
株式会社エルテックス(本社:神奈川県横浜市保土ヶ谷区、代表取締役社長:森久尚氏)が、EC・通信販売事業に従事する関係者を対象とした実態調査「通販事業者のECシステムと通販システムの利用実態」の2026年版を公表しました。
調査から明らかになったポイント
今回の調査を通じて、ECシステムと通販業務を異なるシステムで運用する際の課題は、システム同士の"間"に生じる負担として顕在化していることが明らかになりました。
同一のシステムで運用している場合、「顧客情報の一元管理」「二重入力や手作業の削減」「受注・在庫・出荷情報のスムーズな連携」といった、情報や業務を連結することによる効果が上位に挙がっています。
その一方で、別々のシステムで運用している場合には、「二重入力・手作業」「データ連携の不具合やタイムラグ」「受注・在庫情報の連携の手間」など、システム間を接続する箇所で生じる負担が上位となっています。
このようなシステムの分断は、マーケティング部門では改修・保守コストとして、オペレーション部門では作業負担として、情報システム部門では連携品質の問題として、職種ごとに異なる形態の課題となって現れている点も特徴的です。
ECシステムと通販業務システムの利用状況
ECシステムと通販業務システム(電話・FAX・ハガキ等の受注管理、コールセンター業務、顧客管理等)を「別々のシステムで運用」している通販事業者は49.7%で最も多く、「同一のシステムで運用」しているのは33.3%でした。
年商規模別に見ると、年商100億円以上の企業では、別システム運用が60.9%と全体平均を11.2ポイント上回っており、統合運用は28.3%にとどまっています。

同一システム運用で実感されるメリット
同一のシステムで運用している場合の効果・メリットとして、全体では「顧客情報を一元管理できている」が67.0%で最も高く、続いて「二重入力や手作業が少ない」が54.0%、「受注・在庫・出荷情報の連携がスムーズ」が47.0%となっています。
職種別に分析すると、マーケティング部門では「顧客情報の一元管理」が75.8%、オペレーション部門では「情報連携がスムーズ」と「二重入力や手作業が少ない」がともに66.7%、情報システム部門では「顧客情報の一元管理」が65.1%で最も高い結果となっています。
同一システム運用のメリットは、単にシステムを一つにすること自体ではなく、「情報を統合する」「作業を軽減する」「業務を接続する」ことに強く表れました。顧客情報の一元管理に加えて、二重入力・手作業の削減、受注・在庫・出荷情報の円滑な連携が上位に並んでいます。
また、職種によって評価する観点には明確な相違が見られます。マーケティング部門では顧客情報の一元管理、オペレーション部門では情報連携や手作業の削減が特に高く、同じシステム統合であっても、部門ごとに実感するメリットが異なることが明らかになりました。
なお、「新しい施策や販売チャネル追加がしやすい」は全体として相対的に低く、統合の効果は新たな施策への拡張性よりも、まず現在の業務を正確かつ効率的に回すことに強く認識されていることがうかがえます。

別システム運用における課題
別々のシステムで運用している場合の課題としては、全体では「二重入力の手間や手作業が発生している」が45.6%で最も多く、続いて「データ連携の不具合やタイムラグがある」が37.6%、「受注情報・在庫情報の連携に手間がかかる」が34.9%となっています。
職種別では、マーケティング部門は「システム改修・保守コストが高い」が45.8%、オペレーション部門は「二重入力」が55.4%、情報システム部門は「データ連携の不具合やタイムラグ」が51.1%が最大の課題として挙げられています。
別システム運用の課題は、システムそのものの機能不足よりも、システムとシステムの"間"で発生する負担に集中しています。二重入力・手作業、データ連携の不具合やタイムラグ、受注・在庫情報の連携などが上位となり、システム間を接続する作業や運用が負担になっていることがうかがえます。
さらに職種別では、マーケティング部門は改修・保守コスト、オペレーション部門は二重入力・手作業、情報システム部門はデータ連携の不具合やタイムラグを最大の課題として挙げています。同じ「システムの分断」が、マーケティング部門にはコスト、業務部門には作業負担、情報システム部門には連携品質の問題として現れている点が特徴的です。
一方、「新しい施策や販売チャネル追加に時間がかかる」は相対的に低く、将来の拡張性よりも、日々発生する入力・連携・保守といった足元の運用負担のほうが、課題として強く認識されている結果となりました。

統合運用と別システム運用の対比
回答結果を対比すると、統合運用で評価されている効果と、別システム運用で認識されている課題は、相対する傾向が見られました。
顧客・データ管理の観点では、同一システムでは「顧客情報を一元管理できている」が67.0%である一方、別システムでは「情報連携に手間がかかる」が34.9%となっています。
受注・在庫・出荷連携の観点では、同一システムでは「情報の連携がスムーズ」が47.0%である一方、別システムでは「情報連携に手間がかかる」が34.9%となっています。
入力・作業負荷の観点では、同一システムでは「二重入力や手作業が少ない」が54.0%である一方、別システムでは「二重入力や手作業が発生」が45.6%となっています。
改修・保守の観点では、同一システムでは「改修・保守がしやすい」が39.0%である一方、別システムでは「改修・保守コストが高い」が33.6%となっています。
部門間連携の観点では、同一システムでは「部門間で情報共有しやすい」が30.0%である一方、別システムでは「部門間で情報共有しにくい」が18.1%となっています。
調査実施概要
調査エリア:全国
調査対象者:楽天インサイト保有の調査パネル(ビジネスパネル)より、年商規模1億円以上(1~10億円未満:68、10~100億円未満:186、100億円以上:46)の通販事業に携わる以下の職種の会社役員、社員、派遣社員、個人事業主
- マーケティング・広告・宣伝
- 業務(受注、決済、配送、その他の業務)
- 情報システム
調査方法:ネット方式によるアンケート調査
調査期間:2026年7月2日~6日
回収サンプル数:300(調査対象者 マーケティング:100、業務:100、情報システム:100)
調査主体:株式会社エルテックス
調査実施機関:楽天インサイト株式会社
株式会社エルテックスについて
株式会社エルテックスは、ECサイト構築および通販システム構築・支援を主要事業として展開している企業です。本社は神奈川県横浜市保土ヶ谷区に位置し、代表取締役社長は森久尚氏が務めています。
1985年12月14日に設立され、資本金は1億円、売上高は37億円、従業員数は152名(内技術職115名)となっています。
ISO9001(QMS)、ISO/IEC 27001(ISMS)、ISO/IEC 27017(ISMSクラウドセキュリティ認証)、JIS Q 15001(プライバシーマーク)などの認定を取得しており、電気通信事業者としても登録されています。また、健康経営優良法人2026(大規模法人部門)、横浜健康経営認証「クラスAAA」、横浜市SDGs認証制度「Superior(スーペリア)」、かながわSDGsパートナー(第7期)にも認定されています。
主な事業内容は、EC/通販システム構築・支援事業、データセンター事業、メール配信事業、商品情報管理システム事業、運用支援事業などとなっています。
出典元:株式会社エルテックスによる調査

















