【楽天市場】モール外での集客強化施策「楽天ROOM」をジャグー米原が解説

楽天市場における売上成長が鈍化する中、新たな集客チャネルとして注目を集めているのが「楽天ROOM」です。

本記事では、ROOMの基本的な仕組みから各種広告メニューの特徴、そして実際に成果を出すための活用ポイントまでを解説。アフィリエイト活用の第一歩として、ぜひ戦略立案にお役立てください。

この記事の執筆者

米原 広兼 / ジャグー株式会社

新卒で楽天株式会社へ入社。ECコンサルタントとしてSOY受賞店舗などをサポート。在籍中、2万人の社員の中から楽天賞MVPを受賞。2020年 ジャグー株式会社を設立し、EC運営の実行支援を行う。楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonで累計200店舗以上のコンサルティングを担当。担当企業のうち、累計9店舗が楽天SOY受賞。2店舗がYahooショッピング年間ベストストア受賞。

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楽天ROOMとは?ショッピング×SNSの新たな販促チャネル

ROOMの基本構造とアフィリエイト報酬の仕組み

楽天ROOMとは、楽天市場に特化したショッピングSNSであり、ユーザーが自分のお気に入り商品を紹介し合うことで、購入につながる仕組みが整っています。紹介された商品がROOM経由で購入されると、紹介者にアフィリエイト報酬が発生するため、SNSとECの融合モデルとして注目されています。

インフルエンサー側でのROOM活用メリット

インフルエンサーにとって、ROOMを活用する最大の利点は、自身がおすすめする商品のコレクションを作成し、簡潔な導線でファンに共有できる点です。これにより、DMやコメントでの問い合わせ対応を最小限に抑えながら、購買行動を促すことが可能となります。

集客導線と拡販の現状

ROOMアプリ単体でも商品紹介は可能ですが、現在ではX(旧Twitter)やInstagram、ブログなど外部SNSからのリンク誘導を活用するケースが一般的です。こうした複数チャネルでの展開により、インフルエンサーの影響力を最大限に引き出す仕組みが強化されています。

店舗側のアクションの重要性

ROOM経由の売上は年々拡大傾向にありますが、店舗側が意識的にROOM向け施策を講じなければ、自然に取り上げられるのを待つだけの受動的な状態となります。したがって、戦略的にインフルエンサーとの接点をつくることが求められます。

楽天ROOMの広告メニュー一覧と特徴

楽天ROOMには、上記のような広告メニューが存在します。

自店がどのメニューから取り組んでいけば良いのか悩んでしまう場合には、次のステップ別おすすめメニューを参考にしましょう。マーケティングにおいて、認知拡大、販促、商品開発の各フェーズでマッチする、ROOM広告メニューを検討することができます。

①モニター広告:口コミとSNS拡散で認知獲得

商品をインフルエンサーに提供し、その使用感や魅力をSNS上で発信してもらう形式の広告です。費用は25万円からで、認知拡大や集客向上に寄与します。

インフルエンサーの選定方法は2種類あり、事務局指定の「お任せアサイン」または店舗の希望「店舗様指名」のいずれかの方法で決定されます。

②SALE情報拡散プラン:複数インフルエンサーによる波状効果

店舗のセール情報をまとめて拡散してもらう施策で、費用は50万円から。インフルエンサー30名規模で展開できるため、広範囲での認知獲得が可能です。モニター広告よりも5倍近くのインフルエンサーアサインが可能と言われております。

③取材モニター広告:ブランドストーリーを深く届ける

商品使用感に加え、ブランドの開発背景やストーリーを取材形式で発信できる施策です。費用はインフルエンサーの選定や掲載内容に応じて変動します。

④インフルエンサー向けサンプルBOX:体験起点の拡散を狙う施策

複数の商品を詰め合わせて、インフルエンサーに一括提供する形式の施策です。普段扱わない商品に出会うきっかけをつくることができますが、メニューとしての利用頻度は低めの印象があります。費用は50万円からとなっています。

⑤商品別高料率:報酬設定で上位ROOMユーザーに訴求

特定商品に対してアフィリエイト料率を20%以上に設定することで、ROOM上位ユーザーによる拡散を促すことができます。売上月間100万円以上のヒット商品を対象とする点に注意が必要です。

弊社のクライアントでも、非公開クーポンを用いて施策の効果測定を試みたのですが、取得&利用ともにほとんどなく、インフルエンサーへの拡散力は弱い印象があります。

しかし、弊社としてもまだ事例が少ないため、気になる店舗様は担当ECCへご相談いただきトライしてみてください。

⑥ROOMコラボ商品:売上拡大とブランド構築を同時に実現

インフルエンサーと共同で商品を開発することで、新たな市場とファンを獲得できる注目の施策です。販売開始時期を楽天市場の大型イベントと連動させることで、ランキング上位に入りやすくなる利点もあります。費用は、固定費60万円〜に加え、販売金額の9%がロイヤリティとして発生します。

中でも、初めて取り組む場合は、①新規商品の開発、②既存商品へのSKU追加、のいずれかがお勧めです。

ちなみに、楽天市場のランキングにて「ROOMコラボ」とキーワード検索をしてみると、過去にコラボした商品のランクイン実績を調査することができます。商品選定の際にはぜひ参考にしてみてください。

楽天ROOM活用のおすすめ施策と成功のポイント

モニター広告の活用時に意識したいこと

モニター広告を実施する際には、自社商品と相性の良いインフルエンサーを選定することが何より重要です。投稿後の反応やエンゲージメントも確認し、効果を測定しながらPDCAを回していく姿勢が成功の鍵となります。

ROOMコラボ施策をお勧めする4つの理由

  1. インフルエンサーのファンが欲しい商品を形にすることで、新規顧客の獲得につながる
  2. ファンとの対話に基づいた商品開発により、CVR(転換率)の向上が期待できる
  3. インフルエンサー本人が責任を持って販売促進するため、投稿の熱量が高まる
  4. 楽天市場のイベントタイミングと合わせることでランキング入りを狙える

モール内集客施策の限界と、外部導線強化の必要性

楽天市場内の検索対策や広告運用は依然として重要ですが、それだけでは新規獲得が頭打ちになるリスクもあります。ROOMやSNSを活用し、楽天市場外からの送客を自発的に獲得する導線強化は、今後の売上拡大に欠かせない要素です。

禁止されているインフルエンサーへの直接交渉についての注意点

楽天ROOMでは、インフルエンサーに対してROOM事務局を介さず直接コンタクトを取ることは禁止されています。知らずに直接交渉をしてしまう事例も散見されますので、ルールを遵守したうえで施策を実行しましょう。

最後に

楽天ROOMは、インフルエンサーによる集客と販促を兼ね備えた注目のSNS型プラットフォームです。広告メニューやコラボ施策をうまく活用することで、楽天市場内だけでは出会えなかった新規顧客の獲得や商品開発の可能性が広がります。楽天市場での売上拡大に悩む店舗様こそ、今こそROOMの活用を本格的に検討してみてはいかがでしょうか。

ジャグー株式会社では、楽天市場をはじめとする各種ECモールの最新情報の発信を行っています。また、無料相談も行っていますので、今後の施策や店舗運営についてお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

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