINE公式アカウントとLINE広告を活用しています。クリエイティブの改善を続けたことで、約1年で友だち数が10倍に増加しました。
参考:友だち数が1,000%アップ!LINE広告「友だち追加」で新たなユーザー層にアプローチするECサイトの取り組み
株式会社スナックミー

おやつのサブスクリプションサービス「snaq.me」は、新規顧客の30%をLINE広告から獲得しています。広告クリエイティブはきれいな構図のものよりも、ユーザーがスマートフォンで撮影したような写真のほうがCTRは3.6倍高いなど、PDCAを重ねることで広告効果を改善しています。
参考:新規集客の30%がLINE広告経由!半年でCV数を8.4倍にしたスナックミーの運用ノウハウ
CJ FOODS JAPAN株式会社

「美酢(ミチョ)」「bibigo」「ダシダ」をメインブランドとしてお酢飲料や加工食品を販売するCJ FOODS JAPANは、LINE広告やLINE公式アカウントを活用してユーザーとの関係性を強化する施策を行っています。LINE公式アカウントのメッセージ配信のクリックデータを活用した類似配信を行い、2つのアカウントで約36,000人の友だち追加を実現しました。
参考:3ヵ月で友だち約36,000人増加!LINE広告「友だち追加」で友だちを集め、食卓へ"まごころ"を届ける
おわりに
日本最大級のユーザー数を誇るLINEに出稿できるLINE広告についてご紹介しました。他のSNS広告ではアプローチしにくい層にもリーチできる点は大きな魅力といえるでしょう。EC事業者が成果を上げるには、既存の顧客リストの活用やクリエイティブの改善がポイントになります。PDCAを回してより成果が出る出稿方法を検討してみてください。
また、LINE株式会社では定期的にLINE広告の活用についてセミナーを開催しています。アカウント開設からわかる基礎的な内容に加え、セミナーに参加することでLINE広告に関する質問をすることも可能です。LINE広告の運用にお悩みを感じている方はぜひ下記URLよりセミナーに参加してみてはいかがでしょうか。
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