Makuake(マクアケ)とは?歴史やトレンドをMakuakeエバンジェリストが解説

初めまして、株式会社NeoGrowth(ネオグロース)の馬場と申します。弊社は、クラウドファンディングのMakuakeを活用した、新商品の総合プロデュースカンパニーです。

2019年より在庫を持たずに事業展開できるクラウドファンディングを始め、今に至ります。その当時は、Makuakeの知識はほぼなく、毎日、Makuakeの担当者(キュレーター)と商品の訴求やプロモーションについて相談をし、検証を重ねているうちに、気づけば1年間で10アイテム3,500万円程の売上になっていました。

懇意にしていただいていた、メーカー様と久しぶりにお会いして、私の現状をお話しすると、そのメーカーも試しにMakuakeで販売したいと運営全般を委託されることに。そこから、弊社のMakuakeプロデュース事業が始まりました。現在では、約50社の国内外メーカー、200以上のプロジェクトに携わり、2021年12月には、マクアケ社のパートナー企業として提携(エバンジェリスト)し、より最新の情報とMakuakeでの成功パターンをメーカー様にお伝えしながら切磋琢磨しています。

マクアケ社の認定エバンジェリストとして活動しています

今回は、私の今までの経験からお伝えできるMakuakeについて、そしてMakuakeで販売するために必要な準備について解説します。

Makuakeの歴史と変遷

既にご存知の方も多数いらっしゃると思いますが、改めてMakuakeとクラウドファンディングの現状についてご説明させていただきます。Makuakeは2013年にAbemaTV(現ABEMA)で有名なインターネット広告大手のサイバーエージェントの子会社として設立されました。創業当初は、日本国内でクラウドファンディングの知名度が低く、掲載アイテムも非常に少なかったようです。当時は、インターネット通販において、楽天市場、Amazon、Yaoo!ショッピングなどの通販サービスが市場シェアの多くを占め、一部フラッシュマーケティングと呼ばれる、グル―ポン、ポンパレ(リクルート系列)などの通販サービスが流行していた時期です。

クラウドファンディング自体、当時を振り返ると、日本では馴染めないビジネスモデルだったように感じます。なぜなら、まだ世の中にない商品に投資し、投資希望額に到達、プロジェクト期間が終了してから数カ月から1年後に商品が到着するという、投資側面の強い、投資文化に慣れていない日本人には、なかなか信用されないサービスだったからです。

2020年時点で、商品購入型(寄付型含む)のクラウドファンディングの国内市場規模は、500億円を超えましたが、その僅か5年前は77億円(出所:一般社団法人日本クラウドファンディング協会)でしたので、市場は急拡大=消費者(支援者)の認知度が一気に挙がったといえます。しかしながら、アメリカに比べて、まだ10%(出所:The center for alternative Finance(CCAF)2021)ほどの市場しかないので、これから更に伸びるビジネスモデルであるといえます。

その中でもMakuakeはクラウドファンディング会社としては、唯一、2021年11月に東証に上場した会社であり、現在は名実ともに日本のクラウドファンディング業界を牽引しています。

利用ユーザーの特徴

サービススタート当初は、男性ユーザーに好まれそうなテクノロジーを謳ったガジェット商品が多かったのですが、現在では、生活家電、雑貨、ペット用品、フードなど、女性ユーザーが好む商材も多数出品されています。

NeoGrowthが携わった商品の一例

ユーザーの男女比は、60%:40%と女性のユーザーも飛躍的に増えています。また、ユーザーの年齢層も40代~60代が購入者全体の80%以上を占める商品が非常に多いのも特徴の一つです。恐らく、比較的収入に余裕のあるユーザーがMakuakeを利用している可能性が高いです。なぜなら、クラウドファンディングは世の中にない新商品を紹介するサービスのため、ユーザーが支援(申込み)してから商品のお届けまで、数カ月かかることが一般的です。つまり、今日明日に必要なモノ(必需品)ではなく、いつか使ってみたいモノ(贅沢品)なのです。

最近のトレンドは?

では、ここ最近のユーザーが支援する商品の傾向をご説明します。コロナ禍が一旦落ち着きを見せてきた今、健康、節電、時短に着目した商品が人気のようです。例えば、糖質を制限する炊飯器(約1億円)、低温調理器(約1.6億円)、節電タイプの季節家電(暖房や冷房)、小型の衣類乾燥機(約1.5億円)、機能性の高い寝具(約1.1億円)が人気です。価格帯も5,000~50,000円と低単価から高単価まで幅広く、ユーザーは価格に左右されず、新しくて便利なモノ、今の生活を更に豊かにできるモノについて、支援は惜しみません。まだまだ支援金額は少ないですが、地産品(福岡の明太子、フルーツ、地酒、お肉)なども少しずつ、出品数が増えてきています。

Makuakeでの販売に必要な準備

実際にMakuakeで販売するにはどのような準備が必要なのでしょうか?主に下記が必要となります。

1.収益シュミレーションの作成
実施するプロジェクトの目標数、目標金額、経費、目標利益等事業計画となるシート。

2.販売ページの素材
ペルソナ、ページ構成案、競合分析、商品テキスト、商品画像、動画。

3.Makuake提出書類
口座開設、プロジェクト申込書、審査で必要な書類(PSEなどの認証)。

4.プロジェクト開始後の問合せ対応準備
詳しくは改めて別の機会でご説明致します。

Makuakeに出品する企業の目的

Makuakeに出品する企業の目的は大きく3つに分類されます。

認知獲得

1つ目は認知獲得。Makuakeを通じて一人でも多くのユーザーに認知してもらい、プロジェクト終了後にECや卸販売で一気に販売拡大を狙うケースです。期間中は可能な限りMakuake内のオプション広告(SNS広告やリターゲティング広告)を活用して露出量を増やします。弊社のお客様でもプロジェクト終了後にTV通販や大手家電量販店での大量注文を受けた実績が多数あります。家電量販店やTV通販のバイヤーはMakuakeで売れている商品=これからヒットする商品と捉えるケースが増えています。

テスト販売

2つ目はテスト販売です。自信がある商品ではあるが、購入見込者の属性を把握したい、Makuakeユーザーのコメント(レビュー)を分析して一般販売に臨みたい。最近では、大手の家電メーカーや外資系のメーカーがこのパターンを活用しています。

利益獲得と資金繰り

3つ目は、利益獲得と資金繰りの解決。Makuakeからの入金後に商品の製造→ユーザーにお届け(プロジェクト終了後6カ月以内に納品でOK)ができるので、資金繰りが改善し、出た利益で追加生産や一般販売への投資(ECの店舗出店や広告宣伝)が可能になります。スタートアップの法人やアイデアはあるが資金繰りに余裕のない企業がこのパターンになります。

とはいえ、Makuake(クラウドファンディング)は終了してからが、本番です。Makuakeで出た実績(閲覧数、購入率、販売数、購入者データ)を最大活用して、その後のEC販売、卸販売、OEM提供などの戦略をMakuake期間中に練る必要があります。予想以上に売れる場合もあれば、その逆もあります。予想以上に売れていれば、期間中に営業範囲ならびに生産数を増やす。

「Makuakeで今、〇〇万円売れています。ページをご覧ください」

このようなセールストークは、営業の武器になります。その逆であれば、予定販路を絞り、生産数も減らす。といったリスクヘッジにもなります。

Makuakeに関する質問はお気軽に

弊社では、Makuake終了後についてもさまざまな質問相談を頂くことがあります。

1番多いご相談が、Makuake終了後の商品展開についての相談です。弊社では家電量販、ホームセンター、専門店、TV通販などの専門会社と業務提携しているため、Makuake終了時の実績をみながら可能性のある販路に対しての営業支援もさせていただいています。最近では海外展開を希望するお客様も増えているので、現在準備中です。

2番目は物流についてです。Makuakeは個人宅配送かつプロジェクト終了後は、短期間で一括で配送する必要があるので、通常とはイレギュラーで人員が必要となります。弊社ではMakuake商品に特化した配送代行サービスも実施しており、送料も全国一律で対応しています。

3番目は、プロジェクト終了後のECでの販売です。海外メーカーや今まで自社でEC(楽天市場、Amazon含む)を実施していなかったお客様も多くいるため、弊社の関連会社がEC販売の代行も行っております。

現在ではMakuakeプロジェクト終了後もお客様のご要望に応じて、通販支援(Makuakeストア、楽天市場、Amazon)、卸販売代行(家電量販店などの卸)、物流代行、プロモーション代行など業務の領域を広げて、事業拡大しています。

弊社が貴社のMakuake事業部のような存在となり、Makuakeの準備からプロジェクト終了まで伴走しています。一見、Makuakeで商品を出すことは、容易に思われがちですが、実は大変な工数と手間をかけてプロジェクトを運営する必要があるのです。Makuakeでの販売に興味をお持ちの方はお気軽にお問い合わせください。

▼株式会社NeoGrowthへのお問い合わせはこちら
URL:https://x.gd/wdDR5

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