
この記事の目次
商品撮影の高効率化を実現する3つ方法
リユースや中古商品ならではの撮影について言及する前に、まずはどの商材にも共通して効率化できる商品撮影の方法についてお話いたします。
商品カテゴリーに応じたブースの構築
多くの企業は、撮影ブースを1つもしくは2つで商品撮影を行っています。そこで、生まれる課題は、撮影の効率化や撮影品質の向上です。
全く別の問題のように感じる効率化と品質の向上はどちらもインフラを整えることで解消できる可能性があります。そのインフラというのが、商材に応じたブースの構築です。
商材に応じたブース構築は、ライティングの最適化に加え、撮影角度や撮影方法に適切な自由度が与えられるため、狭くて撮影がいしにくい、ライティングが遠くて質感がうまく出せないなどの問題が生まれにくくなります。
結果として、カメラマンができる最高効率で撮影ができ、品質も担保できる環境となるのです。そのため、特に扱っている商材が多い事業者は、撮影ブースを1つ2つで済ませずに、取り扱っている商品カテゴリーに合わせて用意するといいでしょう。
撮影ルールの明確化
撮影ルールの明確化は、企業内での撮影に再現性を高めることができる唯一の方法です。そのため、多くの企業で実施されていますが、細かい部分が曖昧な企業も多いです。
ルールの設定がない、もしくはルールの設定が曖昧な撮影には自由度が生まれ、再現性が低くなります。面倒ではありますが、色や素材、商品の幅や高さ、撮影方法、撮影距離、ライティングの距離と強さなどは指示書に明確に記すことで、初心者でも再現性のある撮影ができる環境を構築できます。

カットごとに商品のどこの魅力を引き出しているかを理解する
最近では、1商品あたりで掲載するカット数の増加傾向により、魅力を伝える画像を増やすのではなく、画像を増やすことそのものが目的になっている会社が多くなってきています。
このカットは商品のどんな魅力を引き出す画像なのかを理解せず、何となくカット数をふやしているEC担当者がいることは紛れもない事実です。
商品の魅力を完全に理解しているマーケティング目線を持ったEC運営者がいるチームは一枚一枚の画像が意図している効果を十分に理解しているため、無駄なカットがなく、「なぜこのカットが必要なのか?」という問いに自信を持った答えを持ち合わせています。
ここまではどの商材でも実施できる商品撮影の効率化についてお話しました。次からは、リユースや中古商品ならではの撮影時におさえておくべきポイントを解説します。
リユースの商品撮影時に重要視すべき4つのポイント

ライティングに妥協しない
リユース業では、撮影インフラが整っているようで整っていない企業が多いです。組み立て式の撮影ボックスのみでライティングを組むと、撮影クオリティは、初心者でも撮影できるクオリティに留まります。大目に見ても、プロクオリティとはいえないです。
そこで現環境を大きく変えないで、撮影クオリティを撮影段階で上げる方法として、ライティングへのこだわりを推奨します。
簡単にいえば、自由度の高い明るいLEDライトを足す。これだけで品質に大きな差が生まれることは間違いありません。
スマホで撮影しない

ライティングを整えた上で、実施してほしいのは、一眼レフカメラ(ミラーレス含む)で撮影することです。スマホでも一眼レフカメラ並みの撮影クオリティは出せるのですが、細かい調整ができないため、表現には限りが出てくるのと、プロクオリティには届きません。
そこそこの画像を早く撮影できればいいというのであれば、これ以上言うことはないのですが、少しでもクオリティをプロのレベル(誰が見てもキレイと思えるクオリティ)に持っていくにはスマホでは物足りないのは事実です。
自由にアングルを変えられる環境を構築する
リユースの撮影には新品の商品とは違い、「商品の状態が把握できる画像」が求められます。その商品の状態(傷や汚れなど)を的確に捉えるためには、微細なカメラアングルの調整が必要になるからです。撮影ブースが狭い場合や箱型のブースでアングルが限定される場合だと、クオリティや表現方法が限られてくるため、撮影したい画像が撮れないケースもあります。
商品状態を把握するための画像を撮影する適切なブースは、被写体の約3倍の広さを持つことが理想です。背景紙を引く場合でも、撮影ボックスを使用する場合でも、3倍の広さを目安に構築していただくことをおすすめします。

なぜそのカットが必要なのかを理解
「なぜそのカットは必要なのか?」この問いに躊躇なく答えを言える人に、私はほとんど会ったことがありません。
必ずしも“事業者側が見せたいカット”と“消費者側が見たいカット”が一致するわけではありません。大事なことは見せたいカットは消費者の潜在意識と購買意欲に直結するものかどうかです。消費者は意外にもどの部分が購入の決め手になるかを把握していないため、その潜在ニーズを的確に捉えた画像を提供できれば、購買意欲はグッと高まるでしょう。
効率化を進めた先にある効果
リードタイム短縮による、機会損失0
リユースやEC業界は、慢性的な時間不足です。人手が不足していることも関係していますが、実務が多すぎるのと、成長に組織体制が追い付いていかないのが現状です。
その時間不足によって大きな問題として出てくるのが、「機会損失」です。あなたのチームは機会損失を出していないと言い切れますか?機会損失が起こっているとしたらどこの業務を改善すれば機会損失が0に近づくか認識していますか?
機会損失が起こる原因の一つに商品撮影、画像編集の遅延があります。撮影関連業務を改善していけば、2倍から3倍の時間が生まれることがわかっています。
機会損失0による、売上アップ
機会損失が0になることで、恩恵を受ける部分は大きく分けて2つ。
- 現場担当者の心の余裕(精神的な負担)
- 組織の売上
意外にも、撮影関連業務の改善と売上UPが直結することを理解できていないのです。先述した通り、撮影・編集のアナログ業務を改善するだけで、2倍以上の時間が生まれることがわかっています。
業務改善により浮かせた時間を、マーケティング(SEOや広告、バナーやユーザーの動向、行動のチェック、SNS、メルマガ等)に使って、タッチポイントを増やして効率よくPRする仕組みを整えたり、新規事業や新ブランド、新サイトの立ち上げなど、新たな収益軸を作る時間にも当てたりと、時間があれば今までできなかったことが、人を増やさずにできるようになります。
適材適所で活躍できる場とやりがいを提供
現場に余裕ができれば、今までやむを得ず割り当てていたスタッフも適材適所で活躍できる土台が出来上がります。
- カメラが得意=イメージカットやモデルカットなどに注力し、コンテンツの質を上げる
- マーケティングが得意=ECサイトやマーケ施策に注力し、売上のボトムアップ
- ECサイトの運営が好き=新ブランドの立ち上げを任せる
- マネジメントが好き=より働きやすいチーム・組織になるよう仕組化づくりとスタッフのケア
投資すべきことに投資できる

売上がアップすれば、さらなるボトムアップに向けて投資すべきところが自然と見えてくると思います。人材か、事業か、インフラか、仕組みか、適切な場所に適切な投資をすることで事業は拡大するため、末端業務である商品撮影と画像編集のインフラを整えてみてはいかがでしょうか。
選択肢の1つとして、自動撮影システムへの投資があります。自動撮影システムは、たった5秒で商品撮影と同時に背景切り抜き(白抜き)を自動で行い、任意の形式、サイズ、名前、出力先に格納できます。
個人ではなく会社に撮影、編集ノウハウが溜められるため、入社1週間の撮影初心者がプロクオリティを即再現することも可能になります。
ご興味を持っていただければ嬉しいです。
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