
株式会社PRIZMAが、マーケティング業務を担う1,032名を対象に実施した「マーケティングにおけるAI活用やLLMO対策の実態調査」の結果を発表しました。
この調査は、2025年12月に行われた同じ設問による調査を基準として、約半年後の市場動向を把握するために実施された定点調査となっています。
この記事の目次
マーケターの情報収集手段、AIツール活用が半年で約2倍に急増
マーケティング施策に関連する情報をどのように収集しているかを調査したところ、2025年12月時点と比較して大きな変化が明らかになりました。
最も注目すべき変化として、AIツール上での検索やAIO(AI要約・回答機能)の活用が挙げられます。2025年12月時点では22.6%だったものが、2026年7月には44.6%と約2倍に増加し、マーケターが最も活用する情報収集手段となりました。知りたい情報が最初からコンパクトにまとめられて入手できるAIツールの特性が支持されていると考えられます。
この結果から、マーケターのAI活用が急速に進んでいるため、従来の広告やSEOのみに依存する企業は、今後マーケターの情報収集ルートから除外されてしまう可能性が示唆されており、AI対策の重要性が高まっています。
その他の情報収集手段としては、「業界専門メディア・ニュースサイト(36.6%)」や「ウェビナーやカンファレンス(34.7%)」、「資料請求(ホワイトペーパーや白書)(31.6%)」が半年前と比べて上位に位置しています。社内だけで情報を完結させず、社外のメディアやイベント、専門資料などを積極的に活用し、能動的に有益な情報を獲得しようとするマーケターの姿勢が見て取れます。
つまり、情報を発信する企業の立場からは、専門メディアへの掲載やウェビナーの実施、資料(ホワイトペーパー)の提供といった「社外に向けた多面的で活発な情報発信」を継続的に実施できているかが、情報感度の高いマーケターに選ばれるための必須条件になっていると言えます。
業務でのAI活用、「活用していない」が半数超から1割以下へ激減
続いて、マーケティング業務におけるAIの実際の活用状況について調査したところ、2025年12月の調査データと比較して、現場での導入が大幅に進展していることが判明しました。
業務でAIを「すでに広範囲で活用している(45.4%)」と「部分的に活用している(48.6%)」を合計すると、9割以上が業務に取り入れていることが明らかになりました。
2025年12月の調査時点では、「活用していない」と回答した人が半数以上を占めていましたが、今回の調査ではわずか1割以下にまで減少しています。
現在、AIは「新しく導入するかどうかを検討するもの」という段階を大きく超えて、日々の業務を支える「当たり前のツール」として、現場に欠かせない存在に変化していることがわかります。
最もおすすめのAIツール、ChatGPTがトップに
実際に現場で広く使われ、支持を集めているツールについて、業務でAIを活用している担当者を対象に「最もおすすめのAIツール」を尋ねました。
マーケターが現場で最も支持するAIツールは、「ChatGPT(37.7%)」と「Gemini(22.0%)」が2強となり、過半数を占める結果となりました。
注目すべき点として、画像生成の「Adobe Firefly(7.8%)」や、スライド作成を効率化する「Gamma(7.3%)」が続いています。マーケターが日々のライティングや情報収集だけでなく、バナー制作や提案資料の作成といった「マーケティング実務の現場」に直結するツールを使い分けている実態が明らかになりました。
このように日々の業務でAIツールが身近になる中、担当者はAIに関する最新情報をどこから入手しているのかについても調査が行われています。最も多いのは「公式のリリースノート」ですが、コミュニティやYouTubeも上位に入っています。
常にトレンドの最先端を追うマーケターだからこそ、開発元の一次情報をいち早く取得しつつ、コミュニティや動画から「実際のマーケティング施策にすぐ転用できる実践的なノウハウ」を能動的に吸収している様子が浮き彫りになりました。
LLMO対策への関心、「関心なし」が半数から3.4%に激減
次に、生成AIの検索結果に自社の情報を引用・参照してもらうためのアプローチである「LLMO対策」への関心度についても調査し、2025年12月の調査データと比較を実施しています。
調査の結果、LLMO対策の実施状況は「外部企業の活用を導入検討している(37.3%)」が最も多く、次いで「情報収集している段階(27.2%)」、そして「すでに実施している(22.9%)」と続きました。すでに5社に1社以上が実施している状況です。
これらを合計すると、実に9割以上の企業がLLMO対策に向けて何らかのアクションを起こしていることが明らかになりました。半年前(2025年12月)の調査では、全体の半数近く(49.6%)が「関心はない」と回答していたのに対し、今回の調査ではわずか3.4%にまで激減しており、企業の危機感はかつてない高まりを見せています。
他社のLLMO対策が急速に進み、競合の情報が優先的にAIに引用・紹介されるようになれば、ユーザーがAI上で比較検討する際に、自社の商材・サービスが「検討候補にすら入らない」という、致命的な機会損失に繋がる可能性があることが示唆されています。
業界別では製造業のLLMO対策が約3.5倍に増加
さらに同じ「LLMO対策」への関心度について、業界別に回答結果を詳細に比較しました。
LLMO対策への取り組みを業界別に見ると、特に「製造業」における大きな変化が浮き彫りになりました。半年前(2025年12月)の調査では、製造業でLLMO対策を「すでに実施している」と回答した割合はわずか8.8%にとどまっていましたが、今回の調査では30.5%と、わずか半年で約3.5倍に急増しています。
さらに他の業界においても検討や情報収集が活発に行われており、特に「金融・保険(44.7%)」「教育・人材(35.9%)」などの業界では、外部企業の活用を「導入検討している」と回答した割合が4割前後と、検討が進んでいる様子が見られます。
2025年末の時点では、ITやデジタル領域に近い業界が中心となって対策を模索していましたが、現在では製造業をはじめとする幅広い産業においても、具体的な対策の導入が急速に進んでいることがわかります。どの業界でも、ユーザーが日常の情報収集でAIを使うようになる中、自社の製品情報や仕様がAIの回答に正しく引用される仕組みづくりが、企業規模や業種を問わず本格的な運用フェーズに入っていると考えられます。
全業界が共通して取り組む施策は「自社の独自データ」の発信
続いて、具体的にどのような施策を実施、または導入予定であるかを尋ねました。
すべての業界において「独自の調査データやアンケート結果を盛り込んだレポート・記事を公開している」という回答が過半数を超えており、今や業界を問わずLLMO対策の主軸となっています。
特にピックアップした下記2業界でも顕著にニーズが高まっています。
SaaS業界では「独自の調査レポートの公開」の実施率が、前回の43.3%から54.3%へと大幅に増加しました。医療・ヘルスケア業界では、もともと前回時点で54.6%と高い水準にありましたが、今回はさらに60.0%まで上昇し、取り組みをより強化しています。
業種や取り扱う商品が異なっていても、多くの企業が共通して自社にしか出せないオリジナルの数値や実態レポート、すなわち一次情報を発信することを重視している現状が見えてきます。
また、その他の施策としては「構造化データマークアップを実装し、AIが情報を理解しやすいように最適化している」という項目も同様に重視されているようです。
LLMO対策強化に向けた現場のリアルな声
最後に、「今後どのようにLLMO対策を強化・改善していきたいと考えているか」について尋ねました。多くの担当者がこれからの取り組みを見据える中、現場から寄せられた具体的な声をいくつか紹介します。
「コンサルティングや専門家の意見を聞いて、具体的な対策を検討したい(50代/男性/教育・人材)」「まだ調べ始めたばかりで探り探り。全体的に知識を深めていきたい(40代/男性/教育・人材)」「効率的かつコストパフォーマンスを意識していきたい(30代/男性/SaaS業界)」「活用できるように研修などをしていきたい(40代/男性/飲食・食品業界)」といった声が挙がりました。
多くの企業が「まずは自分たちで調べ、できることから始めてみたものの、ここからさらに一歩踏み込んだ成果を出すための方法を模索している」という現状が伝わってきます。「技術的な知識の不足」という壁を乗り越えるために、今後は外部の専門的な知見を上手に取り入れたり、社内向けの勉強会や研修を通じて、組織全体の理解と運用の質を底上げしていきたいという、長期的で前向きな姿勢がうかがえます。
まとめ
わずか半年でAIでの情報収集が約2倍(44.6%)に激増し、マーケティングの常識は激変しました。従来の広告やSEOだけに頼る企業は、顧客の情報収集網から完全に遮断されるリスクに直面しています。
実際、企業のLLMO対策への関心は9割を超え、すでに5社に1社以上が対策を実施しています。対策を後回しにすれば、水面下で動き出した競合にAIの推奨枠を独占され、致命的な機会損失を招くことが明白です。
有効な対策の主軸は、SaaSや医療業界を筆頭に全業界で「独自の調査データ(一次情報)」を発信し、AIに認識されやすいよう技術的最適化を行うことです。
「やり方がわからない」と静観している猶予はありません。外部の専門知識も賢く取り入れ、早急にAIに選ばれる仕組み作りへ踏み出すことこそが、競合に勝ち続ける唯一の道であると調査結果は示しています。
調査概要
調査テーマ:マーケティングにおけるAI活用やLLMO対策の実態調査
調査期間:2026年07月02日(木)~2026年07月06日(月)
調査方法:PRIZMAが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査
調査人数:1,032人
調査対象:調査回答時にマーケティング業務を担当する担当者と回答したモニター
調査元:株式会社PRIZMA
モニター提供元:サクリサ
出典元:株式会社PRIZMA














