
株式会社Macbee Planetが、BtoC企業のマーケティング担当者1,221名を対象として「SNS広告およびインフルエンサーマーケティングに関する"過去/現在"比較調査」を実施しました。この調査では、ステルスマーケティングが景品表示法違反となった2023年10月以前と現在を比較し、SNS広告やインフルエンサーマーケティングにおける目的、重点媒体、運用状況、重視KPI、クリエイティブ傾向、インフルエンサー選定基準、現在の課題、今後の報酬体系の変化について分析が行われています。また、パーソルテンプスタッフ株式会社の最高マーケティング責任者CMO・友澤大輔氏による解説コメントも掲載されています。
この記事の目次
調査結果の概要
- SNS広告・インフルエンサーマーケティングの目的は、認知拡大を中心とした設計から流入・獲得・継続を重視する設計へと移行しています。事業寄与目的は約3割から約5割へ拡大しました。
- 重点媒体はX(旧Twitter)中心からYouTube・TikTokへシフトしています。Xは約3割から約2割へ低下し、YouTubeは約3割まで伸長しました。
- インフルエンサーマーケティングの運用は、単発タイアップやギフティング中心から長期契約・複合設計へ移行しています。今後も約3割が長期契約中心を志向しています。
- インフルエンサーマーケティングで重視される指標は、単純な獲得指標だけでなく流入・検索・来店など行動寄りの指標へ拡大しています。来店・予約は約2割半まで上昇しました。
- インフルエンサー選定では、過去に比べてフォロワー数や属性よりも、エンゲージメント率や関係性、クリエイティブ力を重視する傾向が見られます。
- 現在の最大課題は「効果測定が難しい」が約5割で最多となり、「KPI合意が取りにくい」「計測環境が十分でない」もそれぞれ約3割となっています。
SNS広告・インフルエンサーマーケティングの目的は認知偏重から流入・獲得・継続へ
直近12カ月のデジタルマーケティング施策の実施状況を確認すると、SNS広告は61.3%、自社SNS運用は52.7%に達しており、すでに過半数の企業が実施していることが明らかになりました。一方で、インフルエンサーマーケティングは29.7%にとどまっており、SNS関連施策の中でも全社的に定着しているとは言い切れない状況です。SNS広告や自社SNS運用が主流化している一方で、インフルエンサーマーケティングは企業ごとの運用知見や評価方法の差が表れやすい領域となっています。

その中で、SNS広告・インフルエンサーマーケティングの目的には大きな変化が見られました。過去と現在を比較すると、「認知拡大」は35.8%から25.3%へ、「興味喚起・比較検討促進」は23.5%から18.8%へ低下しています。一方、「Web流入・来店促進」は18.6%から25.1%へ、「新規獲得」は10.5%から16.3%へ、「継続率向上・ファン醸成」は2.9%から8.8%へ上昇しました。マーケティングファネルの上流目的の比率が縮小し、下流・事業寄与目的が拡大していることから、SNS広告・インフルエンサーマーケティングは話題化の場から、送客・獲得・継続まで含めて説明を求められる場へ変化してきたと考えられます。

重点媒体はXから動画系へ、運用体制とクリエイティブも変化
重点媒体の変化を見ると、Xは29.6%から19.2%へ大きく低下しました。一方で、YouTubeは26.9%から30.7%へ、TikTokは2.1%から6.1%へ上昇しています。Instagramは28.7%から29.2%でほぼ横ばいでした。特定の媒体に一極集中するというより、X中心の構図から動画コンテンツや視聴体験を重視した媒体設計へ重心が移っている様子がうかがえます。TikTokは絶対値こそ限定的ですが、増加幅としては目立つ結果となっています。

施策別の現在の運用状況を見ると、SNS広告は「外注主導」(「完全に外注」と「外注の割合が多い」の合計)が50.9%で最多でした。これに対し、自社SNS運用は「内製主導」(「完全に内製」と「内製の割合が多い」の合計)が41.5%と比較的高く、社内で運用しやすい領域であることが分かります。一方で、インフルエンサーマーケティングは「外注主導」39.3%、「半々」26.6%、「内製主導」19.6%という構成となり、社内完結しづらく、かつ完全外注にも寄せ切れないという特有の運用難易度が表れた結果となっています。

過去と比べて増えたクリエイティブの傾向面では、SNS広告で「短尺動画の活用」(35.8%)、「クリエイティブの量産」(32.0%)、「UGC風・生活者素材の活用」(28.1%)が上位に並びました。自社SNS運用では「量産」(26.1%)、「生成AIの活用」(24.1%)、「短尺動画」(22.6%)が上位です。一方、インフルエンサーマーケティングでは「量産」(28.3%)、「短尺動画」(23.3%)が上位に挙がるものの、「特に変化はない」も24.2%ありました。全体としては動画化・量産化・AI活用が進む一方、インフルエンサーマーケティングではクリエイティブそのものより、契約形態や評価設計の見直しの方が大きな変化として捉えられていることがうかがえます。

インフルエンサーマーケティングは単発から長期へ、評価軸も露出から行動へ広がる
インフルエンサーマーケティングの方針について、過去から現在への変化を見ると、「単発のタイアップ/PR投稿(固定報酬)」は23.9%から16.4%へ、「商品提供(ギフティング)」は26.6%から19.1%へ低下しました。他方、「長期契約(アンバサダー契約等)」は16.9%から25.1%へ、「成果連動」は6.7%から11.9%へ、「固定+成果のハイブリッド」は4.8%から7.5%へ上昇しました。短期的な露出を取りにいく発想から、継続的な接点をつくりながら成果も追求する発想への転換が進んでいます。

インフルエンサーマーケティングにおける重視KPIにも変化が見られます。最も重視する指標として、「来店・予約」が22.7%から24.6%へ、「クリック/流入」は12.4%から15.7%へ、「指名検索」は2.7%から7.2%へ、「再生・リーチ数」は6.7%から8.4%へ上昇しました。単純な獲得や認知だけでなく、比較検討や送客、来店といった中間から下流の行動まで含めて評価する流れが強まっています。特に指名検索の伸びは、インフルエンサーマーケティングが比較検討の入口やブランド想起の装置として評価され始めていることを示していると言えます。

さらに、インフルエンサーの選定基準にも変化が見られました。「フォロワー属性」は43.7%から27.6%へ、「フォロワー数」は43.1%から34.5%へ低下した一方で、「エンゲージメント率」は22.0%から28.2%へ、「フォロワーとの距離感」は17.1%から23.3%へ、「クリエイティブ」は11.9%から19.5%へ、「コストパフォーマンス」は12.8%から17.6%へ上昇しました。選定基準が、誰にどれだけ届くかという量の評価から、どんな反応が起きるか、どのように表現できるかという質の評価へ移っていることが鮮明になっています。

最大の壁は効果測定と社内説明、今後は長期・ハイブリッド型が主流へ
現在の課題としてもっとも多かったのは「効果測定が難しい」の49.0%でした。続いて、「社内でKPIの合意が取りにくい」(30.3%)、「計測環境が十分でない」(30.2%)が並びます。さらに、「インフルエンサーとのコミュニケーションが難しい」(28.4%)、「コンプライアンス対応の負荷が大きい」(25.2%)、「ブランド毀損/炎上リスクが不安」(23.4%)も高水準でした。施策そのものへの関心や必要性が低いのではなく、評価しづらいこと、運用負荷が高いこと、社内で説明しにくいことが実務上のボトルネックになっている構図です。

こうした状況を踏まえると、今後のインフルエンサーマーケティングにおける報酬体系が「長期(アンバサダー契約等)を中心にしたい」(31.8%)、「固定+成果のハイブリッドを増やしたい」(25.3%)に集まっている点も示唆的です。「単発の固定報酬を中心にしたい」は15.7%にとどまり、今後の主流は単発発注ではなく、継続的な関係構築を前提としつつ、必要に応じて成果要素も組み合わせる設計と考えられます。固定報酬だけでも、完全成果報酬だけでもない中間解へのニーズが高まっていることがうかがえます。

パーソルテンプスタッフ株式会社 最高マーケティング責任者CMO・友澤大輔氏による解説コメント
今回の調査結果には非常に納得感があるとのことです。SNSやインフルエンサー施策は、もはや認知を広げるためだけのものではなく、事業成果にどうつなげるかまで含めて期待される施策になってきたと感じられるとしています。背景にあるのは、やはりメディア接触の変化です。特に若い世代では、テキストより動画に自然に触れる時間が長く、親和性の高いマイクロインフルエンサーの発信の方が人を動かしやすい場面も増えています。一方で、SNSは検索広告のようにラストクリックで効果を説明しにくく、間接的な態度変容をどう捉えるかが難しい領域でもあります。だからこそ、単純なリーチではなく、行動変容やエフェクティブリーチまで見ながら、小さく試して実績を積み上げ、社内で説明できる形にしていくことが重要だとコメントされています。
調査概要
調査名:マーケティング担当者1,200人のSNS広告およびインフルエンサーマーケティングに関する"過去・現在"比較調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2026年3月16日〜3月19日
有効回答数:企業でマーケティング業務に従事する担当者1,221名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。

会社概要
会社名:株式会社Macbee Planet
代表者:代表取締役社長 千葉知裕
所在地:東京都渋谷区渋谷3-11-11
資本金:2,635百万円(2025年4月末現在)
設立日:2015年8月25日
事業内容:成果報酬マーケティング事業
出典元:株式会社Macbee Planet











