【調査】卸売業・小売業の生成AI認知度は88.2%、活用率は24.3%にとどまる|アルダグラム調査

現場DXサービス「KANNA(カンナ)」を運営する株式会社アルダグラム(本社:東京都港区、代表取締役:長濱光)は、卸売業・小売業に従事する500名を対象に実施した生成AIの活用実態調査の結果を発表しました。

この調査では、生成AIの認知度は88.2%と高い一方で、活用率は24.3%にとどまることが明らかになりました。また、導入を阻む最大の要因は技術やコストではなく「必要性を感じない」(41.3%)という意識面であることがわかりました。一方で、すでに活用している層の85.1%が業務効率向上を実感しており、生成AIが生産性向上に大きく貢献していることも確認されています。

調査背景

激化する市場競争や消費者ニーズの多様化、さらには深刻な人手不足に直面している卸売業・小売業界では、業務効率化と顧客体験(CX)の向上が経営の最重要課題となっています。こうした課題解決策として、需要予測や在庫管理の最適化、パーソナライズされたマーケティング、24時間対応の顧客サポートなど、生成AIの活用に大きな期待が寄せられています。

最前線で顧客と接するこの業界が、新たなテクノロジーとどのように向き合っているのか。株式会社アルダグラムは「現場業務×生成AI」の視点から、卸売・小売業におけるAI活用の実態と課題を明らかにするため、本調査を実施しました。

調査概要

調査名:「卸売業・小売業の生成AI活用の実態調査」

調査方法:インターネット調査

調査期間:2025年6月15日~2025年6月17日

調査対象:卸売業・小売業に従事する全国の20代~60代男女500名

主なポイント

卸売業・小売業界の生成AI認知は9割に迫るも、活用率は2割強にとどまる

一方、活用者の約8割超が業務効率向上を実感、期待効果は「業務時間の短縮」

非活用層の壁は「必要性を感じない」、コストより"意識"が課題

生成AI認知 約9割、活用率は2割にとどまる

生成AIについて「よく知っている」「名前は知っているが詳しくはわからない」を合わせて88.2%が生成AIを認知していることがわかりました。一方で、業務での活用率は24.3%にとどまり、"理解と実践のギャップ"が鮮明に表れています。認知しながらも「活用予定もない」層が49.9%を占めるなど、関心はあるものの一歩を踏み出せないサイレントマジョリティの存在が明らかになりました。

活用者の約8割が「週1回以上」利用、日常業務に定着

生成AIを業務で活用している層にその利用頻度を尋ねたところ、「ほぼ毎日」(26.2%)、「週に数回」(40.2%)、「週に1回」(11.2%)を合わせて77.6%となり、活用者の大半が日常的に利用している実態が明らかになりました。特に注目すべきは、4人に1人が「ほぼ毎日」利用していることで、これは特定の業務において生成AIがすでに不可欠なツールとして定着していることを示唆しています。

「ChatGPT」利用率 7割超で突出、次いで「Gemini」が続く

活用されている生成AIツールについては、「ChatGPT」が71.0%と圧倒的な支持を獲得しています。これに続くのが「Gemini」(37.4%)、「Copilot for Microsoft 365」(34.6%)となっています。調査からは、複数のツールを使い分ける動きが活発化しており、業務内容に応じて最適なツールを選択するという、より高度な活用が始まっていることが伺えます。

活用者の85%が「業務効率向上」を実感

生成AIを業務で活用している人に効果を尋ねたところ、「とても効果を実感した」(39.3%)と「ある程度効果を実感した」(45.8%)を合わせ、85.1%が業務効率や生産性の向上を実感していることがわかりました。特に、3人に1人以上が「とても効果を実感した」と回答している点から、生成AIが一部の業務を劇的に改善する高いポテンシャルを持っていることが読み取れます。

活用用途は「情報収集」がトップ

生成AIの具体的な活用用途について質問したところ、「情報収集・リサーチ」(64.5%)、「文章生成・要約・校正」(54.2%)、「書類の作成・管理」(36.5%)というオフィスワークに関連する項目がトップ3を占める結果となりました。現状では、多くの業界と共通するデスクワークの効率化が主な目的となっていることがわかります。一方で、「品質管理・検査」(10.3%)や「需要予測・在庫管理」(11.2%)といった、より現場業務に直結する用途での活用も始まっていることが明らかになりました。

最大の導入効果は「業務時間の短縮」約7割が実感。業務の"質"向上にも貢献

生成AIを活用して得られた、または期待する効果として、67.3%が「業務時間の短縮」を挙げており、これが最大の導入メリットであることが明確になりました。先の質問で85.1%が「効果を実感した」と回答した背景には、この圧倒的な時短効果があると考えられます。次いで「作業ミスの削減・品質の向上」(33.6%)、「業務プロセスの標準化」(29.0%)が続いており、生成AIが業務のスピードアップだけでなく、品質や正確性の向上といった「質」の改善にも大きく貢献している実態が見えてきました。

導入を阻む最大要因は「必要性を感じない」が4割超

生成AIを導入していない理由のトップには「業務上の必要性を感じないため」(41.3%)が挙げられました。技術面やコスト面の課題よりも前に"意識の壁"が立ちはだかっている状況です。前述の設問で活用企業の約7割が「業務時間の短縮」という明確な効果を実感していることとは対照的であり、活用者と非活用者の間には、生成AIに対する大きな「認識のギャップ」が生じていると言えるでしょう。

今後のAI活用意向、肯定・中立派が約6割

今後の生成AIの活用意向について尋ねたところ、「積極的に活用したい」(13.6%)、「機会があれば活用を検討したい」(23.0%)、「会社の方針や制度次第で検討する可能性がある」(21.2%)を合わせた、肯定的・中立的な層が57.8%と過半数を占める結果となりました。この結果からは、卸売業・小売業界におけるAI活用の潜在的なニーズの大きさを読み取ることができます。一方で、「あまり活用したいと思わない」(20.8%)と「全く活用したいと思わない」(21.4%)を合わせた否定的な層も42.2%存在しており、業界内で活用に対する意見が二分している状況も明らかになりました。

総論

生成AIは卸売業・小売業に大きな可能性をもたらす一方で、実際の業務利用率は24.3%にとどまっています。活用している企業の85.1%が効果を実感している反面、未導入層の4割以上が「必要性を感じない」と回答しており、生成AIの価値が十分に伝わっていない現状が明らかになりました。

今後は単なるバックオフィス業務の効率化だけでなく、顧客体験の向上や売上機会ロスの削減といった"稼ぐ領域"での成功事例を共有し、費用対効果を可視化していくことが重要になると考えられます。

さらに、企業が主体となってAI人材を育成し、適切な利用ガイドラインを整備することで、現在の認識ギャップを埋め、業界全体のDXを加速させる道が開けるでしょう。

出典元:株式会社アルダグラム「卸売業・小売業の生成AI活用の実態調査」プレスリリース

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