
株式会社クロス・マーケティングが、全国47都道府県に在住する20~69歳の男女1,200人を対象とした「消費動向に関する定点調査(2025年10月)」の結果を発表しました。この調査は、消費者の暮らしの現状を所得・消費・行動の観点から過去と比較し、景気動向判断のための基礎資料を得ることを目的に年2回(5月・10月)実施されているものです。
今回の調査は、47都道府県すべての最低賃金が時給1,000円を超え、大阪・関西万博が閉幕し、日本初の女性首相による高市内閣が発足したばかりの2025年10月22日~24日に実施されたとのことです。調査内容は生活実態や消費動向の推移、景況感・消費予測、ポイント活動の状況などとなっています。
生活実態・消費動向の推移
同社の発表によると、生活実態DI値の調査結果では、「睡眠時間」と「自宅で過ごす時間」は前年同期と比較して6ptの低下が見られたとのことです。特に「自宅で過ごす時間」については、2009年5月の調査開始以降最も低い数値を記録しています。また「趣味に費やす時間」は4pt、「自分で自由に使える時間」は3ptとそれぞれ前年同期より低下しています。
一方、労働時間、給与所得、預貯金、食費、おこづかいなどのその他の生活実態DI値については、前年同期と比較して大きな変動は見られなかったようです。生活実態で上昇したDI値がなく、単に安らぎの時間が減少していると推察されています。

消費動向については、「パチンコ・競馬などギャンブルをする頻度」「動画配信サービスの利用頻度」「スポーツ観戦施設へ行く頻度」「インターネットカフェの利用頻度」といった娯楽や趣味関連の項目が5~10ptの低下となっています。また、「家庭でのビール類の飲用量」「コンビニエンスストアの利用頻度」「リサイクルショップの利用頻度」も5ptの低下が見られています。
反対に「スマートフォンや携帯電話の通信通話料金」は6pt上昇したとのことです。調査で聴取されているその他の消費動向の項目を見ると、「保険料」「クレジットカードの利用金額」がややプラスとなった程度で、多くは前年同期と比較してマイナスや横ばいの傾向となっています。これは止まらない物価高から、人々が依然として消費を抑制しようとしている様子がうかがえます。


今後の景気の見通しと消費予測
調査では今後1年間の景気の見通しについても質問されており、「悪くなると思う」と回答した人は37%、「良くなると思う」と回答した人は10%という結果となり、景況感は低調であることが示されています。
また、今後1年間の自分自身の消費予測については、「変わらない」と回答した人が60%と過半数を占め、「増える」と「減る」と思うと回答した人はほぼ同率となっているようです。

ポイント活動(ポイ活)の状況
調査ではポイントを貯めている人を対象に、どのような方法でポイントを貯めているかについても確認されています。その結果、アプリを利用してポイントを貯めている「アプリ派」が45%、カードを利用して貯めている「カード派」が33%となっています。年代別に見ると、20~50代はアプリ派が多く、60代になるとカード派が主流になるという傾向が明らかになっています。

また、ポイント活動を行う理由については、「日々の生活費を節約したい」が40%と突出して高い結果となり、この傾向は年代による差は見られなかったとのことです。消費者が広く生活コスト削減のためにポイント活動を実践していることがわかります。

アプリを使ったポイント活動については、良い点として「財布がかさばらず、管理が楽」という意見が多く挙げられた一方で、不便な点としては「レジ前でアプリの起動や表示に手間がかかる」という点が挙げられています。

調査レポートの詳細
今回公開された調査レポートには、以下の項目が含まれています。
- 調査概要
- 生活実態の前年同期との比較
- 生活実態の推移
- 消費動向の前年同期との比較
- 消費動向の推移
- 今後の景気の見通し
- 消費予測/評価理由(自由回答抜粋)
- サブスクリプションサービス利用状況
- 個人投資の関心・利用・意向状況
- ポイント活動(ポイ活)の実施状況
調査概要
今回の調査は以下の概要で実施されています。
- 調査手法:インターネットリサーチ
- 調査地域:全国47都道府県
- 調査対象:20~69歳の男女
- 調査期間:2025年10月22日(水)~24日(金)
- 有効回答数:本調査1,200サンプル(人口構成比に基づいて割付)
株式会社クロス・マーケティングについて
株式会社クロス・マーケティングは、マーケティングリサーチ事業やマーケティング・リサーチに関わるコンサルテーションを行っている企業です。2003年4月1日に設立され、東京都新宿区西新宿の東京オペラシティタワーに本社を置いています。代表取締役社長兼CEOは五十嵐幹氏が務めているとのことです。
出典元:株式会社クロス・マーケティング プレスリリース












