
この記事の目次
ECサイト立ち上げ前に必ずやるべき3つのこと
前半の記事では、売上が伸びていない事業者のECサイトに足りないことを現状に沿って解説しました。後半の本記事ではECサイトで売上を作るために大切な3つのポイントについて解説を進めていきます。
「ECサイトの立ち上げで何をすればよいのか」は、基本的には誰も教えてくれません。Googleで検索してもヒットする内容は、独自サイトにするかモールに出店するか、カートシステムは何にするのかといった情報がほとんどです。
他のWeb制作会社の打ち合わせに参加したことがありますが、その打ち合わせの内容は、依頼者側である事業者の「想い」と制作会社の作ったデザインのみで、本来の目的である「顧客」の存在がまったくなかった覚えがあります。
その結果できあがったものは、アニメーションが多用されたデザインに事業者の理念や想いが掲載された、ほとんどユーザーにアクセスされないサイトでした。
ここまで極端なものは少ないかもしれませんが、現状うまくいっていないサイトは同じ傾向にあると思います。そこでいわゆる「自己満足」なサイトに陥らないために、ECサイト立ち上げ前に必ずやるべき3つのことをここでご紹介します。
「顧客の課題は何か」を明確にする
まず1つ目は「顧客の課題は何か」を明確にすることです。ECサイトのデザインや事業者の想いや、強みは何かといったことを議論するよりも、最も大切なことが「顧客の抱えている課題は何かを」明確にすることです。
「コンセプト」の罠
ECサイト立ち上げのときによく言われることで
「まずはこのECサイトのコンセプトを決めましょう」
というものがあります。
たしかにコンセプトは大事です。しかし気をつけなければならないことは、コンセプトを作成する手順の多くが「事業者目線」で考えられていることです。
例えばコンセプトを作成する際のひとつの基準として「5W1H」があります。この5W1Hの最初に考えるという「What」、これは「サイトを通して何を伝えたいか」です。
これがコンセプトの作成で「サイトを通して『自分が』何を伝えたいか」ということになり、サイト自体が事業者目線になってしまう原因のひとつです。
この「What」は、事業者が何を伝えたいかではなく、「顧客の課題は何か」の What であるべきだと思います。
事業者目線ではなく、顧客目線で考える
ひとつの例として、ケーキを取り扱っているECサイトで売上の傾向を調べたところ、シンプルなケーキの販売比率が徐々に上がっていることを把握したとします。
そこでそのケーキの購入目的をアンケートで確認したところ、購入したケーキを土台としてアレンジし、オリジナルのケーキを作成することが目的だったことがわかりました。いろいろなバリエーションを作るために、土台がスポンジ以外のものも探しているということもわかったのです。
このケースでの顧客課題は、より美味しいケーキを探しているというものではなく、より手軽に色々なオリジナルケーキを作りたいということであり、その視点から考えた場合には商品の品揃えから提案内容まで変更する必要がある可能性が発生します。
「顧客の課題をどうやって解決するか」を考える
2つ目は、「顧客の課題をどうやって解決するか」を考えることです。
先程のケーキ販売の例から顧客の抱えているのは、手軽にオリジナルケーキを作成するという課題だったことが見えてきました。
作ったケーキをどう売るかということから、オリジナルのケーキを手軽に作成したいという顧客の課題をどう解決するか。
つまり、何をどう売るかではなく、顧客の課題をどう解決するか
という全く異なるアプローチに変わります。
それまでの「美味しいケーキを作る」という視点からでは生まれなかった、「手軽にオリジナルケーキを作るために、顧客にはどういう課題があるか?」という視点になり、さらにそれらをどう解決するかという対応になります。
例えば、より土台となるケーキの種類を増やすべきか、サイズの種類を増やすべきか、アレンジするためのデコレーション用のものを揃えるべきか、オリジナルケーキを作るための情報を提供するべきか etc …
ECサイトの運営で行き詰まるポイントとして、顧客に何を訴求すべきかわからないというものがあります。
顧客の課題がわかり、それをどう解決するか。その視点で考えることで顧客へのアプローチがいろいろな角度でできるようになります。顧客課題を理解し、顧客の課題を解決するというアプローチをとることで、施策の打ち手が自然に増えるのです。
手元の商品をどう売るかではなく、顧客の課題は何かを考え、それをどう解決するかにフォーカスしましょう。
具体的な「集客」を考える
3つ目は、具体的に顧客をどうやって集客するかを考えることです。
顧客の課題が何かを理解し、顧客の課題をどのように解決するかが決まった後ですべきことは、解決すべき課題を持った顧客をどうやって集客するかです。
ECサイトへのアクセスは全て「デバイス」から
実店舗の場合は、たまたま通りかかったということで入店するお客様がいます。
しかしECサイトは、ユーザーにたまたまアクセスしてもらうということはありません。
それは、ECサイトへアクセスするためには、インターネットを利用するデバイスが必要であり、すべてのユーザーは何らかの意図をもってデバイスを操作しアクセスする必要があるからです。
SEO、広告、SNS… 集客は何をするべき?
ECサイトを立ち上げただけでは太平洋に浮かべた小舟と同じであり、自社をいかに顧客に発見してもらうか、どうやって自社のECサイトを認知してもらうかは至難の業です。
Amazonや楽天市場などの巨大ECサービスがあり、それ以外でも数百万のECサイトがある中で自社のECサイトにアクセスしてもらうためには、ユーザーに自社のECサイトを見つけてもらうためのコストが絶対的に必要になります。
顧客がスマートフォンを起動してから、どうやって自社のECサイトまで来てもらうか、その経路を如何に構築するか。具体的には、SEO、Web広告、SNS、テレビや雑誌といったオールドメディアも含め総合的に考えなければなりません。
例えば雑誌の広告を出稿し、そこにQRコードを掲載しそこからアクセスしてもらうという方法があります。ここでよく見落とされているのもやはり顧客目線です。
雑誌を読んでいるユーザーに対してECサイトへアクセスしてもらうということは、
1.雑誌にある広告に目を通し
2.スマートフォンを手に取りカメラアプリを起動し
3.QRコードを読み取り
4.ブラウザを起動してアクセスする
といういくつもの手順を顧客にこなしてもらう必要があります。
ここで必要な視点は、雑誌を読んでいる最中にどれだけのユーザーがスマホを起動しQRコードを読み取るのか、QRコードを読み取る回数は何回なのかという点です。
おおよそ雑誌を読んでいる最中にQRコードを読み取る回数は多くても2~3回だと思います。実際に数名に雑誌を読んでもらった際、スマホを取り出し広告のQRコードからWebサイトにアクセスしたのは0名でした。
雑誌からECサイトまでアクセスする経路として、最初のQRコードの読み取りの時点で多くのユーザーは脱落してしまいます。ゆえに雑誌を集客装置とする場合、いかにQRコードからアクセスしてもらうかを細かく考える必要があります。
課題を持った顧客は、何にアクセスし、デバイス内でどういった行動をしているのか、何に興味を持ちどのような情報を取得しているのか、その方法は何をもちいているのかということを事前に洗い出し、そこから自社のECサイトにアクセスしてもらうためには何を行うべきかを細かく検証する必要があるのです。
SEOに取り組むのか、Web広告に出稿するのか、SNSアカウントを運用するのか、各種媒体メディアを利用するのか、それらのどれを行うのかという議論ではなく、すべてを個々に検証し、顧客にアプローチするためにすべてに取り組む必要があります。
ECサイト立ち上げはこの3つが揃ってから
ECサイトの立ち上げにあたって以下の3つ、
1.顧客課題は何か
2.課題をどうやって解決するか
3.上記1,2を踏まえた具体的な集客方法は何か
この3つをまず考え、そこから顧客にとって必要なデザインとは何か、掲載に必要な情報は何かというように考えていきます。
この3つを運営で立ち戻る起点に
顧客課題・解決方法・集客という視点が、全体のデザインにも基礎になり、細かな施策においても基準になります。
例えばSEOに取り組む際も、顧客に必要な情報は何か、それを顧客はどのように探しているかという観点があれば、それがSEOの基準になるのです。
ECサイトの立ち上げから運営まで、常にこの3つの基準を念頭に置くことで、考える際に本質的な運営にフォーカスができます。
顧客課題に集中するためのおすすめカートシステム
顧客課題にフォーカスするために、各種機能の揃ったMakeShopはおすすめです。
ECサイト運営にはクーポンやポイント、メルマガや会員のセグメント機能など、サービスの成長にあわせて必要となる施策があります。
MakeShopにはサービスの成長段階にあわせて有効な機能がオプションとして提供されていますので、継続的な成長が可能になっています。
またサイト構築において比較的柔軟なカスタマイズが可能な点や、専用のサポートサービスがあり、他サービスと比較してサポート対応がより充実していることもおすすめの理由です。
株式会社チョッピーデイズ:https://choppydays.com
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