株式会社マーケティングアプリケーションズ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:竹中 司)と株式会社プロダクトフォース(本社:東京都港区、代表取締役CEO:浜岡 宏樹)は、両社のサービス利用者合計190名を対象に、セルフリサーチサービスの利用実態に関する調査を共同で実施しました。調査期間は2026年5月22日から5月29日、および6月22日から6月26日となっています。

本調査は2024年、2025年に続く実施となり、企業における定性・定量調査でのセルフリサーチサービスの活用状況について調査が行われました。今回は新たに、生成AIのリサーチ業務における活用が進んでいることを踏まえ、生成AIの活用実態とその影響についても調査項目に加えられました。

調査結果から明らかになったのは、AIによって調査の企画・設計作業が迅速化・効率化された一方で、実際に「生活者に聞いて確かめる」ことの価値がむしろ向上しているという、AI時代における新たなセルフリサーチの位置づけです。

※セルフリサーチサービスとは、事業主が自ら顧客に関する一次情報を収集するために活用する、アンケートやインタビュー調査を中心としたクラウド型のリサーチサービスを指します。自社で機動的かつ迅速に情報を収集し事業成果につなげたいというニーズの高まりを受けて、近年は国内でも様々なサービスが登場しています。

定量・定性調査と初期仮説検証がセルフリサーチサービスの主な利用目的

利用シーン別の調査結果では、「定量調査を実施するため」が61.1%、「定性調査を実施するため」が54.7%、「仮説検証を行うため」が51.6%、「商品・サービスのコンセプト受容性を確認するため」が50.5%と上位に挙がりました。新規事業や新商品開発における仮説検証や受容性の把握を目的として、定量・定性の両面で幅広く活用されている実態が浮き彫りになりました。

特に注目すべき点として、「新規事業開発を行うため」が42.6%となり、2025年版調査から約6.8ポイント上昇しています。スピード感が求められる新規事業に取り組む企業が増加する中、初期段階の仮説や顧客像を素早く検証する手段として活用が拡大していることがうかがえます。

また「クライアントから調査要望があったため」も17.9%に達しました。事業主自らが一次情報を収集するという従来の使い方に加えて、クライアントからデータを求められて活用するコンサルティングや広告代理業など「クライアントワーク」での利用も定着しつつあると考えられます。

速さと安さが最大のメリット、対象者の集めやすさや品質への評価も上昇傾向

セルフリサーチサービスを使用する最大のメリットは「はやく調査ができること」が84.7%、「価格が安いこと」が76.3%でした。いずれも約80%前後と引き続き高水準を維持しており、時間短縮とコスト圧縮がサービスの中核的な価値として確立していることが示されました。

今回の調査で特徴的だったのは、評価の重心が広がりを見せている点です。「ほしい対象者が集まること」は46.8%となり前年から約9.7ポイント上昇、「質の高い調査ができること」は15.3%で約3.7ポイント上昇しました。速く安く調査できることに加えて、狙った対象者に確実にアプローチできることやデータの質といった「リサーチの確かさ」に関わる価値が評価されるようになってきていることがわかります。

セルフリサーチの利用は今後も拡大見込み、約40%が増加を予測

今後1年間のリサーチへの取り組みについて尋ねたところ、「ユーザー調査の実施件数」が増加すると回答したユーザーは41.1%、「セルフ型リサーチの利用件数」が増加すると回答したのは40.5%でした。手法別では定量調査で30.5%、定性調査で34.2%が増加を見込んでいます。

実施頻度に関しても「月に1回以上」が26.9%、「必要に応じて随時」が35.8%となり、合計で約60%を超えるユーザーが高頻度または機動的にリサーチを実施していると回答しました。速く安く、必要なタイミングで調査することが徐々に標準化してきていると言えます。

セルフリサーチサービスの課題について

メリットとして「安さ」が挙げられる一方で、前回調査に引き続き、得られるデータの信頼性や回答者の質に対する疑問、調査設計をユーザー自身が行う難しさを指摘する声も一定数ありました。

利用者からは『回答してほしい人に回答してもらえているのか、その精度がわからないこと』『質問設計の専門的知識が心配』といった課題が寄せられています。

その一方で、迅速に結果を得られる点や、データが成果に結びついたという評価の声も多数寄せられています。

『提案業務において、根拠となる数値をお客様にご提示できることで、説得力のある提案をすることができました。』『提案前に短期間で初期仮説を検証できた』といったポジティブな意見も見られました。

リサーチ業務への生成AI浸透、95.8%が業務で生成AIを利用

今年度調査の最大のトピックは、リサーチ業務への生成AIの浸透です。リサーチ業務で使用している生成AIサービスについて尋ねたところ、「使っている生成AIサービスはない」と回答したユーザーはわずか4.2%でした。つまり95.8%が何らかの生成AIをリサーチ業務に導入していることになります。サービス別では「ChatGPT」が63.2%、「Gemini」が61.6%とほぼ並んで二強となり、「Claude」が38.4%、「Microsoft Copilot」が31.6%と続きました。

活用されている工程はリサーチの「上流」に集中しています。「設問・選択肢の作成」が64.8%、「調査仮説の設計」が64.3%、「作成した設問・選択肢の推敲」が61.5%、「事業・サービス課題の探索」が55.5%が上位となり、調査の企画・設計を中心に生成AIが組み込まれていることが明らかになりました。

一方で、生成AIが主に担っているのは企画・設計の効率化や仮説の叩き台作成までです。実際に「人に聞く」工程は生成AIに置き換わっておらず、活用工程のうち「インタビューの実施」は12.1%にとどまりました。

効果としては「作業時間が短縮された」が83.0%で最も多く、「仮説やアイデアの幅が広がった」が63.7%、「調査の企画・設計のスピードが上がった」が57.7%、「一人でできる仕事の範囲が広がった」が52.2%と続きます。効率化にとどまらず、発想の拡張にも寄与していることが明らかになりました。

また感じる効果として効率化関連の項目が高い選択率となる中で、「アウトプットの精度や信頼性に不安を感じることがある」が25.3%という声も一定数挙がっています。

実際の回答者から得られた自由回答には以下のような意見がありました。

『一般的なデータを調べるには非常に役に立つ。』『大量のデータの傾向をAIに分析させることは効率的に感じる。一方で、信頼性の担保が難しい。』『0→1の部分は強いので、仮説の叩き台としては有能だと思います。』

生成AIによって誰もが手軽に一般的な情報へアクセスできるようになった今だからこそ、自社の顧客や生活者に直接問いかけて得る一次情報の確かさや深さの価値は相対的に高まっています。

メリット面で「ほしい対象者が集まること」「質の高い調査ができること」への評価が前年から上昇していたのも、速さ・安さが当たり前になる中で評価の重心が「狙った実在の人に確かに聞けること」へと移りつつあることの表れと考えられます。AIで調査の企画が速く楽になった分、本当に人に聞いて確かめる検証の重要性は増しており、その担い手としてのセルフリサーチサービスの役割はいっそう大きくなっています。

まとめ

本調査から明らかになった主なポイントは以下の通りです。

セルフリサーチサービスは、これまでマーケティングリサーチ会社がカバーできていなかった「新しいニーズ・顧客層」、すなわち新規事業や商品開発などでクイックでライトな調査を必要とする層に価値を提供しています。

最大のメリットは引き続き「速さ」と「安さ」です。加えて「ほしい対象者が集まること」「質の高い調査ができること」といったリサーチの確かさに関わる価値への評価が高まっています。

今後もセルフ型リサーチの利用は拡大基調にあり、依然として約40%のユーザーが利用の増加を見込んでいます。特に新規事業開発での活用が広がっています。

リサーチ業務における生成AIの活用が定着し、企画・設計を中心に作業時間の短縮や発想の拡張に寄与しています。

一方で生成AIが担えるのは仮説の叩き台や効率化にとどまっています。一次情報の信頼性や深さは実際に人に聞くことでしか得られません。AIで調査の企画が速く楽になった今だからこそ、人に直接聞いて検証する価値はむしろ高まっています。

今後も求められることとして「サービスの信頼性の向上」「リサーチ実施支援の拡充」「生成AIを活かした、誰でも質の高い調査ができる仕組みづくり」などが挙げられます。

調査概要

調査機関:株式会社マーケティングアプリケーションズ、株式会社プロダクトフォースが合同で実施

調査対象:マーケティングアプリケーションズ社が運営するSurveroidのユーザー、プロダクトフォース社が運営するユニーリサーチのユーザー

有効回答数:190人

調査期間:2026年5月22日から5月29日、6月22日から6月26日

調査方法:インターネット上での調査

※調査結果の数値は小数点第二位を四捨五入しており、合計値が100%にならない場合もあります。

出典元:株式会社マーケティングアプリケーションズ、株式会社プロダクトフォース

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