
昨年12月23日に「2024年EC業界の最終決戦!~年末最後のビジネスマッチング交流会~」が開催されました。GMOペイメントサービス・ディーエムソリューションズ・通販通信ECMOの3社が主催した交流会で、コマースピックも後援として参加しています。
本イベントの目玉であるNintの山本真大さんによる基調講演「2024年のEC市場動向と2025年の展望」は、国内EC市場の現状や3大ECモールの動向、および市場トレンドに関する詳細なデータ解説が行われました。その内容をまとめましたので、参考にしていただけますと幸いです。
2024年におけるEC市場の現状
山本さんの解説によると、2023年度におけるEC市場全体の売上構成比のうち、約68%を3大ECモール(楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング)が占めており、EC市場の中心的な役割を果たしていることが確認されました。また、EC市場全体の直近5年間の成長率は+46%、3大ECモールはそれを上回る+57%という高い成長率を記録しているとのことです。
2024年の注目トピックとして、山本さんは下記の3つを挙げました。
1.物流問題
労働基準法改正による配送コスト増加が低価格商品のEC業者に大きな負担となっている。
2.オフライン回帰
コロナ禍でのEC利用増加から、2023年以降は実店舗への回帰が進んでいる。
3.海外競争の激化
「Temu」や「SHEIN」といった海外ECモールが低価格戦略で日本市場に進出し、国内市場に新たな競争環境をもたらしている。
2024年におけるECモールの売上トレンド

基調講演では、ECモールの売上が集中する「3月」「11月」「12月」が業界における重要な時期として挙げられていました。特に3月の「新生活市場」では家電や家具・寝具カテゴリーが成長を牽引し、前年比で+8.1%の売上増加が記録されました。ただし、家具・寝具カテゴリーに関しては、平均単価が大きく下がっているとのことです。
また、ECモールが主催する大型セールイベントは、開催後の売上がセール実施前の売上を大きく上回る傾向も指摘されています。2024年にはセール実施前比+61%の成長が見られたとのことです。
2025年に向けたセール日数の変化と売上
近年、各ECモールのセールイベント期間が長期化する傾向が見られています。特にAmazonのプライムデーでは、セール日数を増加させた結果、売上が各国で過去最高を記録しました。この成功例を背景に、2025年も各ECモールでセール日数の調整が注目されるでしょう。
Amazon:セールの延長
楽天市場:セールの現状維持か、場合によっては延長
Yahoo!ショッピング:セールの最適日数を模索中
ただし、セール期間の長期化には消費者の「飽き」や出品者の「負担増加」といった問題もあり、これらをどのように最適化するかが各モールの課題となると山本さんは話されました。
2025年の市場予測

2025年におけるECモールでは、「衣類・服飾雑貨」「化粧品・医薬品」「食品」「生活雑貨」などが市場を牽引する可能性が高いと山本さんは予想されています。これらのジャンルは健康意識や環境配慮を反映した商品が特に注目され、今後の市場拡大を支えるだろうと、山本さんは締めくくられました。
今回の交流会には100名以上の方に参加申し込みいただきました。GMOペイメントサービス・ディーエムソリューションズ・通販通信ECMOの3社主催のビジネスマッチング交流会は今後も定期的に開催する予定です。興味がある方はぜひ参加ください。コマースピックも、さまざまな方と交流できることを楽しみにしております。
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