ECサイトを作り直す?ツールを導入する?ECサイト売上UPの基礎基本を解説します

ECサイト立ち上げから売上が上がらない

新規事業でECサイトを立ち上げたものの売上があがらない、というご相談がよくあります。今回はそのいくつかの事例と、売上を上げるためにまず何を基準に考えればよいかというポイントをご紹介します。

売上不振はECサイトが悪いから?

某企業のEC事業でのご相談事例

重役
うちの奥さんがこのホームページが縦に長いから売れないって言ってるから、短くしないとだめなんですよ。
担当
スマホサイトのデザインが縦に長いということでしょうか。
重役
うちの奥さんが縦に長くて見にくいって言ってるから、直さないと。
担当
まずWebサイトのデザインを修正することが重要ということでしょうか。
重役
実際に見にくいっていう人がいるから、それが原因でしょ。
チョピ
すみません、御社のネットショップの情報をみてみますと、先月の転換率が〇%と特に悪い数値ではないようですので、サイトのデザインを修正したからといってすぐに売り上げが上がるわけではないように思います。
重役
売上が悪いのはホームページが悪いからに決まってるでしょ?

広告効果が上がらないからサイトのデザインを変更したい

主にWeb検索からの集客に加え、新たにWeb広告からの集客を始めたという企業からのご相談事例

担当
マーケティングのプロのAさんという、〇〇先生から紹介してもらった方にお願いして、2か月前からWeb広告の配信をしてるんですけど。
チョピ
そうなんですね。
担当
ただ配信前と比較して依頼数が増えてなくて
チョピ
そうなんですか?
担当
Aさん曰く、件数増加にはホームページの修正が必要みたいで、修正してもらえます?
チョピ
え?
担当
具体的には、ファーストビューの大きい画像を非表示にしたら問い合わせ件数が増えた事例があるみたいでそれの非表示と、あと画像をすべて左寄せにしたら効果があったみたいで、あとは…
チョピ
広告の配信前もホームページからの依頼はあるんですよね。
担当
そうですね。それは今も一定数あります。
チョピ
そもそも広告配信で件数が増えてないということは、広告配信の設定に問題の可能性があるように思うのですけど。
担当
たしかにそうですね。
チョピ
そのAさんは広告で獲得できない理由は何とおっしゃってます?
担当
Aさんは、なぜですかね~って言ってますね。。
チョピ
・・・

「アクセス解析から施策を考えてもらいました」

某健康食品のECサイト運営企業で、売上改善の施策のために外部のマーケティングコンサルタントに依頼したという事例

担当
コンサルタントにアクセス解析を見てもらい、戦略を立てるためにマーケティングのツールを導入してもらって。
チョピ
なるほど。
担当
まずは滞在時間と離脱率、クリック率を指標にしていくと。
チョピ
そうなんですね。
担当
その指標をもとにサイトの状態を判断していくということで。
チョピ
なるほど。
担当
トップページと商品ページを改修するということになりました。
チョピ
その指標でサイトを改修すると、どんなことがうれしいんですかね。
担当
そうですね、何がうれしいかはまだわからないです。
担当
まずはそれらを改修してみてからということだと思います。

なぜ闇雲に対策をしてしまうのか

ECサイトの運営で起こりがちな闇雲の対策、思いつきで行き当たりばったりの施策の実施が起きてしまう要因として、以下のチェック項目を作成してみました。

  1. ECサイトはやることが多すぎて時間がない
  2. 今何が問題なのかわからない
  3. すぐに成果を出すことを求められている
  4. 自責で事業を推進する人物がいない
  5. 「ECサイトのデザインを修正する」しか改善アイデアが出ない
  6. 「とりあえずSNSをやる」しか集客アイデアがない
  7. 基本的なKPIの設定がない
  8. 数字を評価する方法がわからない or 習慣がない
  9. EC事業に専任者がいない
  10. そもそも何をしたら良いかわからない

上記で3つ以上当てはまる場合、EC事業の運営に問題が発生していると思います。上記項目の中から、下記3点について以下に解説します。

ECサイトはやることが多すぎる

おそらくすべてのEC事業者に当てはまる「ECサイトはやることが多すぎる」。

過去の記事「強み、差別化、ペルソナ、ブランディング…、ECサイトで戦略を立てる前にやるべきこととは?」にもあるように、ECサイト運営に関連する事業活動は多岐にわたります。

ECサイトは、サイト立ち上げ時に限らずサービスの改善を日々行う必要があります。

サイト構築から商品の製造、仕入や在庫管理、ささげ業務(撮影、採寸、原稿作成)、サイト改修から集客・マーケティングなどなど、細かく挙げればキリがないほど多くの業務があります。
ECサイト運営は、それらをすべて日々実施しながら、さらに売上を上げることにも注力する必要があるのです。

当然、業務の効率化を図る必要もありますが、業務改善を行ってもそれが即売上につながるわけでもありません。リソースは常に限られています。それ故に、とりあえず思いついた内容で、簡単なアクションの実施で売上が上がれば…と考えてしまうケースに陥ってしまうのです。

今何が問題なのかわからない

上記で挙げた事例でもあるように、何かに取り組む際に指標(KPI)を設定することは大切です。ただ、「今何が問題なのか?」ということとそれを改善すると「何がうれしいのか」がわからないままであると、よくわからないままとりあえず実施してしまう、という習慣になるケースが多いです。

例えば「滞在時間を増やす」という指標を設定した場合、その指標が今ある課題に「どう」効くのか、何をもってしてそれが「達成」したのか、それを達成すると「何がうれしいのか」というロジックがないと、闇雲に対策を行ってしまう原因になります。

すぐに成果を出すことを求められている

ECサイトをオープンして、すぐに成果を出すことを求められていることもよくあるケースです。実店舗の場合は、新店舗のオープンということだけで集客効果になり得ます。しかしECサイトの場合は、ただインターネット上に公開しただけでは売上はゼロです。

故にオープンしてすぐに成果が出ると思っていると、思惑が外れて焦りが生じ、すぐに成果を出そうと下記のような派手な施策を打ち出すケースをよく見ます。

  • 高品質なPR動画を作成してECサイトをアピール
  • インフルエンサーを起用してPR活動を依頼
  • 単発、または短期間に高額広告に予算を投下
  • ブランディングと称して商品パッケージの刷新や、短期のポップアップイベントの実施、etc…

ECサイト構築後に売上が上がらず、しかしすぐに成果を求められ、急いでこうしたPR活動を実施してしまい、結果コストだけが上昇し売上につながらないという悪循環に陥るECサイトもよくあります。

「ECサイト売上方程式」で売上の構成要素を確認する

基本的にECサイトで重要な対応として基本的な施策を地道に長い期間、粘り強く行うことが挙げられます。その基礎基本なくして、派手にお金のかかったPRに着手したEC事業はほぼ失敗するでしょう。

ECサイト運営で基本の一つである「ECサイト売上方程式」があります。

売上 = アクセス数 ✕ 転換率 ✕ 客単価

次回はECサイトの運営の基礎基本、地道な事業の推進をこの方程式をもとに解説していきます。

株式会社チョッピーデイズ:https://choppydays.com

後編:ECサイトの基礎基本、売上方程式で売上を上げる方法

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