LINEヤフー、2024年度第3四半期決算発表:BEENOS買収でリユース事業の成長を強化
ニュースの概要

LINEヤフー株式会社(以下、LINEヤフー)は2025年2月6日、2024年度第3四半期決算を発表しました。全社売上収益は前年同期比6.0%増の5,034億円、営業利益は前年同期比43.7%増の821億円となっています。特にアカウント広告とPayPay連結の成長が増収増益を牽引しました。

セグメント別業績

メディア事業

メディア事業の売上収益は前年同期比3.4%増の1,867億円となりました。有償アカウント数の増加と従量課金の拡大により、アカウント広告が前年同期比19.7%増となっています。検索広告も前年同期比2.0%増加しました。一方で、ディスプレイ広告は特定の業種における広告出稿の減少の影響を受け、前年同期比2.1%減少しています。

戦略事業(フィンテックなど)

売上収益は前年同期比19.0%増の911億円となり、大幅な成長を遂げました。PayPayの連結業績が拡大し、決済取扱高の増加やリボ払いの利用拡大が収益成長を後押し。特に、PayPay銀行の住宅ローン事業の拡大や、LINE Pay台湾の成長が寄与しています。

コマース事業

売上収益は前年同期比3.1%増の2,258億円となりました。ショッピング、リユース、サービスECの各分野で異なる成長が見られます。

ショッピング

売上収益は前年同期比2.7%減の2,238億円となっています。一方で、Yahoo!ショッピングの取扱高は前年同期比9.5%増となり、特に年末商戦の影響で消費活動が活発化しました。また、ふるさと納税を含む各種キャンペーンが奏功し、取扱高の成長を支えました。さらに、LINEプラットフォーム上でのショッピングタブ導入が進み、シームレスな購買体験の提供が強化されています。

今後もキャンペーン施策を活用しながら、ユーザーエンゲージメントの向上を目指していくとのことです。

リユース

売上収益は前年同期比17.3%増の1,168億円となりました。一方で、国内リユース市場全体の取扱高は前年同期比で63億円減少しています。Yahoo!フリマの取扱高は前年同期比2桁%増と好調でしたが、Yahoo!オークションの取扱高は落札者数の伸び悩みにより前年同期比で減少しているとのこと。

市場の成熟が進む中、LINEヤフーはアプリ機能の拡充や配送サポートの強化を進め、国内リユース市場の成長維持を目指していくとしています。

サービスEC

売上収益は前年同期比16.3%増の1,005億円となりました。一休.comやYahoo!トラベルの予約数は前年同期比25.1%増となっています。特に、一休.comはラグジュアリー層の利用が増加し、Yahoo!トラベルでは季節ごとのプロモーションが成功を収めています。国内旅行需要の回復を受け、今後も旅行市場の成長を支える施策を進める予定です。

BEENOSの買収とリユース事業の展望

LINEヤフーは、BEENOS株式会社を約540億円で買収することを発表しました。これにより、リユース事業の越境EC取扱高を今後4年間で年平均10%成長させることを目標として設定。リユース市場の成熟が進む中で、越境EC領域での拡大に注力し、さらなる市場成長の取り込みを目指しています。

また、LINEヤフーの既存のリユースプラットフォームとBEENOSのグローバルネットワークを統合することで、国内外のユーザー基盤を拡大し、競争力を高める戦略を進めていくとのことです。

今後の展望

LINEヤフーは2024年度第3四半期の実績を踏まえ、特にコマース事業やフィンテック領域においてさらなる成長を加速する方針です。ショッピングタブの導入による利便性向上や、リユース市場の拡大を目指した施策を推進するとともに、年末商戦やプロモーション活動を強化し、収益基盤のさらなる拡大を図ります。また、PayPay銀行とのシナジーを活かした新たな金融サービスの展開にも注力し、事業の多角化を進めていくでしょう。

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