
この記事の目次
ARとは?
AR(Augmented Reality:拡張現実)とは、スマートフォンやARグラスなどを通して、現実の風景にバーチャル映像を重ねて表示する技術のことをいいます。比較的簡単に実現できる技術であるため、ECをはじめさまざまなシーンで利用が進められています。
VRとの違いは?
ARに似た技術でVRがあります。VR(Virtual Reality:仮想現実)は、VRゴーグルを着用し、CGで作られた仮想の世界に没入する感覚を味わえるもので、現実の風景に情報を加えるARとは異なります。
ECサイトにARを取り入れるメリット
ECサイトにARを取り入れるメリットとして次のようなものが考えられます。
商品をリアルに体験できるようになる
ARを導入する最大のメリットは、実際に商品を試すことができないというECの最大の弱点に対して、試用体験を提供できることです。
ARを使えば、自宅で家具を試し置きしたり、ファッションアイテムをバーチャル試着したりすることができます。商品の色味やサイズ、すでに持っているアイテムとの相性など、ECで購入する際に不安になりがちなポイントをARで確認できるので、購入率のアップにもつながります。
サイズ違いによる返品を減らせる
家具やファッションアイテムは、サイズが合わなければ使うことができず、返品することになってしまいます。返品が発生すると、返送や返金、再在庫にコストが掛かり、EC運営の負担になってしまう上、ユーザーに残念な体験をさせてしまうことになります。ARをうまく活用することで、サイズのマッチ率を高め、返品を減らすことができるでしょう。
ARを導入するのに役立つサービス
ARの導入にあたって、役立つサービスはいくつかあります。代表的なものとして、RITTAIがあげられるでしょう。ニッセンやオーディオテクニカなどの大手企業も利用しているサービスです。
RITTAIはAR機能により、商品購入を検討しているユーザーが、商品を自宅や配置予定の場所で「サイズやカラーがマッチするか」を確認することが可能です。それにより、CVRの向上や顧客単価の向上を実現します。また、購入後のサイズ・カラーのミスマッチが発生しづらくなるため、返品率改善の施策としても有効です。
EC運営に精通したスタッフがAR導入を無料で支援・サポートしてくれるのも安心できるポイントでしょう。
ECサイトでの活用方法と事例
ECサイトでARを活用するシーンとして大きく次の3つが考えられます。
- バーチャル試着
- インテリア・家電のバーチャル配置
- 購買強化
それぞれ、活用事例を見てみましょう。
バーチャル試着
アパレル商品の購入時には、サイズや色味、素材感、手持ちの服と合うかなど、事前に購入したいことが多くあります。ARを使って購入前に試着ができることで、より納得して購入できるユーザーが増えることでしょう。売上アップ、返品の減少にも効果が期待できます。ここでは化粧品、腕時計、靴をARで試着できるサービスをご紹介します。
ロレアル

化粧品を販売するロレアルは、ライブカメラもしくは写真を使ってメイクの試着ができるサービスを提供しています。自宅で試すことができるのはもちろん、メイクを試すときには、アイテムごとにメイク落としをしなければなりませんが、その手間をかけずに次々と試着ができるのが魅力です。SNSでシェアして友人や家族の意見を聞くこともできるようになっています。
KARITOKE

KARITOKEはブランド腕時計を月額3,980円〜(税抜)という価格で楽しめる腕時計のレンタルサービスを提供しています。40ブランド1,000種類以上の商品がAR試着の対象となっており、サイズや服のコーディネートとの相性を確認できます。AR機能の利用にあたっては専用アプリの他に、店舗等で配布している専用メジャーが必要です。
ZOZO

ZOZOが運営するファッション通販サイト「ZOZOTOWN」では、期間限定(2021年9月11日〜22日)でAR試着サービスが公開されました。対象となったのは、「ZOZOTOWN」上の靴専用モール「ZOZOSHOES」内で販売されたadidasの16型のシューズです。スマートフォンを足にかざすだけで試着ができ、レザーの光沢感や繊維の編み目等、シューズの素材感を体験することができました。
インテリア・家電のバーチャル配置
特にAR機能の提供が盛んなのはインテリアや家具のバーチャル配置の分野です。大型のインテリアは店頭やECサイト上で見るだけでは、実際に使用するイメージがつきにくいアイテムです。自宅でコーディネートとの相性やサイズを確認することで安心して購入できます。
IKEA

北欧家具を販売するIKEAは、「KEA Place」というバーチャル配置アプリを提供しています。原寸大の3Dモデルを仮想的に自分の部屋に置くことができ、購入を検討している商品のサイズやデザインを確認できるだけでなく、新たな商品を見つけるきっかけにもなるでしょう。
ニトリ

家具を販売するニトリでは、店舗と自宅の両方で活用できる「ニトリアプリ」の中で、ARを使った機能を展開しています。購入した家具を配置予定のスペースや、設置したいアイテムなどを撮影すると、ARメジャーでサイズ計測をしたり、撮影した写真にサイズやメモを残したりすることができます。バーチャル配置ではありませんが、買い物がしやすくなるAR機能となっています。
ビックカメラ

ビックカメラは人気の48アイテムにおいて、実物大の表示シミュレーションができるARアプリを提供しています。サイズをイメージしにくい大型家電や、デザイン性の高いアイテムで重宝するアプリです。
利用方法は、専用のアプリをダウンロードし、試したい商品のQRコードをスキャンすると、AR表示用のマーカーの上に実物大のアイテムが表示されるようになっています。AR表示用のマーカーはビックカメラのポイントカードが指定されています。
Amazon ARビュー
Amazonは「Amazonショッピングアプリ」上でスマートフォン画面に商品を映し出す「ARビュー」という機能を提供しています。アプリでARビュー対象商品の商品詳細ページを開き、「部屋に表示」をタップすると、実物大の商品が表示されます。商品を360度見回したり、配置場所や向きを変えたりして、利用イメージをふくらませることが可能です。
購買強化
ECサイトにARを取り入れる3つめのシーンは販売強化です。ここでは紙面のカタログをAR表示し、商品をイメージしやすくした事例をご紹介します。
日本直販

トランスコスモスが運営する「日本直販」という通販ブランドでは、カタログの紙面と連動するARアプリ「日本直販ARアプリ」が提供されています。ARカメラでカタログの紙面を映すとARが視聴できます。さらにその場で購入できるショッピング機能も備えています。紙面とEC、ARを組み合わせた取り組みです。
国内外の事例・実際の効果・導入プロセスなどもっと詳しく知りたい方は下記の資料をご覧ください。
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おわりに
ARを取り入れたECサイトをご紹介してきました。それぞれ機能や使い方の違いはありますが、よりリアルに商品を体験し、使用感や購入後の様子をイメージできるようになっています。ARによって、ECの手軽さに店舗のような体験を加えることで、商品プロモーションの幅が広がり、売上アップにもつながることでしょう。
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