![返品マーケティングとは?返品を活用してEC売上を向上させる5ステップ [事例付き]](https://www.commercepick.com/wp-content/uploads/2022/09/返品マーケティングとは?.jpg)
EC業界の発展により、現在では競合他社が多数いるのではないでしょうか。他社との差別化を図るために様々な施策を講じる必要があるでしょう。その施策の方法は様々で、良い商品を作るのはもちろん、ECサイト内で購入する設計を行ったり、SNSを使った施策などが例として挙げられます。今回当記事で紹介するのは「返品マーケティング」です。
競合他社やモールではなく自社ECサイトで購入する理由を作るのには、良い商品を作るのはもちろん、ECサイトでの購入体験がより良いものである必要があります。本記事では、返品を活用したマーケティングの効果や国内事例、実施するまでのステップをご紹介いたします。
「競合他社やモールではなく自社ECを選んでもらう理由を作りたい」
「返品ポリシーの見直しをして売り上げアップさせたい」
「返品マーケティングをやりたいけど始め方がわからない」
とお考えのEC担当者様は必見の記事です。
この記事の目次
返品マーケティングとは?

返品マーケティングとはECサイト上で返品ポリシーを緩和することで購入率・顧客満足度・リピート率の向上に繋げることです。
ECサイトでは返品にコストがかかってしまうため返品ポリシーの緩和を行うことは避けられることもありました。しかし米国ではアパレルなどの返品率が25%〜40%と高く、返品マーケティングはamazonでも行われている主流のマーケティング方法です。
返品ポリシーとは?
返品ポリシーとは企業側が定めた返品・交換のルールのことです。具体的な内容には商品の状態、返品理由、商品到着からの期間などの中で返品・交換ができる条件が書かれていることが多いです。
UPSの調査によると顧客の68%が購入前に返品ポリシーを確認し、67%が顧客フレンドリーな返品ポリシーに対して顧客満足度が上がることがわかっています。そのため返品ポリシーは商品と同じくらい購入につながる大事な項目の一つといえます。
返品マーケティングのメリット

返品マーケティングの最も明確なメリットは売上向上に繋がることです。ここではなぜ売り上げが上がるのか細分化して解説します。
具体的には下記の5点が売上向上の要因として考えられます。
- 購入率アップ
- 顧客満足度向上
- リピート率の向上
- 商品企画へのフィードバック、ECサイト改善
- 競合優位性の構築
購入率アップ
ECサイトでは「試着ができない」「実物が見れない」という理由から、購入のハードルが高くなっているという現状があります。
返品ポリシーの自由度を高めることで、顧客が安心して商品を購入することができるため購入率向上が期待できます。
顧客満足度の向上
購入した商品が不良品だった場合やイメージと違った場合、返品ができない、または返品フローが複雑だった場合、「このブランドでは一生買わない!」と思われてしまう可能性が高いです。
スムーズに返品ができる仕組みを作りや、自由度の高い返品ポリシーを作ることで、顧客満足度の向上に繋げることができます。
実際に「ShoeDazzle」では初回購入後パーソナライズされたメールと共に注文と返品を管理できるリンクを送ることでスムーズに返品を行うことができ、返品の作業の中で顧客満足度の向上に繋げることができています。
このように返品は顧客満足度を向上させるチャンスでもあります。
リピート率の向上
顧客満足度が向上するとリピート率向上にもつながります。
実際に、返品をした顧客は返品しない顧客に比べてLTVが高いとの結果も出ており、自由度の高い返品ポリシーや、スムーズな問題解決を行えるとリピート率が高くなります。
商品企画へのフィードバック、ECサイト改善
返品の際に返品理由や商品に対するフィードバックを受けることで顧客のニーズに合わせた商品企画をすることができます。
例えば返品理由の集計結果から「サイズが小さい」という理由が多ければ商品企画の際にそれを反映させることで顧客のニーズに合わせた商品企画につながります。
また「イメージと違った」という理由が多い場合は、ECサイトの画像を変更したり、商品の説明を丁寧にしたりと、ECサイトの改善を行うことができます。
競合優位性の構築
競合他社がいる場合、競合商品と比較されたときに選んでもらう必要があります。商品での差別化はもちろんですが、価格競争はできれば避けたい方法です。
そんなとき、自由度の高い返品ポリシーやスムーズな返品・交換体験は安心感につながり高い優位性になります。
返品マーケティングの始め方

ここまで返品マーケティングのメリットについて解説してきました。ここからは返品マーケティングの始め方を具体的に解説します。返品マーケティングを始めるためには以下の4つの手順が必要です。
- 返品ポリシーの内容を考える
- 特設ページを作成する
- ユーザーに知ってもらう
- 効果検証
返品ポリシーの内容を考える
返品マーケティングを行う際に最初にやるべきことは返品ポリシーの作成です。
返品ポリシーで決めることは
- 返品可能な商品の条件(サイズが小さいなどの顧客都合、商品の不具合など)
- 返送料の負担
- セール品・アウトレット品の返品について
- 返品受付期間
以上の4つです。
返品ポリシーを決める際には顧客フレンドリーにすることで返品マーケティングは成功しやすいです。売上に繋がる返品ポリシーの作り方について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
特設ページを作成する
返品ポリシーを作った後に特設ページの作成をする必要があります。ECサイト上で作った返品ポリシーを知らせるために、特設ページを作成することで顧客は返品ポリシーに目を向けるようになります。
顧客フレンドリーな返品ポリシーを作成した際には顧客にとってお得な情報を知らせられるので、特設ページを作ることで顧客は購入しやすくなります。実際に作成する場合は、すでに返品マーケティングを実施している企業を参考にするのがおすすめです!
▼参考:https://www.rosebud-web.com/fittingcampaign.html

▼参考:https://cohina.net/collections/cohina-denim2022

▼参考:https://allyours.jp/pages/explanation3

ユーザーに知ってもらう
特設ページの作成は既存のユーザーやページをたまたま見つけた顧客に対して返品ポリシーについて知ってもらう方法でしたが、多くの人に顧客フレンドリーな返品ポリシーを知ってもらう必要があります。
そのための具体的な方法としては以下の方法が挙げられます。
- 商品詳細ページへの記載
- バナー設置
- SNSでの拡散
- メルマガ
- 広告
- ポップアップ
それぞれのECサイトに合わせた広告方法で広告を行うことで効率的に集客をすることができます。
効果検証
返品マーケティングを行う際に効果検証は必須になります。
効果検証の際に見るところは返品率、返品理由です。返品ポリシーを緩和したことで、「どれくらい購入率が上がったのか?」「返品した顧客は再購入につながっているのか?」などを計測する必要があります。
また、返品理由も計測することで商品企画へのフィードバックにも活用することができるので、データ収集及び振り返りは重要となります。
返品マーケティングの注意点

返品マーケティングを行う際には以下の3点に注意して行う必要があります。
- 顧客思いの返品ポリシー
- スムーズな返品、交換体験の設計
- 返品作業の効率化
顧客思いの返品ポリシー
返品マーケティングの肝である返品ポリシーは、顧客思いの返品ポリシーである必要があります。
実際に「KIBACOWORKS」というブランドでは、商品到着から7日以内であれば無料でサイズ交換・返品が可能な「アパレル試着サービス」を実施したところ、2ヶ月で購入率3倍、複数購入の増加を実現しました。
返品マーケティングの効果を最大化するためには、自由度の高い返品ポリシーを作成するのが必須となります。
参考:https://recustomer.me/case/kibacoworks
スムーズな返品・交換体験の設計
返品ポリシーを寛容にしても、返品・交換が面倒くさかったり複雑だったりすると顧客満足度は低下してしまいます。
その為、返品マーケティングを実施する際にはユーザーがスムーズに返品・交換ができるようにフローを構築する必要があります。
わかりやすく、かつ手順が少なく、時間がかからない設計を心がけましょう。
返品作業の効率化
また、返品ポリシーを改善すれば返品率が向上する可能性もあります。
業務コストが増幅してしまった場合、売上が上がっても利益が上がらない事態になってしまいます。それを避けるためにも、社内の返品業務を効率化しておく必要があります。
返品業務の主な流れは下記の通りです。
・お客様への謝罪/やりとり
・注文商品の確認
・リクエスト拒否または承認
・返送と返金方法の確認/連絡
・交換商品の在庫確認/在庫確保
・返送された商品の検品
・良品の場合は在庫に戻し、再販不可の場合は処分
・経理処理
次に、これらの作業を効率化することで実際に成果を上げている事例についてご紹介していきます。
事例
実際に返品マーケティングの成功事例を以下の3社ご紹介します。
- KIBACOWORKS
- One nova
- Nike
KIBACOWORKS

オリジナルアパレルやハンドメイドウッドを展開している、「KIBACOWORKS(キバコワークス)」さんは商品到着から7日以内であれば、無料でサイズ交換・返品が可能な「アパレル試着サービス」を実施しました。
効果は、導入後2ヶ月で購入率3倍・複数購入の増加を実現しました。また、さらに返品を訴求した広告では、CPAが半分になったという効果も出ています。
返品マーケティングを実施しても返品率が向上しなかったため、顧客に安心を与えて、購入率をあげることに成功しています。
One nova

アンダーウェアを販売するブランド「One Nova(ワンノバ)」さんは、「お客さんに自分に合うパンツを履いて欲しい」という想いから返品・交換を無料で行なっています。
自由度の高い返品ポリシーを持つことで、EC事業者の平均購入率が1%程度と言われている中で、2%の購入率を保っています。また、顧客満足度向上によりリピート率の向上も実現しました。
Nike

主にシューズを取り扱うグローバルブランド「Nike」さんは30日間返品無料という返品ポリシーを謳っています。
返品の際は紙に返品理由などを記載した上で自宅に佐川急便を呼ぶだけで返品が完了するため、自らがコンビニや郵便局に持っていく必要がありません。
これらにより返品による顧客体験の向上に繋がっています。
またResku(中古のNikeシューズなどを販売するECサイト)と提携し、返品された靴や開封済みの靴を再販売する取り組みを行っています。
返品業務をアナログで管理することになれば、一定の人員を割かなければ返品に対応できなくなってしまいます。
次の項目ではこれらを自動で行うツールを紹介します。
返品・交換を自動化できるツール「Recustomer」について

ここまで返品マーケティングについて解説をしてきましたが、返品マーケティングを行う際に返品ポリシーと同等に大事なものが返品ツールです。返品・交換業務の自動化は顧客体験の向上には必須になってきます。「Recustomer Return&Cancel」はCPA180%改善、購入率300%アップ、86%の業務自動化に繋げているツールです。
返品交換自動化ツール「Recustomer Return&Cancel」では主に以下の3つのことを行えます。
- 返品・交換の自動化
- キャンセルの自動化
- データ収集・分析
以上の3つをわかりやすく解説していきます。
返品・交換の自動化
Recustomer Return & Cancelは、返品・交換業務を自動化することで、「業務コストの削減」と「顧客体験の向上」を実現します。
事前に返品ポリシーを設定しておくことで、返品リクエストの承認・拒否を自動対応することができます。また、自動で在庫を参照し、交換商品をユーザー自身で選択、その後在庫引当も自動で行うことができます。
これらの機能により返品・交換業務の86%を自動化することに成功しています。
キャンセルの自動化
キャンセルを自動化することで、業務効率化はもちろん、土日にキャンセル対応が可能になったり、スムーズな購入体験を提供することができます。
実際にはキャンセルのリクエストを受けると、自動で配送ステータスを確認しキャンセルの承認・拒否を判断します。承認された場合は、自動で配送停止作業、返金作業を行います。
データ収集・分析
返品・交換データを収集、分析することでECサイトや返品率の改善、生産計画マーケティング施策、商品企画に活用することができます。
主に返品交換理由の統計・返品率、交換・返金割合の算出などを行うことが可能です。これらにより商品フィードバックを得ることや、返品業務の効率化につなげられます。
まとめ

返品・交換無料という一見企業にとってプラスに働かないと思われがちですが、実際はECサイトでは実物が試着できないという顧客の不安を解決することができ、結果的に売り上げ向上につながります。
ただ返品マーケティングには顧客思いの返品ポリシーとスムーズな返品作業が求められます。
返品マーケティングを行いたいと思ったEC担当者様はぜひ「Recustomer Return&Cancel」を利用してみてはいかがでしょうか?
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