2021年7月15日からAmazonがマケプレプライムの参加要件を変更
ニュースの概要

2021年7月15日から、マケプレプライムの参加要件に「週末の出荷対応」「標準サイズ商品の全国配送」「配送時間指標の目標値達成」の3つが追加されます。マケプレプライムの参加要件に該当しない場合、プライムマークが外されてしまいます。FBAを利用されている場合は対応する必要はありませんが、自社や物流会社に委託して出荷対応している場合は確認した方がいいでしょう。

リリース元
https://sellercentral.amazon.co.jp/gp/help/external/VB5YNDGLQG4GYGR

新たに追加される3つの要件

1.週末の出荷対応

今まで土日の出荷対応は任意でしたが、今後は必須になります。祝日に関しては今まで通り、出荷対応の義務はありません。

土日に出荷対応できれば問題ないですが、難しい場合も多いのではないでしょうか。物流会社に委託している場合は、自動出荷ツールを導入することで対応可能です。物流会社には、土日出荷に対応をしているか、自動出荷ツールと連携しているかの2点を確認しましょう。代表的な自動出荷ツールには、シッピーノやクロスマがあります。

自動出荷ツールを導入することで、出荷業務を完全に自動化できます
自動出荷ツールを導入することで、出荷業務を完全に自動化できます

週末の集荷や配送に対応している配送サービスは下記になります。
●ヤマト運輸:宅急便・宅急便コンパクト・ネコポス・宅急便タイムサービス
●日本郵便:ゆうパック・レターパックプラス・レターパックライト

2.標準サイズ商品の全国配送

配送地域に関して、各社が自由に選ぶことができたのですが、今後は標準サイズの商品は、沖縄・北海道・離島を除くすべての地域の都道府県に配送する必要があります。標準サイズに該当する商品は、梱包された状態で重量が9 kg以下であり、寸法が45cm×35cm×20cmを超えないものになっています。大型サイズの商品は引き続き、地域ごとに設定できます。

配送地域お急ぎ便のお届け日変更前変更後
本州・四国・九州翌営業日任意必須
北海道・沖縄・離島翌々営業日任意任意
対象は標準サイズのみ。大型サイズは今まで通り任意です

お急ぎ便のお届け日は、配送地域が本州・四国・九州の場合、翌営業日に届けなければなりません。たとえば、関東地方にしか倉庫がない場合、九州地方に翌営業日で配送するのは難しいでしょう。もし近畿地方にも倉庫があれば配送距離が短くなるため、翌営業日に届けやすくなります。そのため、倉庫を複数拠点構えるなどの対策が必要になります。

倉庫が関東地方にしかない場合
倉庫が関東地方にしかない場合
倉庫が近畿地方にもある場合
倉庫が近畿地方にもある場合

3.配送時間指標の目標値達成

商品詳細ページに表示される、お届け日予定日が「1〜2日以内」と表示される割合で判断されます。マケプレプライムの配送時間指標は下記になります。

標準サイズ大型サイズ
お届け予定日が1日以内の商品詳細ページ閲覧率70%35%
お届け予定日が2日以内の商品詳細ページ閲覧率85%75%
※お届け予定日が2日以内の商品詳細ページ閲覧率は、1日以内を含みます。

お届け予定日は、「出荷作業日数+配送所要日数 (+祝祭日数)」で表示されます。マケプレプライムの要件を満たすためには、1日~2日以内になるようにしなければなりません。配送時間指標を達成できているかどうかは、パフォーマンスダッシュボードから確認できます。

もし配送時間指標の目標値に達しない場合は、注文締め時間を当日の遅い時間に設定し、現地の配送会社の集荷スケジュールに基づいて集荷時間を調整することで改善可能です。「注文締め時間より後」に商品詳細ページを閲覧された場合、お届け予定日は「注文締め時間より前」よりも1日後になってしまうからです。

商品詳細ページ
の閲覧日             
商品詳細ページ
の閲覧時刻            
出荷 
予定日      
購入者の
お届け予定日           
商品詳細ページ
の閲覧(暦日)           
月曜日注文締め時間
より前
月曜日火曜日1日
月曜日注文締め時間
より後
火曜日水曜日2暦日
金曜日注文締め時間
より前
金曜日土曜日1日
金曜日注文締め時間
より後
土曜日日曜日2日または3日
※商品詳細ページの閲覧からお急ぎ便の配送予定日の算出について

少しわかりづらいと思いますので、具体例を踏まえて説明いたします。たとえば注文締め時間を13時に設定した場合、お客様が商品詳細ページを閲覧したのが13時より前か後かで、お届け予定日の日数が1日なのか2日なのか変わってきます。注文時間を遅くすることで、お届け予定日の日数が1日になる割合が高くなるのです。

商品詳細ページ
の閲覧時刻
お届け予定日の日数 
月曜日(13時より前) 出荷予定日 お届け予定日 1日
月曜日(13時より後)出荷予定日お届け予定日 2日
注文締め時間より前か後かで、お届け予定日が変わります

さいごに:マケプレプライムに参加すべきか判断を

Amazonプライム会員の購入体験を向上するために、マケプレプライムの参加要件を変更したとAmazonは言っています。マケプレプライムの注文において、1日以内に届けることができた割合は、新型コロナウイルス感染症の発生前の次点でも、26%以下だったそうです。

しかし、顧客満足度向上もあると思いますが、FBAの利用者を増やしたいという狙いもあるのではないでしょうか。自社はもちろん、物流会社に委託したとしても、変更後のマケプレプライムの参加要件を満たすのは難しいと思います。

確かにprimeマークが付与されることで、配送品質の訴求を強化できます。また、商品検索結果ページでの露出が強化されるため、売上アップに繋がると思います。今回追加された3つの要件に対応するには、事業者によっては、大きな投資が必要になるかもしれません。総合的に判断をしたうえで、対応することが大切です。

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