LINEヤフー、2024年度第2四半期決算発表:シームレスなショッピング体験とリユース市場の成長を推進

2024年11月5日に、LINEヤフー株式会社(以下、LINEヤフー)は2024年度第2四半期決算を発表しました。全社売上収益は前年同期比4.8%増の4,622億円、営業利益は同16.1%増の658億円を達成しています。ここでは、各事業の業績に触れたうえで、特にコマース事業の詳細について掘り下げていきます。

セグメント別業績概要

メディア事業

メディア事業

売上収益は前年比4.2%増の1,817億円となり、検索広告やアカウント広告が堅調に推移しました。LINEヤフーのプラットフォームを活用したアカウント広告は特に好調で、前年比18.0%増を記録しています。ディスプレイ広告では、市場成長率に対応するため、LINE VOOMやYahoo! JAPANアプリのリニューアルが進められており、今後のさらなる成長が期待されます。

戦略事業(フィンテックなど)

戦略事業(フィンテックなど)

フィンテック領域を中心に前年同期比16.8%増の812億円という大幅な成長を記録しました。特にPayPayの連結業績が引き続き堅調で、MTU(Monthly Transacting Users)の増加や利用頻度の上昇により決済取扱高も拡大しています。これにより、収益拡大フェーズへと移行しつつあります。

コマース事業

コマース事業

売上収益は前年同期比1.2%増の2,005億円を達成しました。ショッピング、リユース、トラベルといった各分野が成長を牽引し、LINE上でのショッピングタブ導入予定などの新たな取り組みによって顧客基盤も一層強化されています。さらなる成長が期待されるところです。

コマース事業の詳細

ショッピング

Yahoo!ショッピングやLINEギフトなど、人気サービスが引き続き堅調に推移しています。特にLINEギフトは、ユーザー間での気軽な贈り物のやり取りを促進するサービスとして、利用者層が広がっています。今後は利用シーンの多様化や利便性の向上を図るため、新たな商品カテゴリーやシーズンプロモーションの展開が計画されており、さらなる成長が見込まれるでしょう。

また、LINEプラットフォーム上でのショッピングタブ導入も重要な取り組みです。この機能によりYahoo!ショッピングやLINEギフトがLINEアプリ内でスムーズに利用可能になり、ユーザーにとってシームレスなショッピング体験が提供されます。年末商戦期に向けたプロモーションも各種実施予定で、新規顧客の獲得や既存ユーザーの利用頻度向上が期待されています。

リユース

Yahoo!オークションとYahoo!フリマが成長の柱となっており、それぞれ異なるユーザー層に支持されています。Yahoo!オークションは、嗜好性の高いアイテムや希少な商品の取引の場として利用され、高額商品を求めるユーザーに人気です。一方、Yahoo!フリマは、使いやすさとカジュアルなフリーマーケット体験が特徴で、スマートフォンユーザーを中心に幅広い層に利用されています。特に新規ユーザーの取り込みが進み、利用者層が広がりを見せています。

リユース市場全体の成熟が指摘される中、LINEヤフーではアプリ機能の拡充や配送サポート強化といったサービスの品質向上に努めています。為替の影響による海外需要の増加も追い風となっており、今後もこの傾向が維持されるよう、さらなる施策が進められる予定です。

トラベル

国内旅行需要の回復が背景となり、一休.comやYahoo!トラベルといったサービスが堅調な成長を続けています。特に一休.comは、ラグジュアリー層やワンランク上の宿泊体験を求める顧客に強く支持され、Yahoo!トラベルでも季節ごとのプロモーションや特典付きプランの展開によって予約数が増加しています。

年末年始の大型連休を前に観光需要がさらに高まる中、地域振興や旅行者向けキャンペーンが一層強化される予定です。また、AIを活用したパーソナライズ機能の導入やレビュー分析によるサービス改善も進められ、今後も利用者の期待に応える施策が展開されていくでしょう。

今後の展望と成長戦略

LINEヤフーは2024年第2四半期での成果を受け、特にコマース事業やフィンテック領域において、さらに成長を加速する方針です。ショッピングタブの導入による利便性向上や、リユース市場の成熟に対応したサービス強化を図ることで、顧客体験を引き続き充実させる計画です。また、年末年始の需要を見据えたトラベル事業の施策など、顧客のニーズに即した取り組みを進めることで、LINEヤフーのプラットフォーム全体の価値向上を目指しています。

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