
のぶ
KIBACOWORKS
神奈川県横浜市出身。現在は鎌倉に工房を構えウッドクラフト&アパレルブランド「KIBACOWORKS」を運営。グラフィックデザインから商品開発、マーケティングまでを手がける。SNSでのコミュニケーションを得意とし、ユーザーと共に作るブランドを展開。近年ではローカルショップやアーティストと共に"地元"に根差した活動に注力している。
■KIBACOWORKS
https://kibacoworks.com/
この記事の目次
ジャンプ率とユーザー目線
前回の記事でお伝えしたジャンプ率の基本と情報の見せ方。今回は実際に普段のSNSの投稿でどうやって使うの?を考えて行きたいと思います。
人が目にするのは一瞬
前回の繰り返しになりますが、これを必ず念頭に置いておけば普段のクリエイティブ作りが変わるはず。
電車やバスで人のスマホ操作が目に入ることがありますが、すごい速度でフィードをくるくるスクロールしていたり、たったかストーリーをタップしていきます。
これじゃあ目の引っかかりがないとなかなか読まれないよなあといつも感じる瞬間。
今回は京都・四条烏丸の老舗中華「楽仙樓(らくせんろう)」さんのストーリーズ投稿を元に考えます。

ジャンプ率を使いこなすには
「情報の整理」これが大事。少し長い内容も以下を考えてみるといいと思います。
- 情報をグループ分け
- さらに見出しと本文に分ける
- 重複を避けてシンプルに
本の目次を作るイメージです。タイトルが気になれば続きを読んでもらえるでしょう。
細分化しましょう
今回投稿したい内容はこちら
💡 焼餃子と水餃子は皮が違います。焼餃子はもちもちでパリッと仕上がるようにお湯を混ぜてグルテンの発酵を抑えます。一つ一つ手作りなので職人によってちょっとずつ形が違う。
ストーリーズという場所を考えれば長文は読まれづらい。なので情報を細分化し、いくつかの短文に分ければ読みやすくなります。
見出しを作る
この投稿で言えば「焼餃子は皮が違う」「もちもちでパリッと仕上がる」「職人手作り」
フレーズにシズル感がありますねー!
これを見出しとして考え、それぞれを分けて配置します。

見出し以外の情報はサイズを小さく。ここでジャンプ率を意識します☝️
構成は見出しを順に読めばそれだけで意味がつかめるようにしました。
🥟皮が違う→なんで?→職人手作りだから→もちもちでパリッと仕上がる
「お湯を混ぜてグルテンの発酵を抑えます」や「ひとつひとつ手作り」は補足として読んでもらうイメージ。なのでサイズは小さく。
「水餃子と」という情報はタイトルのあしらいとして使っています。スラッシュで囲んだこういう表現よく見かけませんか?

読む距離
文章を分解しジャンプ率を意識したことで、じつは「読む距離」が短くなっていることに気がつきましたでしょうか?
例えば、もとのクリエイティブではこのような視線の流れになります。

ジャンプ率が低いのですべてを読み込む必要があり、息継ぎがない感じがします。 これが、分解したあとはこうなります。

点在する文章のかたまりは一息で読める長さ。 見出しは文節で改行してるのもポイントです。 さらに座布団(テキスト下の色付きの帯のこと)を敷いて視認性を上げています。
目の通り道
修正後は「餃子の写真」にも目の通り道が出来ています。
もとのクリエイティブでは写真全体に均一に文字が乗っていて餃子の写真が背景として認識されてしまいます。視認性を高めるためにもメリハリをつけるほうがいいでしょう。

人は左上から情報を読みます(グーテンベルク・ダイアグラムやZの法則と呼ばれています)。
ウェブサイトでは左上にロゴがあるし、ラーメン屋の券売機ではイチ押しメニューが一番左の上に設定されているはずです。そういうことです。
なので左上から右下に向かっていくようにクリエイティブの構成を考えましょう。
まさにユーザー目線で考えるってやつです。
整理したら一瞬で伝わる
情報を分解してそれぞれをグループ化することで、文章が短く感じたのではないでしょうか。
その中でもさらに「見出し」と「本文」のイメージで文字の大小を作るともっと短く感じます。
読むべき言葉が見つかり、パッと見で情報が入ってくるようになるのです。
二つのクリエイティブで使っている文字数はほぼ同じ。でもなぜか右は一瞬で読めちゃうと思いませんか?不思議不思議。

いかがでしたでしょうか?
楽仙樓の店舗はどこ?人気メニューは?オンラインストアはある?!
これからShopifyにストアをリニューアル予定の楽仙樓から目が離せません。
ちなみに私は担々麺が好きです。肉がすごく美味しい。
それでは次回は数字を使った表現、セールバナー作りのジャンプ率のお話をさせていただきたいと思います。
P.S
この記事は沖縄に向かう飛行機の中で執筆いたしました。それでは楽しんでまいります。めんそ〜れ〜!

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