
EC・ネット通販業界の売上高ランキングが株式会社デジタル&ワークス「業界動向サーチ」より発表されました。ランキングに反映されている売上の対象期間は2021年~2022年です。発表された内容をもとに、コマースピックで解説していきます。
なお、2020年~2021年のランキングはこちらからご覧ください。
参考:【2021年版】EC・ネット通販売上高ランキングTOP38発表!
この記事の目次
ランキングTOP5の企業の特徴
去年と変わらず圧倒的1位のアマゾン
昨年に引き続きアマゾンが圧倒的な1位になりました。昨年の21,893億円に対し、今年は25,378億円と約16%向上しました。2022年のアマゾンは他のECモールでは取り組まれていないような独自性の高い施策でユーザーの購買体験を快適にしています。
2022年は試着サービス「Prime Try Before You Buy」の対象商品の拡充や@cosmeを運営するアイスタイルとの協業などの攻めの施策だけでなく、守りの施策を推し進めています。日本国内の配送拠点を18ヶ所新設することでの配送体制・スピードの安定化、模倣品などからIP(知的財産)を保護するための4つのサービスとツールが日本でも利用可能にといった動きがありました。
Zホールディングスを突き放す楽天グループ
2022年の大きなニュースとしてYahoo!ショッピングとPayPayモールの統合が挙げられます。統合前よりもUI/UXを快適にし、わかりやすいキャンペーンによって、ユーザーにとってより使いやすいECモールになることを目指しているそうです。
参考:<ヤフー×CCI登壇>新生「Yahoo!ショッピング」のご紹介と最新メーカー販促トレンド 2022
集計期間から考えるに統合の影響は大きくは出てないことが考えられますが、昨年比で289億円売上が減少しています。一方で、昨年3位だった楽天グループのインターネットサービス事業は昨年比で1,832億円売上を伸ばしています。楽天モバイルの赤字の印象が強い楽天グループですが、EC全般の業績が極めて好調であることが昨年との比較によって感じられます。
昨年に続き堅調に伸びるBtoB(法人向け)ショップ
4位にMonotaRO、5位に大塚商会と、ECモールに続く形でBtoB向けのショップが並びます。昨年と比べ、ランキングに変動はないものの両社は着実に売上高を伸ばし、DXが謳われる昨今、企業がBtoB向けのショップを利用する機会が増えていることがわかります。
ランクイン企業全体の傾向
昨年のランキングと比べ、商品ジャンルに関係せず各企業の取り組みが結果に如実に現れていることがわかります。徐々に外出する人が増えているため、店舗を構えている企業や卸によって小売店で販売している企業の売上が増加している印象です。
コロナ禍に日常的にオンラインで買い物をすることが増えた消費者にとって、買い物する場所は店頭だけ、ECサイトだけということではなくなります。より自然な購買体験を提供するために、今後、オンラインとオフラインの連携がより一層求められるのではないでしょうか。
また、オンライン専業で販売をしている事業者については、ポップアップストアによるリアルとの接点を作ることや、ECサイトにお試し機能を導入するなど消費者が気軽に商品を試しやすい環境づくりが必要になっています。一時は参入障壁が低くなったと言われたEC業界ですが、事業として大きな成長を見据える場合は、相応の覚悟が求められるかと思います。
ランクイン企業とネットショップ一覧
ネットショップ名とネットショップURLに関しては、代表的なものを掲載しています。
▼株式会社デジタル&ワークス「業界動向サーチ」
https://gyokai-search.com/
※引用元:EC業界 売上高ランキング一覧
(YoY・ジャンル・ネットショップ名・ネットショップURLは、コマースピック追記)
※アマゾンの売上高は2021年の平均為替レート1ドル=110円で計算。楽天グループはインターネットサービス事業、Zホールディングスはコマース事業、大塚商会はサプライ事業、ファーストリテイリングは国内Eコマース事業、アダストリアはWEB事業、ファンケルは通信販売事業、シュッピンはEC売上事業、ストリームはインターネット通販事業、BEENOSはEコマース事業、スクロールはeコマース事業、ゴルフダイジェスト・オンラインはゴルフ用品販売事業、ジェネレーションパスはECマーケティング事業、クルーズはEC事業、ビューティガレージは物販事業、ほぼ日は直販売上高、夢展望はアパレル事業、ANAPはインターネット販売事業、石垣食品はインターネット通信販売事業、GMOペパボはハンドメイド事業、コパ・コーポレーションはインターネット通販事業の売上高です。マガシークは2020年の売上高です。
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