米国富裕層ファミリー観光客の訪日ニーズ調査、Synk株式会社が実施~約7割が「自分時間の確保」に課題

Synk株式会社(本社:神奈川県鎌倉市、代表取締役:菅原沙耶)は、株式会社Koeeruの協力のもと、米国に在住する高級志向のファミリー観光客100名を対象とした定量調査を実施しました。この調査結果は、日本における観光産業の新しい市場機会を示唆するものであり、「富裕層インバウンド戦略」における基礎データとして活用できる内容となっています。

調査の目的について

訪日観光における消費額が過去最高を更新し続ける中で、富裕層のファミリー観光客が持つニーズに関する定量的な基礎データは限定的な状況にあります。今回の調査では、米国の富裕層ファミリーが訪日する際に直面している「課題とニーズの定量化」と「自社ビジネスドメインにおける市場の特定」、そして「トレンドの把握」を目指して実施されました。同時に、次の4つの仮説を検証するため、富裕層ファミリーにおける行動・消費傾向に関するデータが収集されています。

1. 富裕層ファミリーは『未開拓市場』である

2. 年間450億円~650億円の市場機会が存在している可能性がある

3. 「ファミリー観光」が訪日観光における新たな成長要因になる可能性がある

4. 地域観光産業への広域分散型シフトが期待できる

調査の概要

調査対象は、米国在住で日本旅行に興味を持っている、もしくは過去3年以内に訪日経験がある方とされています。また、旅先では常に4つ星以上のホテルに宿泊し、0~15歳の子どもを持つ方に限定されています。

サンプル数は100名(有効回答数)で、オンライン定量調査の方法により、2026年1月に実施されました。

今回の調査方法の特殊性として、旅先で常に4つ星以上のホテルに宿泊するファミリー層に限定することで、「高級志向消費者」のみをターゲットにしている点が挙げられます。一般的なインバウンド調査との相違点は、「消費能力」と「消費意欲」の両立を前提としていることです。一般的なインバウンド調査が「訪日客全体」の平均像を把握することを目的とするのに対して、今回の調査は「富裕層セグメント」における詳細なニーズ把握を目的としています。

主要な調査結果:富裕層ファミリー観光客の実態

「ME TIME課題」:約7割のファミリーが旅先での自分時間の確保に制限を抱えている

訪日ファミリー観光客の過ごし方に関して、「スパやレストランなど大人向けアクティビティをどのように楽しむか」という質問が行われたところ、36%が「自分の時間を持つことは諦めている(スキップ)」と回答しました。24%が「親が交代で子どもの面倒を見る」、さらに6%が「ホテルに子供だけ置いて行く」と答えており、合計で約7割のファミリーが旅行中に自分の時間を持つことに関して本質的な解決策を持っていないことが明らかになりました。

高額な消費能力と市場機会:59%が$600/日以上の支出を予定

調査対象者の59%が、航空券を除いた1日当たりの予算として$600以上を計上しており、そのうち21%は$1,000以上を予定していることがわかりました。

市場規模の推定として、米国の富裕層ファミリーが訪日するケースは年間推定20万組(60万人)とされています。もし各組あたり平均$1,500(3泊分のプレミアム託児サービス利用)を追加支出した場合、総市場規模は約$3億~$5億程度と推定されています。

質の高い体験への需要:40%がファインダイニング、34%が文化イベントを優先

子連れの制限がないと仮定した場合の理想的な過ごし方について、40%が「ファインダイニング・夜間の食事」を最も重要な目的として挙げています。さらに34%が「文化イベント・観劇」を希望するなど、ファミリー観光客が質の高い体験機会を求めていることが判明しました。

訪日目的の最大関心事は「文化体験」:48%が文化遺産を優先

調査対象となったファミリー層の48%が、訪日時の最大の目的を「文化遺産:寺院・伝統文化」として位置付けています。約半数が「文化体験を目的」としている一方で、「親が自由に文化体験できる環境」が現在整備されていない状況が浮き彫りになりました。

複数回利用ニーズ:66%が訪日期間中に2回以上の利用を想定

「訪日期間中、ME TIMEを確保するために託児サービスを何度利用したいか」という質問に対して、52%が「2~3回」、14%が「4回以上」と回答し、合計で66%が複数回の利用を想定していることがわかりました。

このことは、旅行会社やOTA、地元の観光業者にとって、託児と体験を複数のシーンで組み合わせて収益向上を模索できる可能性を示しています。

子ども向け文化教育ニーズ:62%が伝統遊び、42%が日本語学習を希望

託児サービスを利用する際に子どもに提供してほしい体験について、62%が「伝統遊び(折り紙・書道・日本文化・マナー学習)」を選択し、42%が「日本語基礎学習」を希望しています。親たちは、自分の時間を確保しながら、同時に子どもたちの「教育的・文化的機会」も重視していることが明らかになりました。Synkが提供するプレミアムチャイルドケアサービス「Family Concierge」は、「託児」を「子供を預ける」から「家族全体の体験向上」へのシフトを可能にするものです。

調査協力を行った株式会社Koeeru担当者の考察

今回の調査を担当した株式会社Koeeruの代表取締役COO マイケル・マクドウェル氏は、調査結果について次のようにコメントしています。

「Koeeruは、データを通じて顧客の『本当の声』を捉えることを大切にしています。今回のケースにおいて、その声は明確でした。富裕層の海外ファミリーは日本に強い魅力を感じている一方で、その魅力を十分に体験できていないということです。多くの観光領域における調査は、ファミリー旅行特有の細やかな実態を捉えきれておらず、特に保護者が直面する『体験のギャップ』を十分に可視化できていません。今回の調査結果は、子ども連れで旅行する富裕層ファミリーには、家族のケアと、日本ならではのハイエンドな文化・食体験を両立することの難しさという、いまだ満たされていない大きなニーズが存在することを明確に示しています。」

今後の展開について

Synk株式会社および株式会社Koeeruは、今回の調査結果を踏まえて、今後業界を超えてさらなる価値を提案していくとしています。Synkのラグジュアリー業界ネットワークとKoeeruのグローバルリサーチ力を掛け合わせ、訪日富裕層ファミリーのインサイトを活用したサービス開発・業界啓発を行っていく予定です。

なお、今回の調査は、神奈川県主催のKSAP(かながわ・スタートアップ・アクセラレーション・プログラム)および東京都女性ベンチャー成長促進事業Women第10期生採択事業者として調査費用および現地(NY)ユーザーへのマーケティング活動に対する支援を受けて算出したデータとなります。

現地ファミリー層にユーザーインタビューを行った東京都女性ベンチャー成長促進事業 APT Women NY プログラムでの様子

企業紹介

株式会社Synk

所在地:神奈川県鎌倉市

代表取締役:菅原 沙耶

事業内容:旅行業法に基づく旅行業、保育所および託児所運営、訪日外国人向けコンシェルジュサービスの提供、保育士・ベビーシッターその他育児支援人材の育成、産前産後ケア事業

設立:2022年

Synk株式会社は、訪日富裕層ファミリー向けに国家資格保育士によるプレミアムチャイルドケアサービス「Family Concierge」を提供しています。

ラグジュアリーホテル、旅行会社、三次救急病院小児科と連携し、文化体験・医療・ウェルネスなど、多様な体験のデザインを行っています。

また、東京都女性ベンチャー成長促進事業 APT Women 第10期生、神奈川県 KSAP シード編・アーリー編 採択企業として、行政・地域と連携しながら、"Luxury for Good – 世界に日本のホスピタリティを"の理念のもと事業を拡大しています。

2025年11月には世界最大級の投資家データベース 「PitchBook Data(Morningstar Inc.グループ)」 に掲載され、2025年12月にはParent Timeが日本の優れた商品・サービスを認定し、国内外に発信するプログラム「OMOTENASHI Selection 2025 第2期にて 特別賞(グローバル賞)」を受賞しました。

株式会社Koeeru

所在地:神奈川県鎌倉市神奈川県鎌倉市扇ガ谷1丁目8-1

ベトナム支社:Floor 17, Ngoc Khanh Plaza, No 1st Pham Huy Thong, Ba Dinh, Hanoi, Vietnam

代表取締役社長:長野 草児

事業内容:顧客の声(VOC)を起点とするカスタマーデータプラットフォームの開発・運用および、同プラットフォームを活用したグローバル分野に特化したリサーチ、顧客体験(CX)改善、マーケティング最適化支援。

設立:2021年

出典元:Synk株式会社

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