
この記事の目次
はじめに
「ECコンサル おすすめ」
自社で初めて立ち上げるEC事業の責任者になったあなたは、Googleの検索窓にそんなキーワードを入れたのではないでしょうか?
社内にECに詳しい人間がいない以上は社外で専門家を求めるのは普通の流れですよね。
もしくは社長や上長から外部にコンサルを依頼するように言われたのかもしれませんね。
EC自体は初めてかもしれませんが、いろんな仕事に携わってきたあなたは過去の経験から「とりあえず実績のある会社に何件か問い合わせして、面談して、相見積もり取って、〇〇さんの承認をもらって〜」という頭でいるのでしょう。
しかし初手でいきなり依頼先を探し始めて大丈夫ですか?
EC事業はあなたが思っているより複雑で骨の折れる事業です。
コンサルティングを受けたのに売上が上がらず費用倒れになったり、コンサルタントと意思の疎通がうまくいかずトラブルになったりするなんて日常茶飯事です。
本記事ではECコンサルを依頼する際に失敗しないためのノウハウをご紹介します。記事を書く私は貴社のようなEC未経験の事業者へのサポートや、自前でECサイトを運営しております。
これからECを立ち上げるためにECコンサルをお探しの方や、すでにEC運営をしているけどうまくいかずECコンサルに頼ろうと検討されている方に有益な内容になります。
ぜひ最後まで読んでいってください。
ホームページを見てもイメージできなかった...となりがちなECコンサルの中身とは?
ECコンサルと一口に言っても何をしてくれるのでしょうか?
具体的にイメージしてみましょう。
ECコンサルに依頼できること
① 事業計画
いわゆる経営コンサルに近いものです。EC事業を経営的な観点から計画を一緒に練ってくれます。
② 市場調査
消費者のトレンド、ライバル会社の動向など、自社が知りたい情報を調べてくれます。
③ 商品開発
②をもとに商品づくりのアイデアを考えてくれます。すでに商品がある場合でも強みのアピール方法を指南してくれます。
④ サイト制作
デザインとプログラムでECサイトを構築してくれます。Amazonや楽天市場のようなモール系だと初期設定や審査作業を手伝ってくれます。
⑤ ページ作成
写真撮影や説明文の作成などは自社でやることが多いのですが、④と一緒に依頼できる場合があります。
⑥ 広告
ここでいう「広告」とはネット広告のことになります。自社のアカウント情報を共有することで、バナーのデザインや入稿作業を代わりにお願いできます。
⑦ SNS運用
近年では広告と同じくらい影響力があります。InstagramやYouTubeなどを経由してECサイトに訪れてもらうための施策を一緒に考えてくれます。
⑧ 効果検証
⑦までのことが「結果どうだったのか?」を知って次のアクションに繋げることが一番大事です。分析結果をレポートにまとめて次のアクションを洗い出してくれます。
「意外とやることあるな」
「たったそれだけのことか」
「ちょっと何を言ってるかわからなかった」
上記の内容をざっと見渡してどんな印象を持ちましたか?
ここでECコンサルを依頼するかの是非を判断するのは早いです。ECコンサルを提供する会社には仕事のタイプがあるからです。
ECコンサルのタイプ
戦略系
会社の肩書きでいう「顧問」のようなイメージが近いでしょう。一つ一つのTODOに対してアイデアや課題点を示したり、協業パートナーとなり得る会社を紹介することがメインになります。
すでに自社でEC事業のための人員が揃っていて、「作業はこっちでやるからブレインになって欲しい」という方に向いたECコンサルです。
作業代行系
相談したことを皆さんに代わって作業することがメインです。「自社で企画やマーケティングの部門がいるから実行支援をしてほしい」という場合に適しています。
代行方法としては、ECコンサル自身がすべての作業を引き受ける、ECコンサルが提携している外注先が対応するなどパターンはいろいろです。
このタイプのECコンサルは制作会社と混同されがちですが、制作会社は「ECサイトをつくる」ことを専門にしているので「商品が売れるか」という点までは対応しきれないことが多いです。
専門特化系
「EC構築」とググるだけでAmazon、楽天市場、BASE、Shopifyなど無数にプラットフォームが出てきますよね。
特定のプラットフォームに高い専門性を持っているECコンサルもあります。楽天で働いていた人が独立して、楽天市場のECコンサルティングをしている、なんてことがあるからです。
そのため自社で楽天市場を使用することが事前に決まっている場合は、「楽天市場のEC構築に自信があります!」といったECコンサルに依頼する方が効果的だったりします。
EC立ち上げにあたって内製化するのか、外注化するのか問題
ECコンサルに対するイメージが少しずつ見えてきたのではないでしょうか?
少し先を進んでいる方であれば「別にECコンサルとかいらなくない?」と思われたかもしれません。とても大事な視点ですので、EC事業を自社で内製化するのか、ECコンサルに外注するのかについて考えていきましょう。
EC運営の業務フロー
最低限の業務フローをおさらいしておきましょう。EC未経験の方はこちらを持って「そうやってやるんだ」と想像してください。
① 受注
メールで注文が入ったことがわかりますので、商品名と数量、発送先を確認します。
② 梱包
配送の揺れで破損がないように丁寧に商品を梱包します。商品開発はしたけどダンボールや資材を用意するのを忘れた、なんてことがないように事前に準備しておく必要があります。
③ 各種伝票の発行
誤配送があったときに備えてお客さんと自社で照合できる書類を用意しておきます。「納品書」「注文書」などのことで必ずしも紙書類である必要はないです。また法人向けのECをされる場合は「領収書」をお客さんから求められるでしょう。
④ 商品の配送(引き渡し)
商品をお客さんのもとに配送します。ヤマト運輸や佐川急便のような委託先がある場合はドライバーさんに引き渡します。まだ配送方法を考えていない方は至急取り掛かってください。実は配送こそがECの運命を分けるターニングポイントになるからです。こちらについては下記の記事をご覧ください。
⑤ 入金
商品がお客さんのもとに到着して中身に問題がなければ代金が振り込まれます。前払いであればすでに入金されているはずです。もし中身の破損があれば返金対応することになります。
内製化と外注化の判断
EC運営の業務フローは基本的には自社で対応するものとした場合、前章でお話した「ECコンサルに依頼できること」の部分が自社でやり切れるか?というのが大きなポイントです。「ECコンサルに依頼できること」に書いた部分はEC立ち上げ時のみの作業という認識かもしれませんが、実際にはEC運営しながら並行でやっていくものが多いです。
例えば商品開発は売れ行きを見て新しいアイテムを追加したり、リニューアルがあるはずです。サイト制作についても「やっぱりポイント付与の機能は必要だった」といった感じで、当初は予定していなかった機能が追加で必要になることもあります。
受注、梱包のようなルーチン作業を毎日やりつつ、同時並行で「ECコンサルに依頼できること」に書いた部分にも手をつけることが現実的かを考えてみてください。
できそうであれば100%内製化で始めてみましょう。
EC未経験であれば最初は苦戦するはずなので、ECコンサルを発注する業務も自社で対応して利益に還元しておいたほうが良いからです。
できなさそうであれば外注していきましょう。
外注する場合も全業務を依頼するというよりは、「立ち上げ時期だけ」という期間限定や「〇〇〜△△の施策まで」というフロー限定のようなハイブリット型が今の時代には合っています。
ECサイトのようなITが絡むサービスは、テクノロジーの進化とコロナ禍のような天災によって皆さんのようなサービス提供者の対応業務が必然的に増えていく構造だからです。
外注先としても年を重ねるごとに作業量だけ増えていったら当然値上げすることになります。
ECのような有形の小売ビジネスはそもそも利益率を拡大しにくいので、外注100%で自動化しつつ利益も確保するというのは相当難しいです。仮に外注100%にできたとして自社の業務負担は少なくなるかもしれませんが、自社にノウハウがたまりませんので私はおすすめしません。
自社にEC事業のノウハウがたまっていくと、今度は皆さんが「ECコンサル」「EC作業代行」のようなサイドビジネスを展開するチャンスがあるからです。
自社ECでの売上とは別に関連事業がつくれると鬼に金棒ですね。
コンサルタントを存分に生かしたEC構築のために準備しておくべきこと
それでは実際にECコンサルを依頼することが確定した場合の話をします。
専門性を求めて依頼するわけですが「とりあえずお願いします」のような発注をすると、求めていたことを対応してもらえなかったり、EC自体の売上が上がらないことになったりします。
打ち合わせの場ではECコンサルが主導で進めていくでしょうが、事前に社内で打ち合わせたものを先に提示することで中身のある打ち合わせになるでしょう。
ECコンサルに依頼したいことをまとめる
ベタ書きでも良いのでECコンサルに依頼したいことをまとめてみましょう。
例えば半年前に自社の従業員だけでECサイトを立ち上げたもののうまくいっていないためECコンサルを依頼したい場合です。
・第1希望で達成したいこと
現状50万円/年ほどの売上を100万円/年まで増やしたい
・社内で考えている課題
既存で販売している商品をECで販売するだけだったので、サイトの立ち上げまではスムーズにいったが、新規商品の開発や宣伝活動を行う体制が作れていない。
サイト制作は提携のWeb制作会社に依頼しており、ページの更新があれば保守契約の範囲で対応を依頼できるが、制作メインの会社なためマーケティング的な作業までは対応してくれない。
・相談したいこと
売上アップのための施策が手付かずの状態なため計画段階から支援して欲しい。
またスケジュールを組んで企画物を実施するなど、継続的に見込み客を獲得する施策も取り組みたい。
ECコンサルに聞きたいことをまとめ
ここでいう「聞きたいこと」とはコンサル費用や会社情報のような、後からでも調べられることは除きます。
先ほどの例題を引き継いで以下のような質問事項です。()のなかに書いてあるのが質問する目的になります。
- 作業代行まで依頼することは可能か?(引き受ける体制があるか)
- 当社と同じ業界の会社にコンサルされた経験があるか?(再現性があるか)
- 今のサイトとは別チャネルで露出が必要になった場合は、どのプラットフォームを使用するのか?(守備範囲はどれくらいか?)
- ECコンサルの傍ら、EC運営もやっているか?(ノウハウはどれくらいあるか)
- 打ち合わせの頻度はどれくらいか?(担当者と連絡が取りやすいか)
ここまで準備しておくと自然と良いECコンサル像というものがわかってくるかと思います。
- サポート体制がしっかりしている
- 多チャンネル、多業種に対応できる
- ググっても出てこないノウハウを持っている
上記3点が優れたECコンサルに共通する条件です。
最後に
本記事を読み始めたときと比べて今の心境はいかがでしょうか?
モチベーションは上がっていますか?もしくは逆にゲンナリさせちゃったかもしれませんね。
EC事業は華やかに見えますが実際には地道な作業を泥臭くやっていく仕事です。
一度やってしまえばマニュアル化しやすい仕事なので新しい従業員への教育は楽です。
継続した売上が期待できますし、クライアントワークを主軸にしている事業者にとっては念願の自社サービスと言える事業になるはずです。
本記事を書いている私もECコンサルのご依頼をお受けしていますので「〇〇についてもっと教えて欲しい」などあればお問い合わせいただいて大丈夫です。
どうぞよろしくお願いいたします。
■株式会社Lorem
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