日本郵便は2026年8月3日、国際宅配サービス「UGX」の新たなオプションとして「UGXプライム」を開始する。EMSと同等以上の速さを掲げ、全国の郵便局での差し出しや集荷に対応する。あわせて、越境EC向けの「UGX越境EC配送サービス」は英国、オランダ、ドイツ、フランス、ベルギーを追加し、欧州市場への配送網を広げる。

全国の郵便局から急ぎの海外配送に対応

UGXプライムは、ビジネス用途や越境ECの商品など、海外へ急いで届けたい小口貨物を対象とするサービスだ。北米と韓国は2~4営業日、欧州は3~6営業日程度での配送を予定しており、都市部だけでなく日本全国の郵便局から差し出しや集荷を利用できる。

対象は法人と個人の双方で、BtoBでは商品サンプル、製品、部品、書類などの発送を想定する。BtoCでは、越境ECで販売した商品を海外の購入者へ急ぎで届けたい場合に利用できる。配達は対面で署名を取得し、関税は元払いと着払いのどちらにも対応する。一方で、取り扱いは一個口に限られ、複数個口には対応しない。

運賃には燃料割増金を追加しない。送り状は、日本郵便が出資する国際物流事業者レントングループの「Hubez」を使い、API連携のほか、Webサイトでの直接入力やファイルアップロードでも作成できる。

UGXプライムと越境EC配送サービスの違い

項目UGXプライムUGX越境EC配送サービス
主な用途BtoBのサンプル・製品・部品・書類、急ぎの越境EC商品個人向けの越境EC商品
配達先法人・個人個人のみ
配達方法対面配達、署名あり置き配、署名なし
関税の支払い元払い/着払い元払いのみ
対象地域カナダ、米国、欧州12カ国、韓国米国、カナダ、英国、オランダ、ドイツ、フランス、ベルギー
運賃の特徴燃料割増金なし一部を除きEMSより割安。燃料割増金と個人宅向け配達料なし

図:UGXの2サービスの使い分け

越境EC配送サービスは欧州5カ国を追加

UGX越境EC配送サービスは2026年3月に開始された、個人向けの越境EC配送に特化したサービスだ。これまでは米国とカナダを対象としていたが、8月3日から英国、オランダ、ドイツ、フランス、ベルギーを追加する。日本郵便は今後、アジアなど他の国・地域にも拡大する予定としている。

同サービスは配達先を個人に限定することで、UGXの公表運賃から割り引いた特約運賃を設定している。一部の宛て地や重量帯を除き、EMSより割安としており、関税を購入者に負担させない元払いと、受取人の在宅を前提としない置き配に対応する。

越境EC事業者は配送の優先順位で選択

今回の拡充により、越境EC事業者は配送スピードや受取方法に応じてサービスを選びやすくなる。納期を優先する商品、交換品、高単価品、法人宛てのサンプルなどはUGXプライムが候補となる。一方、通常の個人向け注文では、置き配と元払いに対応するUGX越境EC配送サービスが使いやすい。

ただし、UGXプライムの配送日数は確約ではなく、通関に時間を要する荷物や遠隔地宛てでは日数が延びる場合がある。食品や個人間の贈答品、身の回り品については、引き続き国際郵便の利用が案内されている。導入時は、商品区分、関税負担、配送先、送り状作成方法を確認したうえで、自社の出荷ルールを整理する必要がある。

まとめ

日本郵便は、速さと確実性を重視するUGXプライムと、越境EC向けの割安な配送サービスを並行して拡充する。全国から利用でき、燃料割増金を別途加えない料金体系は、地方の事業者にとっても選択肢を広げる動きだ。欧州向け販売を検討する事業者は、既存のEMSや国際宅配便と比較しながら、商品単価や納期に合った配送手段を選びたい。

出典:日本郵便「「UGXプライム」の提供開始および「UGX越境EC配送サービス」の取扱国・地域の拡大」(2026年7月2日)

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