
SNSの総フォロワー数100万人以上のインフルエンサーとして活躍する橋下美好さんがプロデュースしたコスメブランド「haomii(ハオミー)」は、2022年5月に立ち上がりました。今回は、商品の共同企画・開発を行っていた株式会社MERYの取締役副社長兼COOである青木秀樹さんに、ブランド立ち上げからEC運営までの流れについて伺いました。
この記事の目次
MERYの縁が生んだ「haomii」の誕生
――まず、「haomii」を立ち上げられた背景について教えていただけないでしょうか。
青木さん:弊社ではMERY shopというアクセサリーのECサイトを運営しています。そこで培ったノウハウを活かしながら、D2Cのコスメ事業にも展開したい想いがあり、以前からお付き合いがあって、MERYユーザーにも大きな人気を誇る橋下美好さんにオファーさせていただきました。
オファーの結果、橋下美好さんとご縁があり、「haomii」を共同で企画・開発するに至ります。2021年5月頃にブランドを作ろうと決まってから、発売まで丸1年ほど準備に時間を要しています。

「haomii」に込められた想いとこだわり
――今回、「haomii」を販売する上で、プロデュースをした橋下さんの魅力や商品へのこだわり、発売までの苦労があれば教えていただけますか。
青木さん:mer(メル)のモデルとして活躍し始めた橋下さんですが、高校生の頃に姫路から上京しました。東京でモデルとしてのキャリアを歩む中で、努力家でストイックな側面が読者層の世代が近いMERYのファンから共感を生んでいるポイントだと感じます。
「haomii」というブランド名には、「ファンから憧れの対象ではなく、時には友達のように寄り添いながら、一緒に1mmでも前に踏み出したり、一緒に高め合ったりしながら成長したい」という想いが込められています。ブランドコンセプトも「A step with you」で、「美好くん」の愛称で親しまれている橋下さんのイメージにピッタリではないでしょうか。「haomii」は橋下さんの下のお名前の「美好」から着想を得たものですが、中国語読みをすると「1mm」という意味にもなって、とっても想いのこもったファンの皆さんにも喜んでいただけるブランド名になりました。
発売したリップティントは製造先を探すために、橋下さんと一緒に何社も工場に足を運びました。発色が良く、それでいて色落ちしづらく肌荒れしづらい、誰でも使えるリップティントを作っていただける工場を探していると、韓国の工場に行き当たります。
もともとは国内の工場にお願いする予定でしたが、ティントならではの発色やステイン力など、その工場でないと表現できないことが多かったので、プロデュース会社に間に入ってもらいつつ、韓国の工場に製造を依頼する形を実現しました。
ティントを販売する上で重要な色味はコミュニケーションを重ねながら決めていきました。橋下さんらしさを活かしたニュアンスカラーの表現を追求する中で、お花のような色味にたどり着いたのです。そのため、「Melty flower lip tint(メルティーフラワーリップティント)」と自ずと商品名もお花をモチーフにした名前になっています。

Shopifyとスピードロジで運用の効率化を実現
――橋下さんとMERYの共同で工場探しから始めて、言葉の壁を乗り越えながら今の商品ができあがったのですね。MERYではECサイトの運営を既にMERY shopで行っているため、ノウハウが社内に溜まっているかと思います。その点を踏まえて、「haomii」のサイトを立ち上げる上で、どういった点を意識しましたか。
青木さん:まず、ECサイトは世界観を表現するためのビジュアルとクリエイティブにかなりこだわりました。MERY shopでは売上規模の拡大に伴って、以前利用していたカートシステムからShopifyを採用してECサイトを乗り換えています。システムの乗り換えによって、MERY shopで開発したい機能の自由度が増していきました。
「haomii」でも橋下さんが作りたいサイトのイメージをしっかり表現するために、高い自由度を少ない工数で実現できるShopifyを採用しました。また、コスト面の柔軟性に優れていると感じたことも採用の理由として挙げられます。

青木さん:サイトの制作など、デザインや開発が必要な点はMERY社内にて行っています。現在、私を入れて社員3名体制で運用しているため、日々の受注から発送までの業務はトランスコスモス社のスピードロジに依頼することにしました。
運用業務を委託するにあたって、Shopify とスタートアップに強い物流会社を中心に探していたときにスピードロジと出会います。さまざまな物流会社とお話しましたが、最終的にはスピードロジの石毛さんの提案力と信頼度の高さが決め手となり、商品保管・発送運用の依頼を決めることになりました。商品数や在庫数が少ない状態から預かっていただけるので、これから立ち上げる、もしくは立ち上がり間もないブランドにおすすめです。
立ち上げ直後、まずはファンへの手厚いサービスから
――ECサイトの立ち上げ後、集客や認知を拡大するためにどのような取り組みを行ったのでしょうか。
青木さん:最初は、橋下さんのファンからお届けしようという気持ちから、彼女のInstagramのみで告知を行いました。発売記念のインスタライブも開催し、ファンの方の声がたくさん寄せられて大盛況だったのではないでしょうか。
ブランド立ち上げの告知のあと、間もなくして大阪と東京でポップアップストアを開催します。会場ではチェキ会を実施するなど、橋下さんのファンの方にもとても喜んでいただける密度の高いイベントとなったと思います。まずはファンの方にしっかりと認知してもらえるように、8月いっぱいまでは徹底的にファン向けの告知をしています。

青木さん:また、発売時のファンの方向けの取り組みとして、300個限定で直筆サイン入りの商品を販売しました。発売開始から1時間で完売し、ファンの方々からの良い反響をいただきました。実はこのとき、裏側の運用でトラブルが発生していたのです。サイン入りの商品とサインが入っていない商品を同じSKUで管理し、入庫してしまったのですが、スピードロジ側から「なんとかします」と連絡をいただき、お客様には間違いなく発送することができました。
別の取り組みとして、お買い求めいただいた方に数量限定でノベルティのフェイスマスクを同梱していたのですが、こちらも想定以上に反響があったので、10月からは商品として販売することになりました。そのような取り組みの甲斐もあって、リピート率は相対的に高いと感じています。1色買ったあとに別の色やギフト用で購入いただくことが多いようです。オリジナルの梱包資材やショッパー(紙袋)が、商品が届いたときにテンションが上がると好評なのも継続的に利用いただいている理由かもしれません。

認知拡大に向けて次の集客フェーズへ
――ブランド立ち上げから、ファンの方向けの取り組みに焦点を当てて伺いましたが、今後の展開はどうお考えでしょうか。
青木さん:今後はコアなファン以外の方からも、興味を持っていただき購入していただくことが大切なフェーズです。初回はファンの方をメインターゲットに開催したポップアップストアですが、新色発売に合わせて実施した前回のポップアップストアからは、新規の方にもより接点を持つ機会にできるような設計にしました。具体的には、「haomii」を知らない方でもタッチアップできるようにBA(ビューティアドバイザー)を入れたり、人通りの多い場所を会場にしたりしたことで、前回とは違った新しい顧客層にも接点を持っていただけました。

インタビューを通して:インフルエンサーの前のめりな姿勢がブランドの成長に不可欠
MERYのバックアップにより立ち上がったブランドである「haomii」ですが、商品の開発やECサイトの立ち上げ、その後の宣伝に至るまで橋下さんが能動的にブランドと関わっていることを取材の中で教えていただきました。立ち上げから1ヶ月で、売上は1,000万円を超え、今後さらに認知を広げる動きを取る中で売上を伸ばしていくと感じられます。
ポップアップストアなどリアルな場所でお客様と接点を作る取り組みを積極的に進めている「haomii」ですが、Shopify とスピードロジの連携により、在庫の管理や情報連携などOMO施策も今後実現していくのではないでしょうか。スピードロジではECサイトのみではなく、オフラインとの在庫連携などShopifyの機能を活かした提案をしてくれます。現在Shopify を利用してECサイトを運用している方、今後Shopify を利用してECサイトを立ち上げる予定の方は、ぜひスピードロジに相談してみてはいかがでしょうか。
▼「haomii」のECサイト
https://haomii-cosme.com/
▼スピードロジへのお問い合わせはこちら
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