まずはここから!コストをかけずに誰でもできる、楽天市場無料集客術【前編】

はじめに

「楽天市場に出店したものの、何から始めて良いかわからない」
「楽天市場で販売しているものの、何をしたらいいかわからない」

かれこれ5,6年、楽天市場を中心としてEC事業の支援をしていますが、上記のような質問を受ける機会を非常に多く頂きます。確かに、楽天市場における攻略法の類のものはあまりネット上にも転がっておらず、どうしてもお買い物マラソンやスーパーセールなどのイベント対策や広告に偏重した施策に終始することが多くはないでしょうか。

もちろん、イベント対策や広告も非常に重要な要素です。ただ、その前にコストをかけずに誰でもできる「基礎対策」をまずはやってみていただきたい。サッカーでいうならトラップやパス、つまりそもそもサッカーをするにあたり必須の能力です。言い換えると、楽天市場における基礎対策は、楽天市場で事業を展開する上での必須の対策と考えています。

今回はその基礎対策を「誰でもできる、楽天市場無料集客術」と題して、前後編に分けてお伝えできればと思います。

楽天市場無料集客術とは?

そもそも「楽天市場無料集客術」とは何かということをお話しさせていただきます。楽天市場における無料集客術とは、8割くらいは検索(SEO)対策のことだと思っていただければよいかと思います。

まずは、楽天市場で事業を展開していく上で検索対策を行うことが非常に重要な位置を占める理由についてご説明します。

楽天市場無料集客術とは?1

上のグラフを見てください。この表は、楽天市場で購入されたある架空の商品について、売上100%に対する、コストにおける各要素の構成比を示したものになります。この商品の売上における粗利は、売上から「原価と送料(50%)」、「楽天市場での販売にかかる手数料(10%)」、そして「広告費等の販促費(5~20%)」を引いた金額となります。

このうち、「原価と送料」はなかなかコントロールできるものではありませんし、「楽天市場での販売にかかる手数料」は変わりません。したがって、楽天市場における1商品あたりの粗利を大きくするためには、販促費の割合を小さくすることをまずは検討する必要があるのです。

楽天市場無料集客術とは?2

続いて、楽天市場において売上の元となる経路をざっくり分類してみましょう。おおまかに「検索経由」「広告経由」「リピーター経由」の3つに分けることができますが、このうち「広告経由」の売上は、広告の出稿に伴う販促費がかかります。そして「リピーター経由」の売上は、そもそもユーザーに一度購入していただけなければ生じないものです。

一方、「検索経由」の売上に関しては、基本的にコストを必要としません。仮に広告費と広告経由流通が一定とした場合、検索経由での売上が増えれば増えるほど、結果的に店舗全体の売上に占める販促費の割合が減っていきます。そうすれば粗利も自然と増加していくでしょう。つまり、無料集客術(検索/SEO対策)を行うことは、皆さんの売上だけでなく、粗利の増加にも貢献する対策となります。(ここでは便宜上、人件費などを含まない収益を粗利と記載させていただいております)

キーワードの攻略

それではここからは、実際の対策についてご説明します。

まず、楽天市場で検索対策を実行する上で重要なことは、「キーワードを商品名やキャッチコピーなどに確実に反映させる」ことです。楽天市場は、商品名やキャッチコピーなどに店舗側が露出させたいキーワードが入っていないと検索に引っかからない仕様になっています。従って、楽天市場における検索経由の売上の拡大には、細かなキーワードを含めた検索対策を施すことが必須となります。

それでは、具体的にどうすれば検索に引っかかるキーワードを見つけることができるのでしょうか。検索キーワードの対策は、主に「楽天市場内キーワード」と「Googleキーワード」の2つに分けて考えることができます。

楽天市場内キーワードの攻略

まずは楽天市場内で検索されているキーワードの探し方からご説明します。楽天市場内で検索されているキーワードの探し方は単純で、楽天市場の検索窓に関連キーワードとして出てくるものがそれに当たります。

楽天市場内キーワードの攻略1

例えば「シャンプー」と検索すると以上のようなキーワードが関連項目として出てきますが、これがシャンプーを販売する際に対策するべきキーワードです。ちなみにですが、ここで表示されるキーワードは検索されている順番に並んでいます。

しかし、検索窓に表示されているキーワードを1つ1つ手入力していくと大変です。そこで、「ラッコキーワード」というツールを使用することで効率的に行うことができます。

楽天市場内キーワードの攻略2

「ラッコキーワード」にアクセスすると中心に検索窓があります。そこに検索対策をしたい商品のキーワードを入れてみてください。そうすると、関連するキーワードが一覧表示されます。

楽天市場内キーワードの攻略3

キーワード一覧の上部に楽天のロゴマークのボタンが表示されるので、そちらを押していただくと、またキーワードが出てきます。これが「シャンプー」というキーワードに対して楽天市場の中に存在している関連キーワードの一覧になります。

ここに表示されているキーワード1つ1つに対して丁寧に対策すれば、抜けもれなく検索対策ができるのです。CSVファイルでのダウンロードが可能ですので、そこから自社の取扱商品の対象になるキーワードをピックアップし、商品名やキャッチコピーに実装していただければ、それだけで成果が上がりやすくなるでしょう。

楽天市場内キーワードの攻略4

もう少し検索対策にこだわりたい、という方はPC画面で対策したいメインのキーワードを入力した後に、検索画面の下部を見てみてください。

楽天市場内キーワードの攻略5

するとこのような形で「関連する検索キーワード」が表示され、ここでは表記ゆれやキーワードの言い換えなど、サジェストに出てこないキーワードが表示されることがあります。新しいキーワードの発掘にも繋がる場合もありますのでぜひ活用してみてください。

Googleキーワードの攻略

次に、「Googleキーワード」に対する対策についてご説明します。楽天市場で検索経由の販売を拡大するためには、楽天市場内の検索対策を行うだけでは不十分です。

これに対して少し疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は楽天市場へのアクセスのうち、かなりの割合をGoogleからの流入が占めているといわれています。なぜ楽天市場へのGoogleからの流入が多いかというと、楽天市場自体がGoogle内の検索対策に重点的に取り組んでおり、SEO面が非常に強力だからです。

実際に、Google検索における様々なキーワードで楽天市場内のページが検索上位に表示されています。またその中には、そのキーワードの楽天市場内での検索結果ページも含まれています。例えば「シャンプー」とGoogleで検索をかけると、楽天市場内で「シャンプー」と検索した際に表示されるページが上位に出てきたりします。

なのでGoogleでのキーワード対策もする必要があるのですが、その具体的な方法についてお話しする前に事例を1つ紹介しようと思います。

学校の卒業式で親御さんが着用されるようなスーツを楽天市場内で販売をされていた店舗さんの事例なのですが、楽天市場内でのキーワードを分析すると、「卒業式 スーツ 母」というキーワードからの流入が最も多くを占めていました。

しかし、楽天市場内で「卒業式」と検索しても、「卒業式 スーツ 母」というキーワードは楽天市場内の関連キーワードとして出てきません。

そこで調べてみると、Googleで「卒業式 服装」と調べると検索結果の上位に「卒業式 スーツ 母」の楽天市場の検索結果のページが出てきたのです。結果的に、卒業式のスーツに関してはGoogleからの流入が多かったため、Googleキーワードの対策を重点的に行うことになりました。この事例のように、検索対策を行う際には楽天市場内部だけでなく、Googleキーワードについても目を配る必要があります。

Googleキーワードの攻略1

Googleキーワードの対策というと難しそうに聞こえるかもしれませんが、実はその方法はとても単純です。例えばお取り扱いの商材がシャンプーの場合、Googleの検索窓で「シャンプー 楽天」と検索してください。そうすると、楽天市場内のリンクに繋がるシャンプー関連の検索結果が出てきます。ここで出てきたキーワードのうち、楽天市場内で関連キーワードとして出ていなかったものを商品名やキャッチコピーに実装してみてください。シャンプー以外の商品についても同様の手順で商品名の後に「楽天」とつけてGoogleで検索していただければ大丈夫です。

Googleキーワードの攻略2

キーワードの設置場所

最後に、上記で探していただいたキーワードの設置場所についてお話します。これは、店舗運営Naviにも明確に以下のように記載されています。

キーワードの設置場所

検索対象項目に書かれている場所が検索結果に紐づく場所になりますが、基本的には商品名とキャッチコピーに設置していただき、入りきらないキーワードは商品説明文などに記載するのが良いでしょう。

最後に

以上、ここでは、楽天市場無料集客術の重要性と「楽天市場内キーワード」と「Googleキーワード」の対策方法についてご紹介しました。まずここまで実施できれば、基本的には対策するキーワードに抜け漏れがない状態になります。

本記事でご紹介させていただいた、楽天市場において検索経由の販売を拡大させるための手法は、基本的にコストがかからないものであり、かつ丁寧に取り組めば必ず成果に繋がるものです。なので、本記事で紹介した施策をまだ実践されていないという方は、ぜひ取り組んでみてください。

次回の後編では商品登録画面において実践するべき4つの施策についてお話しさせていただければと思いますので、そちらのほうもぜひ参考にしてみてください。

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