大手企業を中心に売上アップから組織改革まで行うイングリウッドのECコンサルとは?
インタビューの概要

ECで伸び悩んでいる企業の相談はもちろん、実店舗が中心で、まだECをやっていないメーカーやナショナルクライアントからの依頼も多い株式会社イングリウッド(以下、イングリウッド)。営業を行わずとも、口コミや紹介を通じて次々と相談が舞い込む同社のECコンサルティングチームがどのようにして結果を残しているのか、データテクノロジー事業本部のゼネラルマネージャーである恒成さんに伺いました。

全ての工程を最適化してECの売上を伸ばす

イングリウッドは、ECだけでなく実店舗や卸など含めて、商品販売における全工程を最適化する提案を行っています。一般的なECコンサルティングの企業よりも支援できる領域が広いため、新規の案件として声がかかる場合は、ナショナルクライアントと取引が多い総合代理店とコンペになることが多いそうです。そんな大手クライアントに対し、どのように支援をされているかを質問したところ、恒成さんは次のように答えました。

定量面と定性面に分解し、企業の課題を解決

「課題を見つけるために、まずは定量的な側面と定性的な側面に切り分けて考えていきます。既にECの運営をされているクライアントであれば、定量的な面は現状の数値をもとに改善できるところがないか探します。『集客数』『コンバージョン率』『顧客単価』『リピート率』など、各指標の中で数値が悪いものに優先順位をつけ、整理整頓したうえで、改善していきます。また、これからECに取り組むクライアントであれば、クライアントが掲げている目標と商品の持つ売上のポテンシャルから差分を出して、ギャップを埋める提案を行います。売上のポテンシャルについては、現状のその商品の売上や、商品ジャンルがEC上でどの程度市場規模を持っているかなど、様々な数値を基に予測を立てていきます」

「定性面では、クライアントの体制を改善していくことが多いです。そのためにまず、社内の体制図を確認しています。コンサルタントが自ら出向し、クライアントのEC事業拡大に必要な社内体制の構築や社内交渉をおこなうこともあるからです。場合によっては、商品企画や仕入れの支援をすることも少なくありません」

大手企業をクライアントに持つことが多いイングリウッドだからこそ、Webのみで完結する施策の提案以外にも、クライアントの社内体制をEC向きに整える支援ができることが伺えます。

イングリウッドの支援事例

イングリウッドが支援しているクライアントの事例として、オフラインを中心に展開してきた美容系のメーカー企業があります。オンライン展開をイングリウッドが全面的に支援しており、オフラインのPOSデータと連携することでオンラインマーケティングの効率を改善し、オンライン売上の大幅な拡大に貢献しています。EC経由の売上は直近で2割程度まで拡大しています。

・オンライン月次売上推移
イングリウッドが支援を開始したのは2019年の9月からであり、その前月までと比較するとオンライン月次売上が3倍程度になっていることが分かります。

オンライン月次売上推移

・その他の支援事例
イングリウッドの支援事例には他に以下のようなものがあります。

イングリウッドの支援事例

※1 自社ECショップのみの数値、2018年度と2020年度の売上高の比較
※2 展開しているECチャネルの合計値、2017年度と2020年度の売上高の比較

ECだけでなく、他の販売チャネルも支援

イングリウッドでは、ECサイトだけでなく、実店舗や卸などオフラインで販売チャネルを増やす支援もしています。

「売上目標を達成するため、時にはECサイトから実店舗への誘導が必要になることもあります。オフラインにおける小売の規模は、オンラインと比べると10倍以上あります。そのため、事業を伸ばしていくためにはオンラインとオフラインを統合したOMO戦略が欠かせないでしょう。弊社としては、オンラインだけの支援で終わるつもりはなく、オフラインも一緒に盛り上げていきたいと思っています」と恒成さんは話します。

イングリウッドには実店舗への卸を行うチームが社内にあり、大手百貨店やデパートへ商品を卸せる販売チャネルを持っています。クライアントの支援にあたってはこのような販売チャネルを活かすこともあり、ECにとどまらない打ち手の広さを持っているのです。

イングリウッドが物販の川上から川下まで支援できる理由

イングリウッドが物販の川上から川下まで支援できる理由

イングリウッドはもともと物販から始まった会社です。アメリカからの輸入品をECで販売し始めてから16期連続で増収をつづけ、商品販売の全工程を磨き上げて事業を成長させてきました。そこから派生する形で始まり今ではイングリウッドの収益の柱となった小売事業者への支援事業においては、イングリウッドの創業事業である仕入れ商品の販売支援だけでなく、メーカーのD2C事業に対して商品の企画から販売までの全行程の支援も行っています。D2C事業の支援については、事業の立ち上げから支援し売上高がゼロのところから百億円の規模まで成長させた実績があります。

仕入れ商品を販売する総合通販からオリジナル商品でリピート通販を行うD2C事業まで、手広くEC支援の領域で実績を残している会社は珍しいのではないでしょうか。

「各分野のエキスパートが社内にいるため、コンサルタントが課題に直面しても、すぐに社内に相談できるのは弊社の強みです。また、蓄積してきた商品販売のノウハウとデータ、テクノロジーが弊社にはあります」と恒成さんは自信をもって話します。

P/L(損益計算書)からEC事業の改善を提案

イングリウッドでは、入社と同時に全社員が「ビズデジ(※)」と呼ばれる研修を受けます。カリキュラムは「ビジネス商流」「事業計画・ファイナンス」「マーケティング」「デザイン」「システム開発」「コマース」の6つに分かれています。イングリウッドでは、6つのカリキュラムのなかでも特に「ビジネス商流」「事業計画・ファイナンス」に力を入れているそうです。

※ビズデジ:イングリウッドがプロデュースするITビジネススクール及びIT人材マッチングプラットフォーム。詳細は下記記事をご覧ください。

「ビジネス商流」「事業計画・ファイナンス」の基本を抑えることで、物販を行っていくために必要な考え方や流れが見えてきます。商品を仕入れる際にどれくらいの金額で仕入れて、どれくらいの周期で売らなければならないか。また、在庫を持つことのリスクと回転率を高めることの重要性を、研修を通して知っていきます。

「イングリウッドにジョインしてから、自社が提携している物流倉庫を見る機会がありました。実際にダンボールの山を目にすると、研修で学んだことが実感として湧いてきました」と恒成さんは当時を振り返ります。

「私自身、前職では大手ECモールでECコンサルタントとして勤務していました。様々な店舗の支援をしてきましたし、在庫の問題についても知識としては知っています。しかし、実際に目の前に在庫の山を見たことがなかったので、どこか他人事だったのかもしれません」と続けて話します。

恒成さんのチームは誰もがP/L(損益計算書)を読むことができるそうです。イングリウッドではチームごとにP/Lがあり、個人単位でコストを割り出して意識を根付かせる組織風土になっています。恒成さんがチームのメンバーに対して実施するフィードバックの面談では、個人の目標と合わせてコストを提示し、自分がどの程度社内へインパクトを残しているのか意識できるようなコミュニケーションを取っているそうです。

社員の一人ひとりが物とお金の流れを意識する組織づくりは、「商品を売る最強の集団であり続ける」ために欠かせない要素なのです。

クライアントとの契約の前に、ゴールのイメージをすり合わせる

クライアントとの契約の前に、ゴールのイメージをすり合わせる

イングリウッドでは、困っている企業の課題に合わせてオーダーメイドでソリューションを提案しているため、他のコンサルティング会社のように分かりやすい料金プランがありません。

「コンサルティングの契約を結ぶ前に、どれくらいの売上を見込めるのか、競合や市場環境などのデータ、自社の経験を基に分析し、双方納得の上で正式に契約を締結しています」と恒成さんは話します。新しく支援をする企業に対して、お互いが不幸にならないよう、できることとできないことの境界線を定めて、真摯な姿勢でコミュニケーションを取っているのです。そのため、事前の分析は無償で行っていると言います。

実際に支援を開始する場合は、各工程を横断的に捉えたうえで、全体最適となる施策を考え、目標達成に向けて動いていきます。売上を伸ばすために割引やポイント還元のような利益を損なう施策を提案のみをするのではなく、足元の目標を着実に達成していきながら、中長期的に売上と利益を伸ばせる体制を作っていくのです。

クライアントの課題に正面から向かい合い、ときにはクライアントの体制そのものを改変していくソリューションの提供を行うため、イングリウッドに依頼する費用は決して安くはありません。しかし、クライアントが自社で即戦力となるEC事業責任者を採用するコストと比べれば、決して高い金額ではないことが分かるでしょう。

最後に:イングリウッドが顧客支援の先に提供する価値

「弊社では最短で結果を出し、並行して内製化の支援や、分析などのレポーティング支援、広告運用の支援をさせていただくことが多いです。クライアントが自社で運用できるようになることがゴールになっているからです」と恒成さんは話します。

事業の立ち上げや、伸び悩んでいる企業の売上を短期間で伸ばしていくのは容易なことではありません。コスト意識が強いイングリウッド社だからこそ、クライアントへのソリューション提供にあたって、短期で成果を上げることにこだわりを持っているのです。

これからEC/D2C事業を立ち上げる企業や、EC/D2C事業の売上をもっと伸ばしていきたいと考えている企業は、イングリウッドに相談してみてはいかがでしょうか。

株式会社イングリウッドへの相談はこちら
https://inglewood.co.jp/contact

合わせて読みたい

コマースピックメルマガ