BtoB EC導入で毎月100店舗の新規顧客獲得を達成中!業務用馬刺しの利他フーズが、そのコツ・ノウハウ語ります!【セミナー体験レポート】
イベントの概要

BtoB-ECカートの楽楽B2Bを運営する株式会社ネットショップ支援室が、2021年7月29日(木)に、セミナー「BtoB EC導入で毎月100店舗の新規顧客獲得を達成中!業務用馬刺しの利他フーズが、そのコツ・ノウハウ語ります!」を開催しました。

馬刺しを中心とした食品・ペットフードを扱うECサイトを、BtoCから始まりBtoBでも運営している株式会社利他フーズ 代表取締役 猪本真也さんに、BtoB-ECを軌道に乗せるための取り組みについてお話しいただきました。

【登壇者】
株式会社利他フーズ
代表取締役
猪本 真也さん

株式会社ネットショップ支援室
代表取締役
山本 皓一朗さん

マネーフォワードケッサイ株式会社
決済事業本部 シニアマネージャー
岡本 創さん

BtoB-ECサイトがなぜ必要だったのか

利他フーズの成り立ち

猪本さん(利他フーズ):弊社は熊本に本社を置き、2012年の設立以来、馬刺しを中心とした食品をECで販売しています。もともとは創業者の倉崎が、熊本のおいしい馬刺しを全国に届けたい想いから、EC事業が始まりました。2016年からは、馬刺しの製造工程で出る商品にならない部位を有効活用したペットフードの販売も始めました。ペットフードの販売は、私が商品企画から手掛けた事業です。

現在、弊社では、自社サイト・モール出店合わせ合計10店舗のECサイトを運営しています。商品開発からマーケティング、クリエイティブ、広告運用、コールセンターまで、一気通貫で社内対応できることが弊社の特徴です。新規顧客の獲得においては、幅広い広告媒体を自社で運用することで、PDCAを高速化しています。

BtoB-ECサイト検討のきっかけ

猪本さん: BtoB-ECを検討しはじめたのは、創業当初から運営してきたBtoC-ECサイトにおいて、BtoCとBtoBの異なる 2つのニーズがあることがわかってきたからです。BtoCの個人のお客様は、おつまみやお取り寄せ、ギフトニーズがメインです。一方で、BtoBのお客様は飲食店様で、新鮮な馬刺しをお店で出すことで、売上向上や競合店との差別化をはかりたいというニーズがメインでした。

※ 個人のお客様は「晩酌」「お取り寄せ」「ギフト」のニーズがメイン
※ 飲食店のお客様は「売上UP」「競合との差別化」のニーズがメイン

しかし、1つのECサイトに、ニーズの異なるBtoCとBtoBのお客様が存在することで、お客様に最適なサービス・商品を届けることが難しくなっていきました。

BtoCのお客様とBtoBのお客様とでは、購入の単価・回数・頻度が違うため、LTVが大きく異なります。そのため、新規獲得にかけられるコストが異なり、新規獲得施策がBtoCとBtoBでそれぞれ必要になるのです。また、新規獲得施策と同時にCRM対策も行う必要がありますが、BtoCのお客様とBtoBのお客様に響く訴求はまったく異なります。たとえば、BtoCのお客様にはギフト訴求が有効ですが、BtoBのお客様には盛り合わせや利益の訴求が有効です。これが逆になってしまうと、お客様に響かないばかりか、ノイズとなってしまいます。

しかし、BtoCとBtoBのお客様を見分けたくても、明確な区別の方法がなく、購入商品から推測するしかない状況でした。また、当時、一つのサイトに担当者一人がついていたのですが、一つのサイトでBtoCとBtoB二つの売上がある状態では、担当者を分けたほうが良いと考えていました。

BtoB-ECサイトのための取り組み

まずは既存顧客のBtoB-ECサイトへの移行

猪本さん:BtoCとBtoBの2つのニーズに対応するために、BtoB専用カートとして楽楽B2Bを導入し、BtoBに特化したECサイトをスピンアウトすることになりました。ただ、もともとのBtoC-ECサイトはドメイン年数が長いこともあり、SEOが強く、何万人という顧客リストもありました。そこからBtoB-ECサイトをスピンアウトすることは、葛藤もありました。

従来のBtoC-ECサイトも利用できるBtoBのお客様に、新しいBtoB-ECサイトを利用してもらうために、BtoC-ECサイトにはないメリットづくりを行いました。まず、マネーフォワードケッサイ導入による、掛け払い決済などのBtoB専用の決済方法の提供です。また、飲食店向けの販促支援ツールを提供したり、BtoB限定の商品を販売したり、BtoCよりも値引き額の大きいクーポンを提供するなども行いました。

さらに、BtoC-ECサイトにおいて、さまざまな箇所にBtoB-ECサイトへと誘導するバナーを設置したり、メルマガや電話、FAXなどでの案内も行ったりして、全社を挙げて移行を促しました。BtoB-ECサイトの立ち上げ時に流入を増やすには、もともとBtoC-ECサイトにいるお客様に移行してもらうのがとても重要なことです。

BtoBにおいては電話やFAXなどのアナログな注文方法が根強いので、BtoB-ECサイトを作ったからといってすぐに移行してもらえるわけではありません。メリットを提示しながら粘り強く説明を続けていくしかないと思います。時にはクーポンの利用はすべてECサイトのみなど、半強制的なやり方も取り入れています。それでも、業界にもよりますが、アナログ注文を完全になくすことは難しいと思います。

株式会社利他フーズ 猪本 真也さん

新規顧客獲得には商品の魅力が必須

猪本さん:弊社では馬刺し商品の他に、ペットフードも販売しているのですが、これは既存顧客のいないゼロからの新規顧客獲得でした。ECを始めるうえでまず大事なのが商品です。売れない商品は何をしても売れません。何を売るのか、どういうお客様に届けたいのかを明確にしましょう。

また、商品設計も大事です。弊社では、お試し価格の商品をまず提案するようにしています。最初に1,000円くらいの価格で試せる商品を用意して、まずは顧客との接点を持ちます。一度顧客との接点を持つことができれば、さまざまなアプローチができます。ECにおいて、顧客リストは資産です。いかにお客様との関係性を築けるかを重視しています。

その上で、ECサイトを作る際には、最初はコストを抑えて販売できる方法を作るのが大事だと考えています。今は低コストで利用できるカートシステムもありますし、補助金を活用できる場合もあります。また、すべてを一人でこなすのは大変なので、BtoC、BtoBいずれにせよ、コールセンターや物流センターなど、成長のフェーズに応じた支援会社を活用するのもポイントです。

広告は新規顧客獲得に有効、こまかなテストを繰り返す

猪本さん:BtoB-ECサイトでの新規顧客獲得にあたっては、幅広い広告媒体で小規模なテストを実施しました。広告は、媒体によっては1日3,000円~5,000円程度でテストできます。媒体と同時に、クリエイティブのテストも行いました。小規模から始めて、テストを繰り返し、反応が良いところがわかったらそこにリソースを投入するのが、広告での新規獲得のポイントです。会社によって状況も異なるので、一回ダメでもあきらめず、こまかくテストを繰り返すと良いかと思います。

食品は利益率が低いため広告予算をかけにくいといわれることもありますが、弊社では、商品設計の段階で、利益率の低い商品を作らないように考えています。仕入れ価格や決済手数料、送料、モール手数料などを加味して粗利を算出し、その上で広告費をかけても問題ないよう設計しています。ただ、これは会社の方針によるので、テストを繰り返しつつ調整していくしかありません。

また、弊社では、いかに購入単価を上げるかを追求しています。まとめ買いで割引になったり特典がついたり、カートでのクロスセルやアップセルなど、どういった訴求がもっとも効果的か、こまかくテストしています。また、そもそもBtoBは顧客単価が数万円程度というように、顧客単価が数千円のBtoCとは異なる前提もあります。

BtoB-ECサイト立ち上げで課題解決

猪本さん:BtoB-ECサイトを立ち上げたことで、BtoB専用カタログの作成も行いました。これは、既存顧客の育成につながる施策です。それまでは、BtoCとBtoBのお客様を判別できなかったため、難しかった施策でもありました。

このように、BtoB-ECサイトを立ち上げたことで、従来のBtoC-ECサイトの課題を解決することができました。BtoCとBtoBそれぞれに1名ずつ担当をつけることもでき、互いに切磋琢磨することで好循環が生まれ、売上も成長しています。ECで売上を上げるためには地道な作業を多くこなす必要があるので、専任の担当者をつけて役割を明確にすることもポイントだと思います。

新規顧客獲得と合わせて顧客育成も

猪本さん:弊社のBtoB-ECでは、KPIとしてまず会員登録数を設定して、その後のF1(初回購入)、F2(2回目購入)へと移行する引き上げを追っています。引き上げが担保できれば、LTVが上がるので、新規顧客獲得のための広告予算にどのくらいかけられるのかも導かれます。

弊社の場合、会員登録したお客様の約7割が購入に至っています。これは、最初にお試し価格のフロント商品を出していることが大きいです。ここも、いくらの商品が良いのか、送料をどう扱うのが良いのか、自社に合う提案をいろいろとテストしました。

また、購入単価も目標に設定しているので、購入単価はもちろん、アクセス数や転換率、新規顧客獲得数、既存顧客獲得数なども日毎にチェックしています。弊社の場合、BtoB-ECの8~9割は既存顧客です。既存顧客の割合が高いのはBtoBに出やすい傾向で、逆に既存顧客が買わないことは、商品やサービスに問題があること可能性が高いです。

楽楽B2Bを使うことで、BtoB-ECにおいて、お客様によって表示させるバナーを変更できることも役立っています。また、メルマガも活用しており、週に3~4回は配信しています。配信頻度は会社や商材にもよるのですが、メルマガは見ない人は自然と抜けていくので、配信頻度が多めでも見る人は見てくれます。そのため、メルマガの影響は今も大きいのですが、LINEの利用者も増えているので、今後は積極的にLINEへの誘導を行っていく予定です。

セミナーに参加して:BtoBならではのメリットを出す重要性

左:株式会社ネットショップ支援室 山本 皓一朗さん
右:マネーフォワードケッサイ株式会社 岡本 創さん

今回お話ししてくださった利他フーズでは、もともとBtoC-ECサイト運営の知見があったところが、BtoB-ECサイトに活かされている点も大きいと感じました。そういった知見がない場合、あるいは余裕がない場合は、お話のなかであったように、アウトソースを利用することも大切です。

また、BtoB-ECサイトを利用してもらうために、BtoB-ECサイトを利用するメリット、理由づくりをするのは、多くのBtoB-ECに参考になる点です。そのために、楽楽B2BのようなBtoB専用カートシステムの機能を活用したり、マネーフォワードケッサイのようなBtoBならではの決済方法が利用できる決済サービスを導入したりすることが重要です。

BtoBのEC化率は30%を超えていますが、実際はEDI(電子データ交換)によるものが大きいとネットショップ支援室の山本さんとマネーフォワードケッサイの岡本さんはいいます。EDIの導入にはそれなりの費用が必要であるため、基本的には大手企業が中心に利用しています。一方で、中小企業のほとんどが受発注を電話やFAX、対面といったアナログな手段に頼っているそうです。

BtoB-ECはEDIよりも安価であるため導入しやすいですが、BtoB-ECサイトを取引先に利用してもらえるかどうかが、導入のネックになっているとお話されていました。BtoBにおいては、顧客が既存の取引手法をなかなか変えてくれない問題がよくあります。そこを乗り越えるために、BtoB顧客が利用したいと思わせるECサイトづくりと、丁寧な説明が重要です。

株式会社ネットショップ支援室
https://raku2bb.com/

マネーフォワードケッサイ株式会社
https://mfkessai.co.jp/

業務用馬刺し・馬肉の仕入れ専門店 利他フーズ(BtoB-ECサイト)
https://ritafoods.jp/

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