
この記事の目次
ユーザーが購入する理由
前回の記事「ECサイトで戦略を立てる前にやるべきこととは?」の後編です。
前回の記事では、「ユーザーが購入する理由」を知ることが重要、というお話をしました。後編では、どうやってその理由を見つけ理解をするかという点についてのお話をしようと思います。
そもそも顧客の課題はかなり複雑
とある組織で、Webサービスを制作する事業者の選定を行う審査員を担当した際の話です。
プレゼン参加者に共通していた内容は、私達は全力で対応いたしますという「熱意」。プレゼン後の質疑応答で、すべての事業者の方に同じ質問をしました。










“なぜ”モノやサービスを購入するのか
例えば、地方移住に関するWebサービスというものを考えた場合、移住希望者の目的やニーズといったものは複雑です。ある人は仕事の都合であったり、またある人はライフスタイルを変化させたいというニーズであったりと、さらに年代や家族構成などによってもさまざまです。
上記の担当B氏は、顧客の一人一人の課題を知っているからこそ、共通したニーズはないと答えたことはある種の誠実さであるかもしれません。
顧客はさまざまな課題を抱えており、その課題の内容は元から複雑で、それを理解するのは非常に難しいです。それは、ただ観察しただけでは顧客の課題はバラバラのままであるからです。
前編記事で紹介した、
ユーザーは理由があって初めてモノやサービスを購入する
このユーザーの理由を理解するためには”誰が”でも”何を”でもなく、”なぜ”が重要です。この”なぜ”の部分に、顧客に共通した購入理由があるからです。
次の章では、その顧客の”なぜ”を見つけるヒントをご紹介いたします。
顧客課題を見つけ、理解する方法
「何がうれしいのか」という問い
主に理系学問を学ぶ場などで聞くことのある
「何がうれしいのか」
というフレーズがあります。この問いのフレーズは、顧客の課題を理解するために非常に役に立っています。
- その商品を買うことで、顧客は何がうれしいのか
- そのサービスを利用することで、顧客は何がうれしいのか
顧客はいくつもある選択肢からなぜそれを選択し、結果どう良くなったか。このフレーズを顧客の理解のためにもちいることで、顧客が持つ課題やニーズを明らかにします。
問い合わせの内容から
「何がうれしいのか」というフレーズをもちいて、ECサイトへの問い合わせから顧客課題を理解します。
ユーザーが多いサイトへの問い合わせでは、日々さまざまな内容のものがあります。顧客が商品に関する問い合わせをするということは、その商品が問題を解決する可能性があると感じているということです。ゆえに、問い合わせの内容の中に顧客が持つ課題が含まれています。
例えば、「商品の大きさ」を確認する問い合わせがあった場合、ECサイトにその商品の大きさを詳細に掲載するだけでも、顧客にとってうれしい情報になります。
そこからさらに、「顧客はその商品の大きさを知ることで、何がうれしいのか?」を考えることで、顧客の課題をより明確にすることが可能になります。
顧客に直接問いかける
そのまま率直に「何がうれしいのか」を顧客に問いかけます。モノやサービスを購入した顧客に直接「その商品を購入して何がうれしいですか?」と尋ねても良いです。それが少しはばかられる際は、それをすることで顧客は何がうれしいのかを想定ができる問いにしても良いです。
上記のケースで、商品の詳細なサイズの問い合わせに対し、特に知りたい理由の記載がない場合は、その商品のサイズをお答えして対応は完了します。
さらに顧客の理解を深めるために、顧客に対して以下のような質問をします。
- なぜ顧客は商品の大きさの確認が必要なのか
- 商品の大きさを確認できると何がうれしいのか
そこから得られる回答から、顧客が商品を購入したい理由を見出すことが可能になります。
「何のためか」を正しく理解する
商品やサービスがどのような目的で、何のために購入されているのかを理解することが、ECサイトで戦略を立てる前に必ずやるべき重要なことです。
「何のためか」を正しく理解することで、自ずと取り組むべき戦略、施策が決まります。それは事業の存在理由にもなります。ここが定まってないと、何をすべきかがわからないまま、前編にもあったいわゆる「万能型」の商品を取り扱うことになってしまいます。
どのような状況にも合致する正解は存在しません。まずは顧客にとって何がうれしいのかを理解することから始めることをおすすめしています。
顧客課題に集中するためのおすすめカートシステム
顧客課題にフォーカスするために、ECサイト構築において各種機能が揃ったカートシステムであるMakeshopやShopifyをおすすめしています。
ECサイト運営にはクーポンやポイント、メルマガや会員のセグメント機能など、サービスの成長にあわせて必要となる施策があります。
MakeShopやShopifyにはサービスの成長段階にあわせて有効な機能がオプションとして提供されていますので、継続的な成長が可能になっています。
ECに関するご質問はこちら:https://choppydays.com/contact/
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