
2021年に創業30周年となる『ワッフル・ケーキの店 R.L(エール・エル)/(以下、エール・エル)』は1991年に兵庫県から始まったワッフルケーキの専門店です。百貨店やショッピングセンター・駅施設など実店舗の窓口を全国各地に展開しており、オンラインの通販サイトは自社ECサイトやECモールを合わせて9店舗構えています。中でも楽天市場には出店して19年が経ち、スイーツ・お菓子ジャンルの初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを獲得した実績を持っています。
専門学校や大学との産学連携により、学生が輝ける舞台を用意したり、楽天市場で新しく始まったライブコマース機能をいち早く活用したり、新しい道を切り拓きながら成長してきました。
前半の記事ではシステム面やお客様に商品をお届けするところまでのお話を伺いましたが、こちらの後半の記事ではエール・エルとしての新しい取り組みについて株式会社新保哲也アトリエ Sales Group部長の の疋田龍一さんにお伺いしていきます。
この記事の目次
ライブコマースを成功させるコツとは?
――2021年9月頃から、楽天市場で新しくライブコマースを始めました。スーパーSALEの期間にエール・エルも対象店舗として配信していましたが、そのときの状況を教えていただけますか?
疋田さん:当社は元々、社長の新保が一級建築士事務所として立ち上げましたが、「アトリエ」という名の通り、建物の設計だけにとどまらず、家具やインテリア、さらには食器やその上に乗せる食べ物まで、衣食住すべてをデザインしたいという想いが背景にあります。そういった観点から、最先端の技術やトレンドには敏感で、新しい技術やツールなど積極的になにごとにも挑戦していこうという考え方をしています。
動画の配信は、「#おうち時間にエール!」という企画など、YouTubeに動画をアップしていたこともありましたので、楽天さんから「ライブコマースを刷新しようと思っているので、やってみませんか」と提案を受けたときは、二つ返事で快諾しています。

疋田さん:ECモールの場合、au PAY マーケットさんのライブコマースであるライブTVに参加したことがありました。こちらもau PAY マーケットさんからお声がけいただいて、ハロウィンのタイミングに特集を組んでいただきました。ライブTVの場合は、au PAY マーケットさん側でプレゼンターを立てるため、楽天さんとは異なって当社の社員が商品をプレゼンはしない形になります。
楽天さんの楽天ライブショッピングでは、当社の長澤と原田がプレゼンターとして配信を行いました。進行や構成は私たちが自分たちで考えるため、コメントが来ない場合のことも想定して入念に準備をしました。集客面もLINEやTwitterなどのオンラインだけでなく直接店頭でお客様に声がけをしたり、身内に宣伝をしたりすることで、結構な人数の方に来ていただけました。配信中に継続的にコメントを頂くこともでき、盛り上がっていました。
今回の配信を通して、食品の場合は写真など静止画から伝えられる情報量の少なさを感じました。実際に食べている人の表情やコメントが視聴者にダイレクトに響いたと思います。また、商品をよく知る自社の社員が配信した内容だったからこそ、伝えられた魅力や購入の後押しができた要素もあるでしょう。
以前のau PAY マーケットさんでの配信経験なども活かし、「どのようにすればお客様に商品の魅力を伝えられるのか」という視点で企画を考えられたと思っています。また、配信終了後にはすぐに振り返りに機会を設けて、今後さらに改善できる点の見直しをおこなっています。
産学連携によって拓く未来への扉
――自前でライブ配信をするのは集客面や企画・進行面など、準備に時間がかかる一方で、商品の魅力をライブ配信で伝えられる点は今までの静止画のみの訴求とは一線を画す施策になってくるでしょう。楽天ライブショッピング以外にも、30周年を迎えるにあたって新しい取り組みを行っていると伺いました。具体的な取り組みを教えていただけますか?
疋田さん:エール・エルは2021年12月1日に30周年を迎えます。お客様への感謝の気持を込めて、「さぁ、30年。トンネルの先で待っている見たことのない未来へ」をテーマに新しい取り組みを増やしています。その取り組みの1つとして産学連携をキーワードに製菓学校や地域の大学とイベントを行っています。
学校と一緒に取り組みを行う場合、タダで学生の手を借りて何かをしてもらうという考え方ではいけません。学校は授業の一環として教育につながることであれば、一緒に取り組みを行っていただけることが多いので、お互いの気持ちがすれ違わないことが肝心です。
新型コロナウイルスの影響で学生の活躍する場が減っているという問題がありました。当社としても古い考え方に固まらず新しい若い力と一緒に進んでいこう!という思いが強くあったため、エール・エルを通じて未来に向けた機会に少しでも実を結べるように企画を進めていきました。今回は当社が行った2つの学校との取り組みについてお話できればと思います。
大学との取り組み
疋田さん:まず、神戸市内にある流通科学大学との取り組みについてお話します。大学と連携をする場合、ゼミや教授など比較的小さいまとまりで動いているため、取りまとめをしている方とのコミュニケーションが必要になります。
今回は大学側から依頼をいただいて、流通科学大学主催の『神戸学生イノベーターズグランプリ(通称:I-1グランプリ)』にメインテーマとして取り扱っていただくことになりました。近隣の大学や高校から約190名が参加し、「時代の変化に適応した新しいスイーツ・ビジネスを考えよう!」というメインテーマに沿って、ブランディングや集客、商品開発など様々な切り口のアイディアを提案してもらいました。
最終的に、グランプリを受賞したチームのアイディアを元に、新商品のパッケージとして実用化に向けて動いています。

専門学校との取り組み
疋田さん:大学以外にも専門学校とも取り組みをしています。専門学校の場合は、大学とは異なって校長先生が主体となり、産学連携の承認をいただく形になります。私が大阪市内にある上田安子服飾専門学校の副校長先生と親交があり、「店舗ユニフォーム デザインコンテスト」を進行しています。
また、上田安子服飾専門学校の副校長先生にご紹介いただき、同じ大阪市内にある辻製菓専門学校とも取り組みをしました。「プレミアムワッフルの商品開発」をテーマに学生が2人1組でチームになって、全60品の提案がありました。最終的に6商品まで絞り込まれ、選ばれた商品案をもとに、当社の開発チームが商品化に向けて動いています。

――自分たちが考えた商品が実用化されることは学生視点で考えると非常に嬉しいことだと思います。また、学生との取り組みは若いアイディアに触れるきっかけにもなりますし、もしかしたら採用につながるきっかけにもなりそうですね。絶えず新しい取り組みを続けるエール・エルですが、今後の展開について教えていただけますか?
疋田さん:30周年の節目でリブランディングをテーマにしています。海外への展開などウェブに軸足を置いた販売戦略で新しいお客様と出会っていきたいです。店頭でお客様と接点を持てる強みを活かしながら、ウェブと実店舗の垣根を取り払う形で、相互に売上を伸ばせるような関係性とシステム構築をしていこうと思っています。
インタビューを通して:常に改善、常に前進しながら新しいことに取り組む
新しいことを始めるということは、今までやってきたことが変化するということです。会社という組織で動く以上「今までのやり方で上手くいっていたから、そんなことやらなくてもいいのでは?」という声が上がることもあり得るでしょう。しかし、絶えず新しいことに取り組み、絶えず前進している会社では、変化をすることが当たり前であり、その変化を楽しめる体質ができるということを、お話を通して感じました。
毎月新しいラインナップのワッフルでお客様をお迎えするエール・エルの商品をぜひご覧になってみてはいかがでしょうか?
ワッフル・ケーキの店 R.L(エール・エル)
■ブランドサイト
https://www.rl-waffle.co.jp/
■通販オンラインショップ
https://www.rl-waffle.co.jp/f/online
■30周年特設サイト
https://www.rl-waffle.co.jp/s/30th/30th.html
合わせて読みたい