
榊原 隆之
株式会社アルビオン
国内推販グループ長
アナ スイ コスメティクス、ポール & ジョー ボーテの国内販売の責任者。
全国の百貨店、有名化粧品専門店を担当しつつ
「ブランドショップ」「ブランドサイト」の立ち上げと運営も担当。
ポール&ジョー公式オンラインストア
https://www.paul-joe-beaute.com/
この記事の目次
いま私、AI育ててるんですよ
ポール&ジョー公式オンラインストアを運営の中で、チャネルトークのAI「ALF」を実際に接客に活用しつつ育てています。
チャネルトークのAIの「ALF」は、チャネルトーク内の「ドキュメント」と「FAQ」というコンテンツの中から回答を探し出します。サイトのルール外のことを回答する心配はないので安心して採用をしました。

育てるのは人もAIも同じ
「ドキュメント」と「FAQ」はいわゆる業務マニュアル。網羅しているつもりでも、対応できないご質問をいただくことも多々あります。その場合は、改めて「ドキュメントなど」をアップデートすることで次回はきちんと回答ができるようになります。
笑い話ですが、導入3日目にスタッフが「榊原さん、ALFはダメですね。やめましょうか」と言ってきました。彼女は店頭でチームマネジメントもしていましたので、「いやさ、新人が入ってきたら育てるじゃない。ALFも育ててほしいんだよね」というやりとりを経て、チームメンバーに毎日ご指導を受けてALFは育っています。
ご指導は…「ドキュメント」と「FAQ」の拡充です。3週間ほどで、相当に複雑なご質問にもお応えできるようになりました。「ドキュメント」と「FAQ」といった過去をベースにしたコンテンツからの回答なので、未来へ向かってのご質問にはスタッフが時間をかけて対応できるようになっています。
ショックを受けています
ALFを導入する前にスタッフミーティングでは「お客様はコスメのことをAIには聞かないですよ」「AIでは良い体験をしたことがないから」とお客様がAIを選択しないだろうと想像をしていました。そのため、チャットの入り口の中でも一番下に「AIに聞いてみる」のボタンを設置しました。

そんなに使われないだろうと一番下に設置しました。
AIが選択されたとしても夜間だろうなと想像していましたが、ボタンは一番下にあるにも関わらず、昼夜を問わずAIにご質問をされる方が相当数いらっしゃいます。「え?有人よりAIなんだ…」と少なからずショックを受けました。

ここで改めてお客様の行動を知るきっかけとなりました。お客様は買うときに質問をしたい…というシーンにのみ対応を想定しておりましたが実際にはもっとさまざまなシーンがあることを想像しきれていませんでした。
「気になったときに聞いてみたい」「早く答えを見つけたい」
SNSなどをみて、気になったときにサイトにいって質問をしてみたい。そんな経験は誰にでもあると思います。実際に当サイトでも時間に関わらず多くのご質問をいただいています。
※ブルーはお問い合わせをいただいたこと、グリーンはお問い合わせへの回答を示します。

一方でそのご質問に対する回答は「営業時間」となります。

ブランドサイトとしてサイト内にさまざまなコンテンツをご用意していますが、聞いてみたい方に対する対応については時間差が生じてしまっていました。AIは時間に関係なく回答をご提供できます。これはお客様のご満足につながると感じています。
お客様のイメージとしてAIならすぐに回答にたどり着けそう…という意識はあると思います。実際にALFの回答は早いのでお客様に選ばれる理由も理解できます。
「わざわざ人に聞く前にとりあえずAI」
店頭では、スタッフには声をかけにくい。複数スタッフがいたら優しそうな人を選んだり、逆に店長クラスを選んだり、そのとき聞きたい内容によって声をかける相手を選びます。オンラインにおいても同様で、有人チャットでスタッフに聞きたい内容もあれば、とりあえずAIに聞いておきたい、今更聞けないからAIに聞いておくなどさまざまなシーンがあることを想像しきれていませんでした。AIのALFがチームに加入して改めてお客様のシーンをしっかりと見つめなおすことができました。
最初は興味本位でAIのALFの運用を始めましたが、いまとなってはALFはチームの大切な一員となりました。運営側の効率化のためではなく「より深くお客様を知る」ためにAIのALFとつきあっていくというのが正解なのではと感じています。そして、AIでの対応を選択できることが、近い将来に「あたりまえ」になると実感をしています。
ALFに望むこと
- 将来的には課金制となると思いますが「解決したら課金」などのように成功報酬にしてほしいなと思います。だからと言って育成の手を抜いたりはいたしません。
- ALFの語調もある程度カスタムできるようになってほしい。そうすることでチームの一員感が増していくと思います。
- ALFの名前やアイコンもブランドで編集できるようになってほしい。前述の通り「チームの一員」で他のサイトのALFとは別人格なので。
技術の進歩はすべてお客様のために活用すべきだと考えています。どんなに新しくて優れたシステムが登場してもお客様の満足度があがるのか?という視点でテスト、検証を続けていきたいと思います。
チャネルトークのALFはお客様の「さまざまな尋ねたいシーン」をカバーして満足度をあげてくれるAIでした。
ポール&ジョー公式オンラインストア
https://www.paul-joe-beaute.com/
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