
近年ECサイトの手法として増えてきたメディアEC。
この記事では、これからメディアECについて取り組んでみたいEC事業者さま向けに意味の解説から、事例の紹介などをしていきます。
この記事の目次
メディアECとは何?
メディアECとは、ECサイトとWebメディアを一体化させたWebサイトのことです。
ECサイトを単なる商品販売の場だけではなく、ユーザーにとって役立つ情報や興味を引くような独自性の高いコンテンツを発信することで、新しい集客につなげたり、ユーザーとのエンゲージメントを高めたりと、売上拡大や顧客満足度の向上を図ることを目的としています。
メディアECに取り組むメリット
そんなメディアECですが、実際に取り組むとどのようなメリットがあるのでしょうか。
複数ありますが、主なメリットはこの3つになるかと思います。
① 競合ECサイトとの差別化
独自性のあるコンテンツを発信することで、競合ECサイトと差別化を図ることができ、「このお店だから買いたい」と思ってもらえるきっかけを作ることができます。
例えば、ECサイトを運営する店長やスタッフが名前や顔を出して商品を紹介したり、会社やお店について歴史を話したりすると、そのお店独自の情報に付加価値が生まれ、商品や金額だけではない部分で差別化を図ることができます。
② さまざまなチャネルからの集客につながる
ユーザーにとって役立つ情報を記事コンテンツで発信した場合、SEOで検索上位を取り集客ができる場合があります。また、作った記事コンテンツの内容をメルマガにしたり、SNSなどに横展開したりするなど、有効活用することでさまざまなチャネルから集客数の増加につなげられるでしょう。
③ 自社サイトのファン作りができる
①の差別化に近いですが、「このお店だから買いたい」と選んでもらったお客様にきちんとその後もコンテンツを発信しコミュニケーションをとり続けることで、また繰り返し買っていただけるコアなファンを増やすことにつながっていきます。コアなファンが増えていくことは、ECサイトの売上貢献につながっていくので非常に重要です。
メディアECの参考事例2選
ここからは、実際にメディアECの参考になる事例として2つのメディアECを活用されているショップさんを紹介していきます。
① 安芸の島の実さん

まずご紹介する安芸の島の実さんは、広島県で国産のオリーブオイルのブランドを展開しているショップさんです。
ショップ全体の写真が総じてクオリティが高く、お店の世界観を作りあげています。そしてそのクリエイティブをInstagramなどのSNSやメディアでも展開しており、全体を通しての雰囲気作りが非常に上手です。
「安芸の島の実とは」や「ブランドヒストリー」など、ショップやブランドの成り立ちや歴史を伝えることでお店の親近感・想いが伝わってきます。「品質のこだわり」という生産者からお客様への誠実なメッセージを伝えるコンテンツは顔の見えないネットショップであっても信頼性も高める上で効果的です。
コラムの中に自社の商品を使ったレシピコンテンツを展開。料理の作り方だけでなく写真もシズル感ある画像が多く、ユーザーを楽しませてくれます。

単体の商品ページだけでなく、コラムの中に新商品紹介コンテンツも作り、商品ページに載せていないバックグラウンドなどを紹介しているなど、商品の魅力をさらに伝える工夫が素敵。
② ハリコオンラインさん

次にご紹介するのは、「民芸品張り子」や「現代張り子」を制作、販売しているハリコオンラインさんです。
張り子というユニークな日本の商材の魅力が伝わる、遊び心ある写真をベースに独特の世界観を作り出している手腕は見事。
「高崎ダルマの歴史」や、オリジナル商品である「浮世絵 猫」の開発秘話コンテンツなど、商品が作られるまでのストーリーを伝えるコンテンツは思わず引き込まれます。

さらに日々の記録として、スタッフさんがブログ投稿をすることはショップにもひと気(ひとけ)を感じさせ、「この人たちが張り子を作っているんだ」と親近感を与えてくれます。
また「白仕上げ(無地張り子)」という無地の張り子商品のペイント例を募集し紹介するコンテンツはお客様とのコミュニケーションにつながります。
メディアECを上手に運営する2つのポイント!
ここではメディアECを運営上で大事なポイントを2つ紹介します。
① 目標の立て方を工夫すること
メディアECを運営しようとしたものの、結局続けられず情報発信をやめてしまうショップさんもいらっしゃいます。実は上手に運営しているショップさんの多くは目標の立て方やメディアECを評価するポイントを工夫しています。
時間や人手をかけている分、メディアECに短期的な成果を求めがちになってしまうのですが、メディアECは基本的に中長期的な施策になることが多いです。
なので、すぐに結果が出なくとも、グッとこらえてまずは数字での結果目標ではなく、例えば「半年で10記事作る!」だったり、「一か月でSNSに10投稿する!」だったりと行動目標を設定してみましょう。
無理なく運営するペースや仕組みがだんだんとわかってくるので、慣れてきたら徐々に成果につながる目標を設定すると良いと思います。
② ユーザーにとって有益な情報を与えるコンテンツ作りを意識しよう
メディアECを運営する中で、よくやってしまいがちなのが自分たちの伝えたいことだけをコンテンツにしてしまうことです。
メディアECでうまくいっているショップさんの多くは、ユーザーにとって有益な情報をコンテンツにすることを意識して作っています。
例えばユーザーの悩みや課題を解決してあげることや、商品の使い方といったコンテンツを作ると良いでしょう。
もしどんな悩みや課題があるのかわからない場合は、直接お客様にヒアリングしたり、アンケートを取ってみたりするのもおすすめです。
まとめ
この記事ではメディアECの説明や、メリット、事例などについて解説させていただきました。
メディアECの運営は、数多くのメリットがある一方で、リソースの消費が多く、運営自体も厳しくなりがちです。
とはいえ、差別化の実現やファンベースの構築によって、店舗の売上向上が期待できるため、挑戦する価値はあると思っています。
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