
AnyMind Group株式会社(エニーマインドグループ、代表取締役CEO:十河 宏輔)は、完全子会社であるAnyMind Japan株式会社を介して、化粧品・美容雑貨領域でブランド流通と自社ブランドの企画・販売を手掛ける株式会社サン・スマイル(代表取締役社長:田中徳也)の全株式を取得し、子会社化することを決定したと発表しました。
同社は、M&Aによる事業基盤の強化を継続して実施しており、今回の案件は13社目のM&Aで、日本企業としては7社目となります。
この記事の目次
子会社化の背景と目的について
AnyMind Groupは2016年にシンガポールで創業し、現在アジア15ヵ国・地域においてブランド企業向けに、EC・マーケティング・流通を統合的に支援するBPaaS(Business Process as a Service)モデルを提供しています。日本市場をはじめとするアジア各国では、ソーシャルメディアを通じた情報接触や購買行動の変化を背景として、ソーシャルメディアマーケティングとソーシャルコマースを中心とした事業を展開してきました。
特に美容・パーソナルケア領域では、SNSを起点として情報に接触し、コンテンツ視聴を経て購買意欲が形成され、ECでの購買から実店舗での販売へと波及する消費者行動が定着しつつあります。2025年夏以降、日本市場でTikTok Shopなどを中心に本格展開が進むことで、視聴から購入までをオンライン上で完結できるソーシャルコマースの拡大により、ブランドの認知形成から購買に至るまでのプロセスにおいて、デジタルチャネルの重要性は一層増大しています。
このような市場構造の変化を受けて、同社は2025年10月にNADESHIKO Beauty株式会社を完全子会社化しました。商品レビューなどの縦型ショート動画を中心としたコンテンツを自社メディアとして継続的に創出する体制を整備することで、認知から購買検討に至るプロセスにおける支援を強化してきました。
統合によるシナジー効果とクロスセル機会の拡大
今回のサン・スマイル社のグループ参画により、AnyMind GroupはソーシャルメディアマーケティングとEC支援に加えて、オフライン流通までを含めた包括的なブランド支援体制を整備します。これにより、両社がそれぞれ保有する顧客基盤を相互に活用し、サン・スマイル社が支援するブランドに対してはマーケティングとEC支援を、同社の既存顧客に対してはオフライン流通を含む展開支援を提供するなど、双方向のクロスセル機会を拡大していきます。さらに、SNS・ECで生み出された需要を実店舗での販売へとつなぐまでを、一貫して支援できる体制を構築します。
また、オンラインとオフラインを分断することなく一体として設計・活用する「OMO(Online Merges with Offline)モデル」の視点からも、オンライン(SNS・EC)で蓄積されるデータと、サン・スマイル社が保有するオフライン流通に関するデータや知見を統合することで、販売チャネルを横断した需要創出とブランド成長の最適化に取り組んでいきます。
同社は、AIネイティブなオペレーション基盤とデータ分析・活用の仕組みを中心に、商品企画からマーケティング、販売、流通までを横断的に進化させ、ソーシャル、EC、オフライン流通が有機的に連携する次世代のブランド支援インフラの構築を推進していく方針です。
※1:ブログ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、動画共有サイトなど、利用者自身が情報を発信・共有し、双方向のコミュニケーションを通じて形成されるメディア
※2:ソーシャルメディアを活用し、認知拡大、ブランド構築、顧客との関係強化などを目的として行われるマーケティング活動の総称
※3:ソーシャルメディア上での投稿、レビュー、ライブ配信などの交流を通じて、商品の発見から購買までを一体的・シームレスにつなげる販売手法
※4:実店舗とECサイト、アプリ、SNSなど、あらゆるチャネルで取得される顧客データを統合し、オンラインとオフラインを横断した一貫性ある顧客体験を提供する手法
サン・スマイル 代表取締役社長 田中 徳也氏のコメント
サン・スマイル社はこれまで、化粧品・美容雑貨領域において、商品企画力と流通ネットワークを基軸として、ブランドの価値創出と市場拡大に努めてきました。近年、SNSやECを起点としたブランド形成が加速する中で、オンラインとオフラインを横断した一貫性のあるブランド支援や、データ活用を前提とした事業運営の重要性がますます高まっていると認識しています。
今回、AnyMind Groupに参画することによって、同社が培ってきた流通・企画の強みと、ソーシャルメディアマーケティング、EC、AI活用に強みを持つAnyMindのアセットを組み合わせ、ブランド企業に対してこれまで以上に高度な支援を提供できると考えています。今後は、両社の知見と基盤を融合することで、ブランド成長を支える新しい仕組みの構築を加速させ、日本市場における価値創出をさらに進化させていきたいとコメントしています。
AnyMind Group 代表取締役CEO 十河 宏輔氏のコメント
SNS発の情報接触を起点として、EC、そして小売へと購買行動がシームレスにつながる市場構造が一段と進展する中、ブランド企業の成長に必要とされる支援の在り方も大きく変化しています。
サン・スマイル社が長年にわたって築いてきた全国規模の流通ネットワークと企画力は、同社のBPaaSモデルが持つブランド支援機能と非常に高いシナジーがあると考えられます。
両社の強みを組み合わせることで、オンラインとオフラインを融合したOMO支援を一層強化し、AIを活用したオペレーション高度化やデータドリブンなマーケティングを実現することで、AI時代の次世代小売モデルを共に構築していきたいと考えています。生産性向上と成長可能性の拡大を両立する新たな価値創造を通じて、国内外のブランドが日本市場で長期的に成長できる環境づくりを今後も加速していくとコメントしています。
株式会社サン・スマイルについて

サン・スマイル社は1997年の創業以来、化粧品・美容雑貨領域でメーカー・流通・卸売の三機能を有する事業モデルを展開しています。自社ブランド開発、海外ブランドの日本展開支援、全国の小売店への流通まで一貫して担える体制を強みとして、幅広い商品提供と強固な小売ネットワークを基盤とした事業を確立しています。
会社概要
会社名:株式会社サン・スマイル
所在地:東京都港区六本木3-5-27 六本木山田ビル3F
代表者:代表取締役社長 田中 徳也
事業内容:化粧品及び美容雑貨の企画・販売・ODM
AnyMind Groupについて

AnyMind Groupは、2016年にシンガポールで創業し、アジア市場を中心に15ヵ国・地域に拠点を構えるテクノロジーカンパニーです。ソーシャルマーケティングやソーシャルコマースを起点として、ECからオフライン流通までを横断するBPaaS(Business Process as a Service)モデルを通じて、データとオペレーションを一体的に提供し、ブランド企業の事業成長を支援しています。東証グロース上場(証券コード:5027)となっています。
出典元:AnyMind Group株式会社











