株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)は、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+®(全国小売店パネル調査)をもとに、原油や原料費の高騰が続き日用消費財メーカーなどが商品の値上げを発表する中で、生活者がどのような影響を受けているのか、実際に購入をする店頭販売価格の値上げについて調査しました。

[ポイント]
・食用油関連が昨夏から大幅値上がり続く。3月は前年同月比キャノーラ油151%、サラダ油119%
・小麦関連も年始から値上がり傾向。3月は食パン107%、小麦粉は105%に
・砂糖、そば、レギュラーコーヒーなども昨夏頃から前年を上回り続けている
・台所用洗剤など生活雑貨は3月時点では動きはないが、一部商品は高付加価値化などで値上がり

図表1

食用油関連の店頭販売価格上昇が顕著。影響はマヨネーズ、マーガリンまで                               
原油や原料費の高騰が続き、昨年から値上げを宣言するメーカーが増えている中、実際に生活者が商品を購入する店頭販売価格はどのように変化しているでしょうか? 大きな値上げの動きが見えたのは食用油でした(図表1)。大手メーカー各社が2021年に4回の値上げに踏み切ったこともあり、昨年6月以降の店頭販売価格は大幅な値上がりが続いています。特に影響が大きかったのはキャノーラ油で、昨秋からは前年同月比で120%以上、今年3月に入ってからは151%にまで急騰しました。またサラダ油も昨年9月~12月は前年同月比120%以上が続くなど、高止まりとなっています。油を原材料に使うマヨネーズは昨年7月から10%ほど、マーガリンも昨年10月から5%以上高い状態が続くなど、食用油高騰の影響が見られました。

物価の優等生・食パン価格がついに値上がり。主食系の小麦粉、スパゲティ、そばなども                                  
近年安定した価格が続いていた食パンですが、輸入小麦価格の高騰などもあり、今年に入ってから値上がり感が顕著に見えてきました。2018年からの推移では1斤あたりの価格は133~134円とほぼ一定でしたが(図表2)、2022年1月は141円、2・3月は144円と値上がりの傾向が見てとれます。小麦粉も今年3月は105%となっていますが、3月9日に政府は輸入小麦価格の引き上げを発表し、過去2番目の高さになっただけに、今後も値上がり傾向は続くことが予想されます。他にも今年3月は主食系で、そばやスパゲティーが5%程度、店頭販売価格が上昇しています。

図表2

レギュラーコーヒー、砂糖10%程度上昇も、台所用洗剤などは値上がりが見られず                         
飲み物では巣ごもり需要で大人気だったレギュラーコーヒーが、今年3月に前年同月比111%を記録しました。昨年11月からでも107%、109%、107%,110%と高い水準となっています。砂糖も昨年6月頃から高止まりが続くなど、食品・飲料などで上昇傾向が見られています。一方で3月時点では台所用洗剤や紙おむつ、ティッシュペーパーなどの生活雑貨については、店頭販売価格の大きな変化は見られませんでした。ただシャンプー、バス用クリーナー、洗濯用洗剤、トイレットペーパーなどは、高付加価値のものや新商品が売れていることもあり平均価格が上昇しています。4月からメーカーが値上げを宣言している商品もあり、今後は幅広いカテゴリーで影響が出ることも予想されます。インテージでは今後も、生活に直結する店頭販売価格や生活者の行動変化にも注目して、調査を発表していきます。

図表3

「2021年、売れたものランキング」もあわせてご参照ください。https://www.intage.co.jp/news_events/news/2021/20211208.html

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使用したデータ/関連プラットフォーム
【SRI+®(全国小売店パネル調査)】 https://www.intage.co.jp/service/platform/sriplus/
国内小売店パネルNo.1※1 のサンプル設計数とチェーンカバレッジを誇る、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店など全国約6,000店舗より継続的に、日々の販売情報を収集している小売店販売データです。
※SRI+では、統計的な処理を行っており、調査モニター店舗を特定できる情報は一切公開しておりません
※1 2022年4月現在

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