記事の概要

楽天市場・Amazonなどネットショップ運営代行をはじめ、モール通販を中心にECサポート・ECコンサルティングを行っているサヴァリ株式会社が運営するYouTubeチャンネル『ECの未来』では、ECに関わるさまざまな方をお呼びして、その方たちの得意ジャンルのお話をMCである株式会社柳田織物の柳田敏正さんと対談形式でお届けしています。

今回は、アンファー株式会社の執行役員である吉岡真実子さんに、新たな市場創出に向けた取り組みをお話いただく回をご紹介いたします。

【ゲストスピーカー】
吉岡 真実子さん
アンファー株式会社 執行役員
アンファースカルプD公式通販「予防医学のアンファーストア

【チャンネルMC】
柳田 敏正さん
株式会社柳田織物 代表取締役
ワイシャツ専門店「ozie(オジエ)

スキンケア、フェムケア、妊活まで。クリニックを起点にした悩みに寄り添う事業展開

柳田さん:アンファーさんは、スカルプDを起点に、ブランディングの観点で企業文化が形成されている印象を受けています。スカルプDはオンラインだけでなく、店頭でも販売されていますよね。

吉岡さん:「スカルプD」に加え、「ネクスト」というスカルプDの入口のようなコンセプトで価格も半額程度の商品、さらにオーガニックシャンプーも販売しています。それぞれ商品によって販路を変えており、ドラッグストアやバラエティショップ、家電量販店などで購入できる商品もあります。

柳田さん:家電量販店ですか?

吉岡さん:はい。実はドライヤーや頭皮マッサージ機器も販売しており、それらと組み合わせて隣に陳列していただいています。

柳田さん:関連商品を組み合わせるのは王道な手段ではありますが、それを実現できる技術があるというのは強みですね。

吉岡さん:髪の毛や頭皮に関する研究に長く取り組んできているため、さまざまな商品に展開できています。

柳田さん:多くのお客様が専門家から商品を購入したいと考えているのであれば、より専門性や技術を訴求しても良さそうに思いますが、薬機法の観点では難しい部分もありますよね。18年の歴史を持ち、クリニックからスタートしているという背景を踏まえると、ブランディングにとどまらず、お客様の要望に応える取り組みを他にも行っているのでしょうか?

吉岡さん:長年ご支持いただいているスカルプDを引き続き販売していくのはもちろんですが、アンファーのミッションとして「人生を明るく楽しく過ごすプロダクトを世の中に届ける」ことを掲げています。そのため、他人に言いづらい悩みを解決する新しい商品やブランドを展開しています。

例えば昨年、女性向け検診施設を有楽町に開設しました。背景として、企業の健康診断は昭和の時代に男性向けに設計された内容がベースとなっており、婦人科検査や乳がん検査がオプション扱いになっているケースがあります。

費用補助を行う企業も増えていますが、ご自身で追加費用を負担して婦人科検診を受けることにハードルを感じる方もいます。また、婦人科検診を同時に受けられる施設は限られており、検査を受けにくい環境にあります。こうした課題に対し、スタッフ・患者ともに女性のみとし、必要な検査を一通り受けられる検診施設を開設しました。

さらに、婦人科に関する悩みの多くはデリケートゾーンの適切なケアによって軽減が期待できるため、「Femtur(フェムチャー)」という女性向けデリケートゾーンケアブランドも立ち上げています。

また、AGAクリニックに来院される美容意識の高いお客様を対象とした取り組みも行っています。薬の副作用で体毛が濃くなるケースがありますが、同じフロアにある医療クリニックで対応可能ですし、肌のケアに関する相談も受け付けています。普段通っているクリニック内であれば相談しやすいというニーズに応え、さまざまな悩みに対応できる環境を整えているのです。

柳田さん:若い世代では肌のケアをしている方も増えていますよね。

吉岡さん:そうですね。特にスカルプDを長くご利用いただいているお客様へのインタビューやオフ会でお話を伺うと、「肌のケアにも興味はあるが、何から始めていいかわからない」という声が多くありました。そのため、メンズ向け美容商品も展開しています。

複数のアイテムを使うのは手間だという声もあるため、オールインワンジェルを採用しています。また、泡で洗顔とシェービングを同時に行える洗顔料などを展開する「DISM(ディズム)」というブランドも立ち上げました。さらに、男性向けの妊活プロテインも提供しています。

柳田さん:男性の妊活についても相談を受けているのですか?

吉岡さん:はい。クリニックでお話を伺う中で、不妊の要因が男性側にあるケースも認識されつつありますが、相談先がわからないという声が多くあります。そのため、当院では男性不妊外来を設けています。専門医の診療に加え、治療だけでなく日常的なケアの重要性も重視しており、その考え方はスカルプDの取り組みとも共通しています。

柳田さん:男性のエイジングケアの一環として化粧品を使おうと思っても、継続が難しいことがありますよね。普段通っているクリニックをきっかけに継続できる環境があるのは良いですね。

情報発信で文化を育てる。新たなケア習慣で拓く新市場

吉岡さん:ここまでお伝えした内容だけを見ると順調に進んでいるように感じられるかもしれませんが、実際にはまだ改善の余地がある状況です。私のようなEC・販売担当の立場では、より商品を購入しやすいサイトにしていく必要がありますが、これまでスカルプDに最適化してきたため、現状はスカルプDが購入しやすい設計になっています。

柳田さん:メイン商品であれば、ある程度は仕方ない部分もありますよね。

吉岡さん:今後は各プロダクトに合わせて、それぞれに最適なUI/UXや仕組みを段階的に整備していく必要があると考えています。もう一つのミッションとして、カテゴリーごとの文化を醸成するというものが挙げられます。

例えば「デリケートゾーンケア」や「メンズ美容」「男性妊活」といったテーマが、「スカルプケア」のように一つの文化として認識される状態を目指しています。そのためには、より多くの方に知っていただく必要があり、現在はチャレンジの段階にあります。

柳田さん:お話を伺うと、現状ではリアルの接点を活かすことが有効に思えます。コンテンツやメールマガジンなどを活用することで、認知を高めていくことも可能ではないでしょうか。特に男性の場合、まだ使い方自体が十分に浸透していないケースも多いと思います。フェムケア領域では、コンテンツ発信が活発ですよね。

吉岡さん:他の市場にも共通しますが、文化を醸成していく段階では、自社だけでなく同じ領域に関わる企業とともに市場を盛り上げていきたいです。「なぜ必要なのか」「どのような価値があるのか」といった情報を医療の視点から発信する媒体は多く存在しており、販売に直結しなくても継続的に取り組むことが重要だと感じています。

柳田さん:情報発信を続けることで、あるタイミングで大きく伸びる可能性もありますよね。御社の場合はクリニックを持ち、専門性を備えている点が強みだと感じます。

吉岡さん:専門性やバックボーンがあるため、社員としても自信を持って販売できる点は大きいです。

柳田さん:それは非常に重要ですね。確信を持てない商品は販売しづらいですから。

吉岡さん:私自身、過去に他社で勤務していた際には、そのように感じる場面もありました。それでも販売しなければならない状況は大きな負担になるため、自信を持って提供できることは、社員にとっても重要だと感じています。

柳田さん:スタッフ自身が納得していなければ、継続的な販売にはつながりにくいですよね。

吉岡さん:そうした前提があるからこそ、新しい取り組みにも前向きに挑戦できているのだと思います。

柳田さん:専門性や品質への信頼があるからこそ挑戦ができ、それが新しいアイデアにもつながっているのでしょうね。

吉岡さん:その点は間違いないと思います。お客様に実際に商品を使っていただければ価値を感じていただけると考えているため、安心して取り組むことができています。

柳田さん:ECに限らず、情報取得の手段が多様化する中で、薬機法の制約がある領域は難しさもあると思いますが、さまざまな形でカテゴリーや商品の魅力を発信していく取り組みが重要だと感じました。

おわりに:コンテンツで市場を育てる、ブランド育成の新たなアプローチ

スカルプDを起点に専門性と信頼を築いてきたアンファーは、新たなカテゴリーを“文化”として育てるフェーズに進んでいます。単に商品を販売するのではなく、ケアの必要性や背景を伝え、習慣や価値観の浸透を図る取り組みにおいて、医療知見を活かした情報発信や、これまで培ってきた信頼が基盤となっています。

自社商品のブランディングにとどまらず、消費者の意識変化にも働きかける姿勢は、新たな市場の創出に取り組むEC事業者にとって参考になる取り組みといえるでしょう。

EC市場の真の発展に貢献をという想いで、「ECの未来」を運営しているサヴァリ株式会社は楽天市場・Amazonなどネットショップ運営代行をはじめ、モール通販を中心にECサポート・ECコンサルティングを行っています。EC運営に不安を抱えている事業者様は問い合わせてみてはいかがでしょうか。

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