
デジタルマーケティング施策を始めたが、いまいち効果が出ていない。もしくはリスティング広告などを活用することで「顕在層」を獲得でき効果が出ていたものの、「潜在層」にはアプローチできておらず、以前と比べて売上推移の鈍化やCPAが少しずつ悪化しているというマーケティング担当者の悩みをよく聞きます。
本記事では「SNS広告」と「LINE公式アカウント」を組み合わせて「潜在層」にアプローチすることで、目標CPAの30%でユーザーを獲得し(目標CPAより70%の改善)、EC売上の160%増加に成功した事例について解説します。
久保山 裕
株式会社ホリプロデジタルエンターテインメント 執行役員
新卒で大手広告代理店に入社。各業界のリーディングカンパニーを中心に、多くの企業のダイレクトマーケティングを支援。ある企業では支援前対比で売上180%を達成し、全社表彰を受賞。2021年にホリプロデジタルエンターテインメントに入社。0からマーケティング事業を立ち上げ、全社売上の50%を占める規模にまで成長させる。2024年より執行役員に就任。
支援スタート時の課題
今回ご紹介するのは、定額制コンタクトレンズ「dicon」の事例です。

diconを販売する粧美堂株式会社(東証・7819)では、弊社の支援前からリスティング広告やGDN広告、YDA広告といった「顕在層」向けのデジタルマーケティング施策を実施していました。当初は順調に成果が出ていたものの、少しずつ売上の伸びが鈍化。また「潜在層」向けの施策も一部始めていましたが、CPAが高く、改善余地がある状況でした。
SNSを活用したデジタルマーケティングを実施することでCPAを改善しつつ、売上を伸ばすことを目的として粧美堂様と弊社とのお取り組みが始まりました。
支援施策の全体像
本案件では「SNS広告(MetaとTikTok)」と「LINE公式アカウント」という2つの施策を実施しました。
本施策の狙いは2つあり、1つめはリスティングやGDN、YDAといった「顕在層」向けの施策ではリーチできていなかったユーザーに対して「SNS広告」でリーチすることです。
2つめはSNS広告でリーチした「潜在層」のユーザーと接点を持ち続けること。広告をクリックしてLPに遷移したものの、その場でコンタクトを買わないユーザーもいます。そういったユーザーに対して「LINE公式アカウント」を構築し、LINE友だち追加の案内をしました。LP来訪した見込みユーザーの離脱を何もせずに見過ごすのではなく、LINEに誘導することで「LP来訪ユーザーの資産化」を行いました。
以下は施策の全体イメージです。

各施策のポイント
①SNS広告
SNS広告のポイントは、ユーザーが「気になってついクリックしてしまう」ようなクリエイティブを制作することです。リスティング広告などでリーチする「顕在層」のユーザーは、課題や目的が明確です。例えばコンタクトであれば、すでに「良いコンタクトないかな」と探している状態なので、商品の効能や価格をダイレクトに訴求することも多いでしょう。
一方で「潜在層」に届けるSNS広告では、いきなり商品の説明をしてもスルーされてしまう可能性が高いです。そのため、例えばdiconであれば「10年間で約30万円もお得になる可能性がありますよ」という「節約効果」を打ち出したクリエイティブなどを制作しました。

また、広告配信実績よりAndroidを持っている方のCVRが高かったことから、iOSが主流な中でAndroidを敢えて選ぶユーザーは、価格や機能など総合的なパフォーマンスで判断する方が多いのではないかと仮説を立てて、Androidユーザー専用のクリエイティブを制作し、Android利用者に配信を行いました。
「潜在層」にアプローチするSNS広告では、「誰が・何を思っているのか」を考えて、フックになるポイントを打ち出すことで「気になってついクリックしてしまう」クリエイティブを制作することが大切です。
②LINE公式アカウント
LINE公式アカウントのポイントは、ユーザーと継続的にコミュニケーションを図ることで、商品に対する理解度や熱量を高めることです。広告やLPで伝えきることができなかった商品の魅力を、さまざまなコンテンツを通して紹介します。
以下は実際に配信しているコンテンツです。ユーザーのdiconに対する理解度を高めるため、「購入者のリアルな声」を紹介しています。

実際に配信しているコンテンツを、もうひとつ紹介します。こちらではdiconのお得な購入手順を案内して、ユーザーの熱量を高めることを目的としています。

なぜ「お得な購入手順」のような「買うきっかけ」を提供するコンテンツが有効なのかというと、「定額制コンタクト」という商品の特性上「新しいコンタクトが必要になるタイミング」はユーザーによって違うからです。
SNS広告を見て「dicon良いな。乗り換えようかな」と思ってもらえたとしても、例えばそのタイミングで未使用のコンタクトが1か月分残っていれば「いまはまだ買わなくていいかな」と離脱してしまう可能性があります。
そういったユーザーに「LINE公式アカウント」を登録してもらい、継続的にコミュニケーションを取れる状態にすることで、ユーザーそれぞれの「買いたいタイミング」でdiconを購入していただくことができるのです。
③SNS広告×LINE公式アカウント
最後に「SNS広告」と「LINE公式アカウント」という2つ以上の施策を組み合わせるときのポイントについてもお話しします。それは「SNS広告→LP→LINE公式アカウント」と複数の接点をまたぐときにユーザーが違和感を抱かないよう、シームレスなコミュニケーション設計を行うこと。
例えば接点ごとにメインカラーやトンマナが違うと「違う商品のページに飛んじゃったのかな?」と不安に感じるユーザーがいるかもしれません。その一瞬の違和感が離脱につながるのです。
冒頭に掲載した施策の全体イメージを再掲します。

本施策では「SNS広告」「LP」「LINE公式アカウント」それぞれのメインカラーやトンマナを統一することで、ユーザーがストレスなく遷移できる体験を設計しています。
成果
上記の施策を実施した結果、CPAは当初の約10,000円から70%低下の「約3,000円」となりました。
「SNS広告→LP→LINE公式アカウント」という「全体設計」を工夫することで、LPを訪れたが購入しなかったユーザーともコミュニケーションを取り続けることができるようになりました。またSNS広告、LP、LINE公式アカウントにおける「個々のクリエイティブ」も、「潜在層」というユーザーの性質や全体の統一感を意識して制作しています。
「全体設計」と「個々のクリエイティブ」という施策のマクロとミクロの両方を緻密に設計・制作することで今回のような高い成果が得られたと考えています。
おわりに
ホリプロデジタルエンターテインメントでは、SNSを活用して認知や売上を向上させたい企業様のマーケティングをご支援しております。弊社の特徴は以下の3つです。
①さまざまなタレントが在籍:弊社所属のタレントだけでなく、ホリプロ・グループ・ホールディングスに所属するタレントもキャスティング可能なため、商品に合ったタレントを起用したプロモーションを行うことが可能。
②SNSの豊富な知見:タレントのSNSを伸ばす再現性の高いノウハウを企業に提供。また、TikTok広告を活用したマーケティングで、多くの実績を認められたことにより「TikTok for Business SMB代理店リワード・プログラム」のGold認定を取得。
③マーケティングの豊富な知見:大手広告代理店でナショナルクライアントを担当していた優秀なメンバーがプロジェクトを担当。ホリプロデジタルが持つ①②の強みに、広告代理店出身者のマーケティング力をかけ合わせる事で、差別化された施策や効果を実現。
戦略設計からクリエイティブ制作、広告の配信、分析まで一気通貫でのご支援が可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。
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