
日々の業務でニュースをキャッチアップする時間がなかなか取れない方もいらっしゃると思います。そこで、2023年8月のEC・ネット通販関連ニュースをまとめました。今回は、「AIに注力するECプラットフォーム」と「AIを活用する事業者」をテーマにみていきます。
また、運営堂の森野さんとニュースの詳細解説をポッドキャストにて配信しております。お時間がある方はこちらも合わせてチェックしていただければと思います。
AIに注力するECプラットフォーム
海外企業の動向
2023年3月のEC関連ニュースまとめ でも、「EC運営で活用されるChatGPT」というテーマで取り上げましたが、AIは急速に進化し、さまざまな産業や領域で存在感を増しています。それは一過性のブームやトレンドで終わらず、今後も注目が集まるでしょう。
特にアメリカではAIの活用が進んでおり、アメリカ市場にて上場しているECプラットフォームもその流れを受けています。Shopifyは、2023年4月にプラットフォーム上で利用できるAI対応機能群である「Shopify Magic」をリリースしました。そして、7月27日にShopify Magicの中でも中核の機能となる「Sidekick」を発表します。これにより、商品説明文やFAQ、ブログ記事、メルマガなどの作成をAIがサポートしてくれるとのことです。
Shopifyだけでなく、Wixも2023年8月2日にAI 搭載の Web 制作向け機能「Wix Studio」を提供開始することを発表しました。AIを活用することで、複雑な Web デザインやコンテンツ制作のタスクを簡素化し、生産性を大幅に向上させることができるといいます。
国内企業の動向
日本でも、無料・有料のASPカートからECパッケージまでと、さまざまなECプラットフォームがAIに注力していることが各社のプレスリリースから見てとれます。
- 「BASE」がショップオーナーの業務効率化を目的としたAI(ChatGPT)機能「BASE AI アシスタント」の提供を開始
- GMOペパボ、AI(ChatGPT)を活用したマーケティング支援機能をEC関連3サービスにて提供開始
- EストアーショップサーブがRosetta AIを導入 ファッション&ライフスタイルに特化した話題のレコメンデーションエンジン
- ecbeing、ChatGPTを組み込んだAIチャットボット『AIデジタルスタッフ』をリリース
- SI Web Shopping、ChatGPT APIを使って商品管理にAIを実装。商品登録作業の大幅な効率化でECサイト運営の負担を軽減
とりわけ話題になったのは、楽天グループとOpenAIの協業に関する発表ではないでしょうか。楽天グループが保有する豊富なデータやドメイン知識を活用し、サービスや製品などへのAI活用を進めていくとのこと。そして、OpenAIは楽天グループに対して優先的に最新APIを提供し、そのサポートなども実施するそうです。今後双方に有益なビジネス機会を創出することを目指していくと話されています。




AIを活用する事業者
ECプラットフォームがAIに注力していることがわかりましたが、事業者は実際に活用されているのでしょうか?
エルテックス社とコマースピックでの共同調査を行った結果、通販事業者の3割がAIを導入済み、または導入予定ということが明らかになりました。特にサイト内検索やチャットボット・接客ツール、マーケティングの分析での活用が注目されています。
アドビ社の調査でも同様に、約3割(30%)の企業が生成AIをマーケティング施策にすでに導入、もしくは活用に向けて準備を進めているという結果が出ているため、この数値は市場の動向やトレンドを捉える上で参考になるのではないでしょうか。
さらにアドビ社の調査から、約9割(86%)の企業が生成AIを画像やテキストを含むコンテンツ作成に活用したいと考えていることが判明しています。この結果からも、AIが一過性のブームやトレンドではないことが頷けます。今後もAIは注目され、活用する企業は増えていくでしょう。




8月のおすすめ記事
お時間がありましたら、下記の記事もご覧いただければです。小売事業者さんや支援事業者さんによる、事例を踏まえた内容となっていますので、日々の業務に何かしらお役に立つかと思います。
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