食品ECで欠かせない鮮度維持・在庫管理を行うには?『ワッフル・ケーキの店 R.L(エール・エル)』の取り組みとは
インタビューの概要

2021年に創業30周年となる『ワッフル・ケーキの店 R.L(エール・エル)/(以下、エール・エル)』は1991年に兵庫県から始まったワッフルケーキの専門店です。百貨店やショッピングセンター・駅施設など実店舗の窓口を全国各地に展開しており、オンラインの通販サイトは自社ECサイトやECモールを合わせて9店舗構えています。

通販で、生菓子であるワッフルケーキを鮮度の良い状態でお届けするための工夫やシステム面などのバックヤード業務についてブランドを運営する株式会社新保哲也アトリエSales Group部長の疋田龍一さんにお伺いしました。

記事は前半・後半の2部構成となっています。後半では30周年を迎える上で行っているエール・エルとしての新しい取り組みについて紹介いたしますので、合わせてご覧ください。

鮮度を保ち生の食品をお届けする工夫

――エール・エルではクリームやフルーツの入った商品を販売しているため、鮮度や賞味期限など注意しないといけない点が多いかと思います。商品を届けする上での工夫について教えていただけますか?

疋田さん:通販事業を始めた当初、作った商品はすべてそのまま冷蔵でお届けしていました。賞味期限は作った日の翌日なので、発送すると到着当日が賞味期限の日になってしまうことや送り先が遠方の場合、そもそも賞味期限の日までに到着できないということもありました。その後、冷凍でお届けできるよう、何年にもわたり研究開発を進めたことでこの課題を解決しています。

冷蔵の状態で翌日に到着していた頃と比べて、製造後すぐに急速冷凍している今の状態の方が確実に美味しくなっています。しかし、冷凍でお届けすることで出てくる課題もあります。それは対応してもらえる配送会社さんが限られてしまうことです。

そもそも冷凍だと対応いただけなかったり、トラブルが発生して改善が難しかったりと色々な問題が起きました。冷凍に関する配送は今ではヤマト運輸さんにすべてお願いしています。また、冷凍品という商品の特性上、暑い夏の日など品質を維持することが難しい場合を考慮して、多少コストがかかったとしても美味しい状態でお届けするために保冷力の高い梱包を行っています。

全商品冷凍化で鮮度維持と在庫管理の両輪が回る

――生ものの味や鮮度を落とさずお客様にお届けするのは、食品を扱う多くの事業者様にとって課題となっていることではないでしょうか。商品開発によって品質を落とさず冷凍できるようになったことや配送会社との連携、梱包資材や保冷剤の用意など苦労を乗り越えて今に至ったかと思います。味を落とさずに冷凍で販売できることで、通販のみならず店頭での販売に良い効果が出たのではないでしょうか?

疋田さん:今は店頭での販売を含めて、鮮度を保つためにすべて冷凍で商品を扱っています。そのため、冷蔵の状態と比べて賞味期限が長くなり、在庫の管理がしやすくなりました。

販売をするにしても店頭とウェブでそれぞれメリット・デメリットがあります。例えば、母の日のギフトとして買っていただく場合、店頭ではイベント当日まで販売できますが、販売できる数は店頭に置いてある数のみです。

一方、ウェブではお届けするリードタイムを考えるとイベント当日まで販売することは難しく、また新商品を販売するにしても撮影など商品ページを作成する作業が発生するため、買えるようになるまで時間がかかります。その代わり、ウェブであれば早い時期から注文を受けることで在庫をコントロールしやすく、食品ロスが起きづらい体制を構築できます。

実店舗とウェブでバランスよく販売できるように、商品ごとに売れ行きを見て在庫を配分しています。最終的にイベント当日は店頭販売の売れ行きがとても伸びる傾向にはありますが、食品ロスのリスクが高まることもあり、ウェブと実店舗のどちらの在庫も合わせて管理し、早い者勝ちで買っていただくようにしています。

以前は店舗ごとに在庫を管理していたのですが、その当時から他社と比べても食品ロス率は低く、3%ほどで推移していました。ここから今は20種類以上の商品を常時並べていても1%未満のロス率に抑えることができています。

既存ツールの活用で低価格かつ高品質な社内システムを運用

――食品ロス率を1%未満に抑えられているのは同ジャンル内で比較する場合、著しく低い数字のように思います。食品ロス率を減らすにあたって、リアルとウェブの連携、ウェブ内でも複数あるネットショップの連携が必要不可欠かと思いますが、どのように管理しているのでしょうか?

疋田さん:以前は店頭在庫や倉庫内の在庫がシステム化されておらず、全体で各商品にどの程度の在庫があるのか把握できていませんでした。今ではシステムを導入したことで在庫の数だけでなく、製造スケジュールなど、いつまでにどの商品の在庫がどの程度あるかまで可視化できるようになっています。

システム導入によってデータを一元管理する際、販売管理システムなど基幹システムを土台に考えることが基本ですが、当社の場合はエクセル管理で基幹システムがなかったため自由にシステムを選択できました。

実は当時、数千万円かけて基幹システムを作っていたところでしたが、運用やアップデートにかかる先々のコストを考えたときに、最低のコストで今あるツールを組み合わせて実装した方のメリットが大きいと判断し、システムを作ることは辞めました。

ウェブで展開している多店舗管理は『クロスモール』を、POSレジとして実店舗の販売管理には『スマレジ』を、スマレジとクロスモールの連携を行うために『One's Closet(ワンズクローゼット)』を活用しています。

『クロスモール』は連携する店舗の数によって月額利用料が固定になっているため、当社の販売形態に合っています。1日1万件以上注文を受けることもあるため、出荷件数ごとの従量制で課金となると費用対効果が悪くなってしまいます。また、『スマレジ』はUI(ユーザーインターフェース)がとても見やすく、店頭のスタッフからの評判も良いです。システムは現場が使いこなしてこそ、価値が発揮されますので、そこも意識して選定しています。

スマレジとクロスモールを繋ぐためには、本来カスタマイズが必要になりますが『One's Closet』であれば億近いお金をかけて基幹システムを構築することなく、ウェブと店頭のデータを一元化できるようになるんです。

ウェブも店頭も合わせた形で販売データを確認できるため、ウェブの店舗もあくまで実店舗の内の1店舗として扱って、全体のトレンドを分析できるようになっています。数年前ですと、あり物のツールを使ったとしてもカスタムに伴う費用がある程度発生していました。しかし、今は痒いところに手が届くツールが増えていることもあり、カスタムせずに運用できているため、良い時代になったと感じます。

インタビューを通して:システムの一元化からお客様のお手元に商品を届けるまでの課題を乗り越えて

オンラインとオフラインを合わせて多数の店舗を運営しているエール・エルにとって、システム化は欠かせない課題だったかと思います。既存のツールを活用することによって、基幹システムを開発・運用・保守することと比べると膨大なコスト削減につながっています。また、既存のツールを活かすことは、時代に合わせたアップデートを社内で都度行う必要がなく、月々の利用料の中で行われます。

常に新しい状態のツールによって支えられる盤石なバックヤード体制により、良い状態の商品を適切な販路へ振り分けられる仕組みが整っているように感じました。いわゆるDX(デジタルトランスフォーメーション)が囁かれる昨今、こういった形で仕組みを整え、業務を改善する事業者様はますます増えていくでしょう。

冷凍配送によって品質を保って美味しくお届けしているエール・エルのワッフルをぜひ注文してみてはいかがでしょうか?

ワッフル・ケーキの店 R.L(エール・エル)

■ブランドサイト
https://www.rl-waffle.co.jp/

■通販オンラインショップ
https://www.rl-waffle.co.jp/f/online

合わせて読みたい

コマースピックLINE公式アカウント